イスカ
交差したくちばし
「イスカ(交喙)」は古語でねじれてかみ合わないという意味
全長18cm。オスは全身暗赤色で翼と尾は暗褐色。メスは灰色がかった黄緑色の体をしています。本種の最大の特徴は、頭の割りには大きいくちばしの上下が合わさらず、先の方は左右に分かれていて、更に下くちばしの先は上に向き、上くちばしの先は下を向いていることです。「イスカの嘴(はし)の食違い」と古くから言われている由縁です。このくちばしは上下を少し開き加減にしてマツボックリ(マツカサ)の間に入れ込み、そのくちばしを合わすと、先が曲がって食い違っているためにマツボックリの笠の間を押し広げ、中の種子を容易に取り出すことができるのです。マツカサをつつけるアカマツ、クロマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツなどの針葉樹やハンノキ類の実を主食にしています。生息環境は針葉樹林で、雛を育てるのにもマツ類の実を与えています。夏に繁殖することも多いのですが、積雪のある冬に行なわれることもよくあります。日本では、主に冬鳥ですが、山地では少数の繁殖例が知られています。
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