コノハズク
間違えないで「ブッポウソウ」と鳴くのは私です
全長20cm。日本では北海道、本州の山地の大木のある森林で繁殖します。繁殖期には夜中から夜明けにかけて、「ブッ カッ コー」とか「ブッ ポー ソー(仏法僧)」ときこえるコノハズクの声がします。日本でいちばん小さいフクロウの仲間です。ブッポウソウという鳥が別にいて、昔はそれが鳴いていると思われていたのですが、姿はキレイでも声は「ゲエッ」という悪声で、これは「姿のブッポウソウ」となり、コノハズクが「声のブッポウソウ」となりました。空中を飛んでいる昆虫類などを食べています。木の葉のように小さなミミズクの意でコノハズクです。
コノハズクには、アイヌに伝わる悲しいお話があります。
おばあさんが、孫と一緒にユリの根をとりに森へ行きました。あちこち歩いているうちに道に迷ってはぐれてしまい、おばあさんは家に戻ってきましたが、孫のほうは夜になっても戻りませんでした。その晩から、この村の裏山で、トキト トキト フチトキトという声がするようになりました。フチというのは、アイヌの言葉でおばあさんという意味です。トントン、おばあさんトントン・・・おばあさんが声のする裏山へ行ってみると、ユリの花が露にぬれて、まるで涙を流しているように光っていました。
人々は、孫がコノハズクになっておばあさんを呼んでいるのだと、話し合いました。
/ みみずくや 上手に眠る竿の先 一茶 /
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