バードウォッチングの第一歩は、自分の目と耳で、野鳥の存在に気づくこと。
手ぶらではじめても、なんの問題もありません。でも、あると役立つものがあります。
双眼鏡
双眼鏡を使えば、遠くにいる野鳥の姿を間近に見ることができます。逆にいえば、むやみに近づいて脅かしたりせずに、野鳥を観察できることにもなりますね。
双眼鏡の選び方のポイント
双眼鏡は、かさばらず手にしっくりくる大きさのものを選びましょう。倍率が8倍程度、対物レンズ(野鳥に向ける側のレンズ)のサイズが30㎜前後のものをお勧めします。最初からもっと倍率の大きいものが欲しくなるかもしれません。けれど、例えば倍率が8倍から10倍になっただけで、視野角(双眼鏡を覗いて見える範囲)が狭くなって、その分、鳥の姿を視野に捉えるのも難しくなります。そうしたことも考慮した上でお選びいただければと思います。
図鑑・リーフレットなど
持ち歩くのには、都市周辺でもよく見られる野鳥を紹介したハンディタイプのものがお勧めです。まずは身近な鳥のことを知る。それがバードウォッチングの入口ですから。
オススメアイテム
身近な鳥たち ―やさしい見分け方―
<サントリーの愛鳥活動>でご用意する「身近な鳥たちーやさしい見分け方—」は、ごく身近な野鳥をカラーイラストで紹介したリーフレット。最初の一冊に、ぜひどうぞ。
日本の鳥百科
カラーイラスト+鳴き声で、160種類以上の野鳥を検索できる「日本の鳥百科」もお楽しみください。スマートフォンからもアクセスできますから、フィールドでも活躍するはずです。
フィールドノート・
筆記具
小型のノートを用意して、日付や時間、場所、見かけた鳥の名前などをメモしましょう。それがやがて、貴重な記録になっていきます。
メモをしておく意味
バードウォッチングのフィールドであなたが見て聞いて感じたことは、どんな本にも図鑑にも書いてありません。メモは、そんなあなたの体験をよみがえらせるきっかけになるはずです。メモを見返して、鳥と出会った時のことを情景と共に思い起こすことができると、鳥のことも覚えやすくなります。それに、経験を重ねてメモの数が増えていけば、見られる鳥たちの季節による違い、年ごとの変化などもわかるようになって、メモはやがてあなただけの貴重な記録になるでしょう。
カメラ
目にした野鳥の姿を写真に残したい。そう思う方も当然いらっしゃると思います。でも、バードウォッチングの基本は、まず自分の目で野鳥をよく見ること。写真撮影に気を取られると肝心の観察がおろそかになりがちです。カメラを携帯するのは、しばらくバードウォッチングの経験を積んでからでも良いかもしれません。
バードウォッチングでは、基本的に守りたいマナーや気をつけたいことがあります。
野鳥に夢中になるあまり、ついやってしまいがちなこともありますから。
服装について
目立つ色の服装は避けましょう。赤・橙・黄などは、自然界では警戒色。特に蛍光色は野鳥の目を引きやすく、飛び立って逃げてしまう原因にもなります。
また、黒い色には蜂が寄ってきますから注意が必要です。帽子には熱中症対策だけでなく、髪の毛の黒を隠す意味もあります。
林や草地に近づくなら、長袖・長ズボンが原則。虫刺されや切傷・擦傷の予防になります。靴は履きなれた運動靴がいいでしょう。
大きな声や音を出すのは
やめましょう
大きな声で話したり、大きな音を出したりすると野鳥が逃げてしまいます。他のウォッチャーや近隣の方々の迷惑にもなりますから、やめるようにしましょう。
人の家を覗かない・
私有地に入らない
バードウォッチングに夢中になると、思わず他人の家の方に双眼鏡を向けていることがあります。覗くつもりはなかったとしてもトラブルになりかねません。人の敷地に無断で入らないのは当然のことですね。田んぼや畑なども私有地です。十分に気をつけましょう。
鳥への配慮を大切に
鳥を見たいがために、むやみに近づいたり、追いかけまわしたりするのはやめましょう。鳥の生活への圧力になるような行動をとらないことが大原則。鳥たちが子育てをしている時期には、特に配慮が必要です。
他の人への配慮も
忘れずに
鳥を見ている人の前に立ったり、後から割り込んだりしないようにしましょう。バードウォッチャー同士で、心配り・譲り合いの気持ちを持つことが大切です。もちろん、通行人などウォッチャー以外の方の迷惑にならない配慮も欠かせません。
自然・環境への配慮を
十分に
むやみに木の枝を折ったり、草花を採ったり傷つけたりするのはやめましょう。バードウォッチングは、野鳥が生活する環境を観察することでもあります。自然への心配りはとても大切です。道のないところを歩くだけで、環境にダメージを与える可能性があることを知っておいていただくと嬉しいです。自分が出したゴミは自分で持ち帰るのも基本的なマナーですね。