アホウドリ
人間に不名誉な名前を付けられた特大の海鳥
全長92cm。翼開長213cm。成鳥では体はほぼ白色で、頭は淡い黄色。翼の上面の先の方半分は黒色。尾も黒色。幼鳥は全身黒褐色。成長するにしたがって白色部分が多くなっていきます。繁殖は7~8才からですが、成鳥羽になるまで10年はかかります。翼を広げて滑空する姿は、体の長さに比較し翼が長いので、美しいの一言。陸上にいる姿は、ガチョウに似ていますが、長い翼をたたんでいるので、腰高になっています。海上では軽々と浮きます。飛び立ちには長い助走が必要で、羽ばたきながら足を交互に出して水面を走ります。かつては北太平洋に10数ヶ所の繁殖地がありましたが、現在は伊豆諸島の鳥島と、沖縄の尖閣諸島の一部の2ヶ所のみ。1947年に鳥島で個体が見つからなかったので、絶滅宣言が出されましたが、繁殖地へ戻っていない個体が極少数残っていたことで絶滅を逃れることができたのです。その後の60余年の保護(初期は気象庁鳥島測候所の方々による)で、2000羽をこすほどまでに増加しています。現在では、鳥島が活火山であることから、雛を移動させて、小笠原諸島の小さな島に新繁殖地を造る活動が進められています。
「アホウドリ -復活のあゆみ-」
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