2024年11月22日
#931 髙本 幹也 『そういうことをやっている人は裏切らない』
度胸満点のプレーはどこから来ているのか。髙本選手の謎に迫ってみました。(取材日:2024年11月上旬)
◆良いい形で合宿を終えた
――宮崎合宿はどうでしたか?
とても暖かくて、過ごしやすくて、良かったです。
――どんな内容の合宿でしたか?
毎日2部練という感じで、いつもよりもハードな合宿でした。練習自体は府中でやっている練習と変わらないんですけれど、昼にウエイトがあったり、ユニットトレーニングがあったりしました。
――普段の練習とは違う合宿の良いところは?
全員が寝泊まりしているので、オンフィールド外でコミュニケーションを取ったり、いろんな人と食事をしたり、そういう機会があるところですかね。
――知らない一面を初めて見たということもありますか?
そういうこともあったり、今まであまり関わっていなかった人とも話をしたり、いろんな良いところがあります。僕は皆がトランプゲームしているところに行ったり、ゲームしているところに行って、一緒にゲームをしたり、ラグビーでのポジションに関係なく、楽しそうなところがあれば行っていました。
――今回得たものはどんなものですか?
合宿ではアタックのテーマを掲げて、そのテーマに対して、良い形で合宿を終えられたと思います。テーマに対してミーティングをしたり、細かいことを詰めたり、合宿が終わる頃には良い形になれたかなと思います。
――そのテーマは昨シーズンの反省からきているんですか?
そうですね。アタックだけでは勝てないですし、ずっとキックを蹴っていても勝てるわけではないんですけれど、そのバランスのところは、今後やっていくと思います。昨シーズンにミスが多かったところは、ボールを持ってアタックするということで改善されると思います。
◆自分で考えないと成長しない
――「フィットネス」と「アタックでもっと引っ張っていく」という自らの課題は、引き続き意識しながらトレーニングしているんですか?
そうですね。フィットネスも昨シーズンはあまりやっていなかったんですけれど、週初めに取り組んでいます。アタックのところも、コーチの人たちと話したり、自分自身で考えて取り組んでいるので、良い形で進んでいると思います。
――自分で考えるというところは楽しいところですか?
楽しいですし、やっぱり自分で考えないと成長しないと思うので、そういうところは大事にしています。
――自分で考えるやり方は、いつからやっているんですか?
どうなんですかね~。いつからと言われると分からないですね(笑)。自分の楽しいことをしているので、自然とアイディアが生まれたり、もっとこうしようということが出てきますね。
――ラグビー以外のことも考えたりするんですか?
考えてるんですかね。基本的に負けず嫌いなので、ラグビー以外でも勝つためにいろいろなことを考えますね。
――ずっと勝つためには何が必要ですか?
分からないですけれど、ずっと勝つためには運かなと。僕は結構、運が良いかなと思っています。考えるということとは違っちゃいますけどね(笑)。
――運を引き寄せるには、どうやっているんですか?
日頃のちょっとした行いとか、今回の合宿だったら、ホテルを綺麗にして出るとか、そういう小さいことを気にしています。「こんなことしなくていいだろう」ということが気になっちゃって、そういうことが運の積み重ねというか、影響しているんじゃないかなと思っています。
――運を引き寄せるために綺麗にしたりすることが良いと、なぜ思ったんですか?
そういう人の大事なところ、誰かが見ているからやるんじゃなくて、そういう小さいことをやっている人は裏切らないかなと。信頼できる人だなと、僕自身が思うので、そういう人に僕はなりたいと思っています。誰かが見ている、見ていないは関係なく、人として大事なことはやっておきたいと思っています。
――神様が見ているということではないですよね?
そういうことではなくて(笑)、見ているかもしれないですけれど、結果的にそういうことが信頼とか、人として最後には必要になってくるんじゃないかなと思っています。それが最終的に勝つことにも繋がるんじゃないかなと思います。
◆外に出た方が良い
――落ち着いていて、静かな自信を感じられるのは、そういうところから来ているんですね
基本的に僕は興味が湧かないものには反応しなくて、自分の興味があるものにしか反応しないので、それで普段は落ち着いて見えるんだと思います。
――周りを見ているようで、自分を見ているんですか?
周りのことはめっちゃ見ています。見ているけれどあまり興味を示さなくて、自分が興味を持ったものにはとても興奮すると思います(笑)。
――周りを見るのはポジション柄ですか?
それもあると思いますし、昔からキョロキョロしていて、いろんなものを目で追っていました。
――周りをそうやって見ることが多いのは、サッカー選手によくいるような気がします
僕もサッカーをやっていました。
――誰が見ていてもいなくても、人としてやるべきことをしっかりとやるということを、いつ頃から思っているんですか?
高校を卒業して寮生活を始めるあたりで、大学に入ってからなんです。僕自身ずっと家にいると良くないなと思って、外に出た方が良いなと思ったので、それで大学は東京に行こうと思いました。そうして入った帝京大学が、人としての講義があったり、監督もそういうことを教えて下さる監督でした。そういうところから来ているのかなと思います。
◆パフォーマンスを出せる10番に毎試合挑戦
――次のシーズンでは何をやりたいですか?
昨シーズンも全試合に出ると言ったんですけれど、それを前提として、しっかりとパフォーマンスを出せる10番。例えば、キックをぜんぶ決めたり、どんどんアタックに参加していったり、誰が見てもサンゴリアスの10番はパフォーマンスを出していると思われるようなことに、毎試合挑戦していければ良いなと思っています。
――ホームページのメンバーでは現在、スタンドオフのポジションは1人ですが、そこはプレッシャーにはなりませんか?
誰かが来るとか来ないとか、いろいろな噂はあると思うんですが、結局はポジション争いに負けると試合には出られないので、しっかりと自分にフォーカスしていきたいと思います。サンゴリアスで試合に出るためにはどうするか、自分が成長するためにはどうするか、それらとしっかりと取り組んで、負けないようにしたいなと思います。
――シーズンは待ち遠しいですか?
そうですね。早くパナソニックと試合をしたいと思っています。
――日本代表についてはどうですか?
選ばれたいですね。今年はとても悔しい思いをしたので、次のシーズンでしっかりと結果を出していきたいと思っています。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]