2023年7月28日
#860 髙本 幹也 『いちばん最初にボールを持って何かしたい』
公式戦未出場ながらも期待される髙本選手。新たなシーズンに10番出場&定着を目指す新人に意気込みを聞きました。(取材日:2023年7月上旬)
◆パスとキック
――社会人1年目、手応えはどうでしたか?
もともと自分自身、スキルの部分などは自信を持ってやっていたので、そう言った部分では、通用するかはわかりませんが手応えはあったのかなと思います。
――スキルはサントリーに入ってから更に伸びましたか?
上手な選手が周りにたくさんいるので教えてもらいながらやって、それまで持っていたスキルより成長したかなと感じます。
――いちばん手応えを感じたのはどの辺ですか?
パスとキックのフォームの細かいところです。大学時代では教えてもらえなかったことを教えてもらうことが出来たので、そう言った細かい部分のスキルが良くなったと思います。
――自分なりに持っていたフォームを改善していく感じですか?
もともと自分が持っていたスキルやフォームを土台としてやっていますが、その中には自分の中でも上手くいかない部分がありました。そういうところを先輩たちやコーチに聞いたりして教えてもらいながら、自分に合ったものをつかみ、最終的には成長していったかなと感じます。
――どんな先輩がいちばん教えてくれるんですか?
先輩には大学時代から教えてもらっていましたが、森谷圭介さんや昨年の外国人コーチ、大さん(流)や、亮土さん(中村)にも教えてもらいました。
――帝京大学の先輩が多いですね
そうですね、帝京大学の先輩には聞きやすいというのもあって、わからないことはすぐに聞くようにしています。帝京だった先輩に聞くことが多いです。
◆コミュケーションを取る
――試合に向けての準備にはコンディショニングもコミュニケーションもありますが、両方出来ているんですね?
僕はどっちかというと、試合までに体のコンディションはあまり気にしないタイプです。逆に人とのコミュニケーションなどは試合まではたくさん出来ると思うので、少しでも合わない部分があったり、サンゴリアスに入ってからは試合に出ていなくて、そんなにコミュニケーションは取れていないのですが、自分の意見を通したい時は、意識してコミュケーションを取るようにしています。
――コミュニケーションは司令塔としての役割の一つだと意識しているんですか?
そうですね。ポジション柄もあると思います。10番というのが強いかもしれないです。
――10番として来季への期待が両肩にかかってきていると思いますが、自分ではどうですか?
プレッシャーはあまり無いです。いい意味で、周りに合わせるんじゃなくて、自分の色を出しながら、更に味方にも合わせながら良いものを出せていけたら良いなと今は考えています。特にプレッシャーは感じていないです。
――どちらかというと自分のやりたいことを伝えて共通認識を持ってもらう形ですか?
自分の意見も伝えますが、僕はまだ試合にも出ていないので、先に伝える前に、日常会話をしたり、個人練習を一緒にするなど小さいことからやっていって、良い関係性や信頼が出来てから、自分の意見を伝えて相手にも理解してもらうという感じが多いです。
――そのやり方はどこかで学んだんですか?
大学2、3年生の頃は自分のやりたいようにやりたいと思っていたので、先輩にも自分の意見を伝えていましたが、僕がそういうことを言うからにはパフォーマンスもしっかり出さないといけません。少しパフォーマンスが悪い時に、メンバーからの不信感や信頼が多分ないなと言うシーンが幾つかあリました。やはりチームスポーツなので自分の意見も伝えますが、15人で戦う上でそのような小さなコミュニケーションや信頼関係というのは絶対に大事だと思いますし、大切にしています。
◆スキルと状況判断
――試合に出る上でそのコミュニケーション力は大きな武器になると思いますが、自分として意識している武器は?
先ほど言ったスキルのところと、状況判断のところは強みだなと思っています。スペースを見る力やスペースを見た時の判断などは自信を持ってやっています。そこに対してはチャンレンジしていきたいです。
――常にスペースがどこにあるか意識していてそれを把握するのが速いということですか?
そうですね、速いと思います。
――それは生まれ持っているものですか?
生まれ持った感じなんですかね?社会人になってプレッシャーがどのくらい上がるのかまだわからないですが、大学時代はスペースを見てプレーを選んですぐにプレーが出来た感じです。
――課題は何ですか?
フィジカルの部分です。日本人にしても僕は小さい方だと思います。更に10番なので、大きな選手が当たってくるポジションですし、フィジカルとディフェンスの部分はここから鍛えていきたいです。
――ある程度フィジカルにも自信はあるんですか?
自信はあまりないですが、自信なくもないです(笑)。
――そういうポジションを選んだとのは、いつどのような理由からですか?
小学1年生からラグビーをやっていますが、とにかく最初にボールをもらうのが好きで、小さい頃からボールをもらって走ってばかりいました。フルバックやセンターも経験しましたが、やはりいちばん最初にボールを持って何かしたいなというのが強かったと思います。自然と10番になった感じですが、もとにはその気持ちがあるんだと思います。
――自分で行く時もあり、さらにみんなを動かすという面白さもありますか?
そうですね。走って抜けるのも楽しいですが、アシストなどでトライを取ってもらった方が嬉しいというか気持ちが良いです。
◆勝つためにやっています
――ラグビーの楽しさや魅力は何ですか?
コミュニケーションを取って普段からやっているので、勝った時や優勝した時のメンバーやスタッフが喜んでいる姿、ファンの皆さんが喜んでいる姿を感じるのが好きです。簡単に言えば、勝つためにやっています。負けたら悲しんでいる姿が見えて嫌なので、勝ってみんなが喜んでいる姿を見るのが好きです。
――リーダーの資質もあるのではないでしょうか
どうなんでしょう?キャプテンはやったことがないのでわかりません。
――これをやっていて楽しいと言うような好きなプレーは他にありますか?
めちゃくちゃ勝っている時よりは僅差で勝っている時の方が、腕の見せどころでワクワクします。
――ではファイナルラグビーは好きそうですね
そうですね。
◆シャチが好き
――プロフィールを見ると海の深いところは苦手なのに水族館で働くことが憧れだったのはなぜですか?
魚が好きで、海の生き物が好きで、それで水族館で働きたいというのが昔ありました。しかし、小さいころに川で溺れたことがあって、その時おじさんが助けてくれました。今でも怖さは少しありますが、少し克服しました。
純粋に魚が好きというのがあります。なんだかとても魚に魅力を感じるんです。美味しいそうとかではなくて、めちゃくちゃ広い海に魚がいて、それが素晴らしいなと感じるんです。綺麗な海で魚が泳いでいるのを見るのが好きです。
――いちばん好きな魚は何ですか?
魚ではないかもしれませんがシャチが好きです。シャチかっこいいです。昔、シャチのトレーナーになりたくて水族館で働きたいと思っていました。調べたら給料が安すぎて諦めました(笑)。
――ラグビーを辞めたらあるかもしれないですね
ラグビー辞めたらあるかなということも考えましたが、専門学校なども出ないと駄目なので諦めかけてはいます。
◆ラグビーでトップを目指そう
――他の夢は?
小学校からラグビーを始めて、小学校の卒業文集でも書きましたが、ラグビー選手になりたいってずっと思っていました。
――小学生でラグビー選手を目指すというのは早いと思いますが、なぜでしょう?
僕は負けず嫌いで、何かでいちばんになりたいとずっと思っていて、どうせラグビーをやっているんだったらラグビーでトップを目指そうと思いました。
――10番でトップを目指そうと?
その時は10番でとかはなかったですが、ラグビーでトップを目指そうと思っていました。
――来シーズンの自分の目標は何ですか?
全試合出場を目指すことと、もちろん優勝目指してやります。グラウンド内でもっともっとコミュニケーションを取ってやっていきたいと思います。更に日本代表を目標にしてやっていきます。
――ファンに注目していて欲しいところは?
ファンの方には、僕のアシストや一生懸命にプレーする姿を見ていて欲しいです。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]