キビタキ
オスは水仙の橙色や黄色をおもわせる体
明るく大きな声で鳴く
全長13.5cm。オスはカラフルですが、メスは地味な暗緑色をしています。夏鳥としてほぼ全国で繁殖していますが、亜種リュウキュウビタキは、留鳥です。木の穴、建物のすき間などに巣をつくります。繁殖期、オスはなわばりの宣言と、メスの関心を引く「さえずり」を日の出とともに高らかにうたいあげます。南からやってくる夏鳥の中で、その体の美しい配色と、美しい声でひときわ目立つのが、キビタキのオスでしょう。よく繁った落葉広葉樹林にふさわしい、はなやかな色あいと、明るく大きなうたごえです。渡りの途中には市街地にも姿を見せることがあります。林の内部の空中で餌の虫をとっています。
学名ナルシシナ、英語ではナルシッサス・フライキャッチャー。ともに「水仙」の意味で、人の目に鮮烈に映るかを物語っていると思います。と同時に、キビタキには、自分の姿の美しさに見とれて、泉のほとりで水仙になってしまったというギリシャ神話の美少年ナルシスの姿を連想させるではありませんか。
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