2023年12月 9日
#881 齋藤 直人 歴代キャプテンが語るサンゴリアス史 20代目キャプテン②齋藤直人『サポートしたい』
特別編"HISTORY OF SUNGOLIATH" 20代目キャプテン ②齋藤直人
昨シーズン2人キャプテンとしてチームをリードした堀越選手と齋藤選手。サンゴリアス初の2人キャプテン体制を、2人はどのように行って何を得たのでしょうか?堀越選手に続き、齋藤選手に聞きました。(取材日:2023年11月)
◆自信を持っていたにもかかわらず勝てなかった
――2022-23シーズン4位という成績は、キャプテンとしてどう感じていますか?
入団して3シーズン目でのキャプテンでしたが、その前は2シーズン連続2位だったので、4位という結果は残念でした。
――昨シーズンのチームの熟成度はどうでしたか?
浮き沈みはあったと思います。初戦に負けましたが、3節のキヤノン戦では14人の中で勝って、そこで乗ったかと思えば、そこから勝ちは重ねられましたが、10節のトヨタ、11節のパナソニックで負けて、最後にクボタにも負けてプレーオフを迎えることになりました。
――キャプテンとして悔しいですね
悔しいですね。クボタとは3回やって3回とも負けました。3回もやれば相手のやろうとしていることがお互いに分かるじゃないですか。「どうやって勝つか」に対して自信を持っていたにもかかわらず、勝てなかったことはしっかりと受け止めなければいけないところですね。
◆"らしさ"を出せてなかった
――自分自身のプレーについてはどうでしたか?
やっぱりちょっと物足りなかった部分があります。9番で出してもらったんですけれど、周りから言われましたし、自分でも思っていたんですが、"らしさ"を出せていませんでした。パナソニック戦では21番でしたし、本当の意味でも信頼はまだまだだったんだなと思っていました。
――"らしさ"を出せなかった原因は何だと思いますか?
結構、考えちゃったなと思うことはあります。昨シーズンはシステムが変わって、そこが自分の中ではちょっと難しかったですね。
――それはシーズンを重ねれば解決する問題ですか?
しなければならないと思います。今シーズンがどんなラグビーをするか、まだ分からないですけれど、昨シーズンよりは絶対に理解できていると思います。
――シーズン中盤までプレースキックを蹴っていましたね
僕も得意としているプレーですし、準備はしていますし、自分が蹴るシチュエーションになれば蹴ります。強みにもなると思うので、準備はしています。
◆いろいろなことがありました
――キャプテンが2人というのはどうでしたか?
ホリさん(堀越康介)とは普段から喋る仲だったので、とても助けてもらいながらやったという感じです。
――役割分担があったんですか?
明確にはありませんでした。最初の頃はホリさんが怪我でいなかったということはありました。
――それはプレッシャーにはなりませんでしたか?
プレッシャーにはなりませんでした。
――キャプテンをやって良かった点は何ですか?
今はまだはっきりとコレというものが出てこないんですが、こういうものはやってすぐに分かるものではないと思います。後々分かるというか、少し時間が経った時に、1シーズンを通していろいろなことがありましたが、またいろいろなことの中のひとつが起こった時に、その時の学びが活きるんじゃないかなと思います。
◆14人になってからチームがよりひとつになって勝ち切った
――キャプテンになって辛かったことはありましたか?
日本代表の活動が終わってチームに合流して、1週間くらいで開幕戦を迎えました。キャプテンも最初だし、戦術理解もまだまだ出来ていない中で、プレシーズンも一緒にやっていないメンバーとキャプテンという立場で臨むことが難しかったですね。
逆の立場だったら、それまでいなかった選手が急に入って1週間でキャプテンとして試合をするって、誰がその選手の話を聞くのかって。そう思われていたかは分かりませんが、僕はそこが気になってしまいましたね。
――どのくらい経って、そういう思いは無くなりましたか?
2節、3節目くらいから、まずプランや戦術が明確になったことで、そっちで引っ張れると感じるようになりました。あと3節のキヤノン戦、あの試合は大きかったと思います。14人になってからチームがよりひとつになって勝ち切ったということは、チームとしてもそうですが、個人としても自信に繋がった試合でした。
◆キャプテンが楽になるように支えたい
――キャプテンはどんな存在だと思いましたか?
やっぱり大変だなと思います。だからキャプテンなんでしょうけど(笑)。自分のパフォーマンスもだし、チームのことも考えなければいけないですし、いろいろとやることがあるので、それを昨シーズンで経験して分かった分、サポートしていきたいと思っています。
「こういう時にこう思っているだろうな」とか、「ちょっと苦しそうだな」と思ったら、そこでサポートしていきたいですし、何でもかんでもキャプテンがやるのは違うと思うので、一歩引いたところで見て、少しでも次のキャプテンが楽になるように支えたいですね。
――またキャプテンをやってみたいですか?
やってみたいとかは思わないです。そもそもキャプテンをやりたいと言うタイプじゃないですし、そこは自分から求めたいとは思わないです。やっていく中で、そういう機会があれば光栄だと思います。
――キャプテンは他の人に勧められるような経験やポジションだと思いますか?
難しいですね。人それぞれだと思うので、全員には勧められないんじゃないですか。人によってやってみても良いと思います。
――新キャプテンにメッセージをどうぞ
言いづらいですね(笑)。本当にサポートしたいです。人としても好きですし、サポートしたいです。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]