ナベヅル
越冬地の日本でもテリトリーを持ち、いつも家族で行動
全長96cm、翼開長185cm。体は大きいですが、ツルの仲間としては中形です。体は灰黒色で、首の半分から上は白色をしています。頭上に赤斑をもち、額は黒色です。メスオス同色で、オスの方が体は大きい。「クォーォッ」 と大きな声で鳴き、幼鳥は「ピー」と聞こえる声で鳴いています。幼鳥は全体に褐色味が強く、首が褐色をしています。成鳥になりツガイをつくると、どちらかが死ぬまでずっとそのツガイを維持します。家族単位で生活し、繁殖年齢になるまでの若鳥は群をつくっています。アジア北部で繁殖し、冬には南へ渡ります。日本では鹿児島県出水平野に多数が渡って来て越冬します。朝鮮半島から出水への渡りルート、例えば対馬、長崎県諫早干拓地などではよく見られています。世界中の個体数の9割が日本へ渡来していると考えられています。
古くは東北地方(岩手県中部)を渡っているものが知られており、殿さま(江戸時代は伊達家)への献上品としてナベヅルを捕えたそうです。現在は九州以外(ごく少数が山口県や四国に渡来)では全くの迷行記録しかありません。
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