2024年7月12日
#912 ハリー ホッキングス 『常に成長し続けていきたい』
毎シーズン、確実にレベルアップし続けているホッキングス選手。終了したシーズンを振り返りながら、来シーズンはどんなことを目指しているのでしょうか。(取材日:2024年7月上旬)
◆リラックスとリカバリー
――2023-24シーズン終了して少し時間が経ちましたがどんなことをしていましたか?
シーズンが終わってからは、リラックスとリカバリーをしていました。ヨーロッパに旅行に行ったり、兄と姉がロンドンに住んでいるので会いに行ったりして、楽しく過ごしました。そこから日本に戻ってきて、少しずつトレーニングを始めています。
――ロンドンは好きなんですか?
東京の方が好きですね。
――家族と言えば、ホッキングス選手は結婚していますか?
来月にオーストラリアで結婚式を行います。
――えー!偶然聞いてみたんですが、おめでとうございます!!
(日本語で)ありがとうございます。
――どんな方ですか?
オーストラリア人で、10年間付き合っています。高校からですね。ブリスベンの近くのサンシャインコーストで結婚式をしますが、楽しみにしています。
――式が終わって、いつ頃日本に戻ってきますか?
8月の頭には戻ってきます。
◆「必ず勝ちたい」という気持ち
――終了したシーズンについてお訊きしたいのですが、3位決定戦が終わった時にはどんな気持ちでしたか?
3位決定戦ではチームの中に「必ず勝ちたい」という気持ちがあったので、その試合で勝てたことは嬉しいことです。ただ全体的に見ると、優勝が目標だったので、優勝できなかったことはとても残念でした。
――シーズン終盤ではなかなか勝てない試合が続きましたが、実際にプレーしていてどうでしたか?
シーズン後半に上位のチームに勝てなかったんですが、そこはひとつひとつの細かいプレー、ひとつのタックルミス、ひとつのスキルミスとか、トライを取り切れなかったとか、そういう部分で勝利に繋がらなかったのかなと思います。チームのスキルや選手層では勝てるものは持っているんですが、そういう細かいところで勝利との差が出たのかなと思います。
――勝てない時には、そういう細かいところが出来ないということですか?
基本的にレビューではそういう話になりました。取り切れるところで取り切れていないとか。
――シーズン当初からディフェンスが課題と話していましたが、最後まで課題が解消されなかったかと思います
シーズンを見直すと、ディフェンスのところはまだまだ取り組んでいかないといけないと思うので、次のシーズンでは更に取り組んでいかなければいけないと思います。優勝した東芝を見ると、ディフェンスでもトップに立つようなチームだと思うので、リーグで優勝するためにはディフェンスも強化していかなければいけないと思います。
◆タックルとキャリーをより良くしていきたい
――個人としては、全試合に出場し、トライも4トライあげました。シーズンのターゲットとして、強いキャリー、強いタックルを挙げていたと思いますが、タックル成功数はリーグ3位、ボールキャリーは6位でした。テーマに掲げていたことは、ある程度達成できたんじゃないかと思いますがどうですか?
その数値は知りませんでした(笑)。個人的にはまだ達成できていない部分もありますし、優勝に繋がっていないので、達成できていないのかなと思います。次のシーズンではタックルとキャリーをより良くしていきたいと思います。
――すべてで1位ですね
それがターゲットだと思います(笑)。
――強いタックル、強いキャリーを意識している時に、強い姿勢を意識していると言っていましたが、強い姿勢はすべてのベースになりますか?
ディフェンスコーチだったヒュー(ホーガン)が、ディフェンスでは姿勢のところをとても意識していましたし、アオさん(青木佑輔/アシスタントコーチ)とも姿勢のところを話しているので、そこが大事だと思います。それが全てのベースかどうかは難しいところですが、姿勢は大事だと思います。
――ダントツの1位はラインアウト成功数でした
個人の数値というよりは、ラインアウトはフォワード・パックとしてボールを取らなければ意味がないので、全体的なラインアウトの成功率を見ると、そこはまだ足りていないと思います。次のシーズンでは、もっと強化していかないといけないと思います。
◆52
――これらのランキングに表れているように、毎シーズン着実にレベルアップしていると思いますが、実感していますか?
個人的には成長し続けることが、このチームのひとつのバリューのところでもあると思うので、自分としては毎年毎年、成長していくことを目標に掲げていますし、他のチームも成長しようとしています。どのチームがいちばん成長できるかが、いちばん大事だと思うので、常に成長し続けていきたいと思っています。
――前回は自分自身に51点をつけていましたが、今の点数は?
(日本語で)52(笑)。
――どんなモチベーションで自分自身のことをプッシュしているんですか?
個人的には4年間優勝できなくて、準決勝や決勝で負けてきているので、そこがモチベーションにもなっていますし、周りの選手、スタッフ全員が努力して、優勝のために一生懸命やっている姿を見ていると、自分も頑張らなければいけないと思います。そこがモチベーションになっています。
――次のシーズンに向けて、いちばんの課題は何ですか?
具体的にまだそこまでは考えていませんが、プレシーズンが始まるタイミングでコーチ陣と話して、課題がどういったところにあるのかを聞いて、そこから自分の中で課題を決めていきたいと思っています。
◆バイスキャプテンはとても楽しかった
――次のシーズンが終わると、日本代表の資格を得られるわけですよね
次のシーズンからカテゴリーAになるんですが、日本代表の資格はシーズンが終わってからになります。
――日本代表に向けては?
そこは常にターゲットにあります。ただ、パフォーマンスを出して選ばれなければ意味がないので、しっかりと身体を準備してパフォーマンスを発揮して、選ばれるように頑張っていきたいと思っています。
――そして、よりサンゴリアスの中でのリーダーシップが期待されると思うんですが、いかがでしょう?
2023-24シーズンではバイスキャプテンをやらせてもらい、その役割はとても楽しかったです。このチームが本当に好きなので、出来る役割があれば貢献していきたいと思いますし、またそういった役割を与えてもらえるのであれば、チームを引っ張っていきたいと思います。
――どんなところが楽しかったですか?
楽しいという部分もありますけれど、責任が増えるところもあるので、チームが上手くいっている時、勝っている時にはとても楽しく、みんなの成長を見ることが楽しいです。ただ、負けている時や上手くいっていない時には、それをどう改善するかを考えることもひとつの楽しみ、ひとつの良い部分なのかなと思います。
◆必ず優勝
――プレーヤーとしての成長もリーダーとしての成長も限界がなさそうですね
リミットはどこかで出てくると思います(笑)。常に出来る限り成長できるように頑張っていくことですね。
――好きなゴルフではリミットがありましたか?
ないと思いたいんですが、スコアが上がっていってしまっています(笑)。
――以前は中村亮土選手、流大選手と同じくらいと言っていましたね?
亮土が相当上手くなっているので、怖いですね(笑)。
――1シーズン応援し続けてくれたファンの皆さんに、メッセージをお願いします
ファンの方からの応援には、常に頭が上がりません。本当に感謝しています。平均観客数としては、サンゴリアスのファンがいちばん多かったので、それについても本当に感謝していますし、毎試合黄色いジャージやシャツでスタジアムが埋まっているのが見ることができて、エネルギーをもらいました。次のシーズンでは必ず優勝して、みんなとお祝いが出来るようにしたいと思っています。
(インタビュー&構成:針谷和昌/通訳:樋野ジェシー興太郎)
[写真:長尾亜紀]