SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2022年12月 9日

#826 堀越 康介 『超アグレッシブ・アタッキング・ラグビー』

入団当初から、いつかはキャプテンになりたいと言っていた堀越選手。 その思いが実現した新シーズンへの意気込みを聞きました。(取材日:2022年11月下旬)


◆飾らない言葉

――今シーズン、待望のキャプテンとなりましたが、意気込みは?

とても楽しみです。毎年、このチームにはワクワクして、優勝できるという自信を持ちながら開幕を迎えています。そこの楽しみは変わりません。またキャプテンとして、どういうシーズンにしていくかというワクワク感があります。

――キャプテンになって、新たにやろうとしていることはありますか?

日本代表に参加していたので、まだチームの練習に参加できていませんが、僕が代表に行っている間も、チームに残っている選手たちにチームの状況を聞いたりしていました。

キャプテンになったから、張り切って何かを頑張ろうと特には思っていませんが、自分が今までやってきたことを評価してもらったと思うので、そこのところは絶対にブレずにやっていきたいと思います。それにプラスして、他の選手とこれまで以上に、コミュニケーションを取りながらやっていければと思っています。

――やってきたことで評価されたところはどこだと思いますか?

例えば、フィジカルのところや練習の強度を自分で上げてチームにも良い影響を及ぼすとか、そういう部分だと思います。

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――キャプテンになったことで明らかに変わる部分は?

明らかに変わる部分で言えば、発言する機会は多くなると思うので、いつどのタイミングで何を話すかということを考えながら、発言したいと思っています。

――大切にしている言葉などはありますか?

飾らない言葉ですね。飾らない言葉、本心の言葉かなと思います。

――それはどういうところから大切だと思ったんですか?

僕自身、そういう飾られた言葉が入ってこないんです。本心の言葉も、その人にどれだけ説得力があるかということに関わると思います。普段からおちゃらけているような感じの人の言葉は入ってきませんが、普段から頑張っていて、プレーで引っ張ったり、チームのために頑張っている人の言葉だったら、どんな言葉でも響くと思うので、そういうところを大事にしています。

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◆ブレイクダウンとタックル

――自分自身のプレーもより一層大事になってくると思いますが、プレーに関してはどうしていきたいと思っていますか?

パフォーマンスをこれからもっと上げていかなければいけませんし、昨シーズンよりも全ての面においてより一層レベルアップしなければいけないと思っています。チームのためにどういうプレーで貢献できるか、もっともっと自分の長所を伸ばしていけるようなシーズンにしたいと思っています。

――それはやっぱりブレイクダウンですか?

ブレイクダウンとタックルですね。そこはもっともっと伸ばせるところだと思っているので、強みに出来ると思っています。

――セットプレーについてはどうですか?

フッカーとしては、いちばん大事なことだと思っています。セットプレーは大前提としつつ、長所を伸ばしていきたいですね。

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――今の課題は何ですか?

全てのプレーに満足しているわけじゃないので、全部のプレーと言いたいところではありますが、強いて言うならば、セットプレーはもっともっと精度を上げられますし、自分自身でもっと出来ると感じる部分でもあるので、そこを今シーズンの強みにしていければと思っています。

――セットプレーについては、チームとしても個人としてもレベルアップするというイメージですか?

それは考えていました。自分1人だけではどうにも出来ないので、もちろん個人のスキルでスクラムワークのテクニックや身体づくりとか、ラインアウトで言えばスローイングとか、そういう部分は個人で努力をして、どんどん伸ばしていくことだと思います。

それ以上に、スクラムで言えば、フッカーが中心になりますが、大事なことは他の選手と一緒にどう同じ絵を見てスクラムを組むかという部分だと思いますし、ラインアウトで言えばコーラーとどこで取るとか、どういうオプションを使うかとか、コミュニケーションを密に取ることで成功率も変わってくると思います。そういうところを上げていきたいと思っています。

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◆怪我のリスクは減らせる

――以前、課題に挙げていた怪我対策はどうですか?

怪我については、出来る限り対策はしていますが、完全には出来ないものだと思っています。だから、あまり怪我のことを気にしていないというか、もちろん怪我をしちゃいけないとは思っていますが、怪我をするのはたまたまだと思います。怪我が起きやすいプレーが多いということもあり、特に怪我は恐れていないですね。

――堀越選手の長所であるプレーは怪我が起きやすいプレーでもあるので、そこは永遠の課題ですね

怪我に関してはそうだと思います。そのためにはテクニックが必要なのかなと思います。

――怪我をしないテクニックもありますか?

タックルに関しては、飛びこまない、頭から飛び込まないとか、肉離れとかは、しっかりとリカバリーをすれば、怪我のリスクは減らせると思っています。

――タックルでは、飛びこまなくても相手を倒す方法があるんですか?

ありますね。簡単できると思います。勇気はあるけどテクニックがない選手は、大きい選手が来たら飛び込んでしまうと思います。飛び込む人は、最初から姿勢が低くて、そのまま飛び込んで相手の膝などが頭に当たってしまうということがあると思います。

飛び込まないためのテクニックとしては、リラックスした姿勢で上半身が高い状態で前に出て、タックルをする寸前に低くなって、足も前に踏み込んでタックルするんです。

――今シーズンはキャプテンということもあり、怪我をしないこともテーマのひとつですか?

そうですね。それはキャプテンだからではなく、選手としてはずっと考えなきゃいけないテーマだと思います。ただ、キャプテンなのでより一層チームと密に関わらなければいけないと思っているので、これまで以上に怪我をしない様にとは考えています。

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◆カッコいい

――ホームページのプロフィールに、注目選手に齋藤直人選手を挙げていて、カッコいいと書いていますね

あれはおふざけです(笑)。

――堀越選手はサンゴリアスのこともカッコいいと書いていましたが、どういうところがカッコいいと感じますか?

僕はプロ契約になったんですが、サントリーには"ラ業両立"という言葉があって、ラグビーと社業をどちらも本気でやって、それで強いチームって、サントリーに入る前にそういう選手たちの姿を見てカッコいいと思いました。

今もそれは変わっていませんし、更に言い訳をせず、自分自身と向き合って、日々頑張っている姿とか、口だけじゃないってところがカッコいいですね。

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――サンゴリアスの選手たちはカッコいいですか?

カッコいいと思います。もっともっとカッコいい人になれるし、カッコいい集団になれると思うので、もっと日本で認知されるようなチームになっていきたいです。

――日本代表でカッコいい選手はいますか?

全員、カッコいいですよ。みんなブレないですし、漢だと思います。

――自分自身のことはカッコいいと思いますか?

僕は弱い人間なので、あまり思わないです。カッコよくなりたいとは思っています。

――弱い部分はどうやって強くしていくんですか?

日々の努力でしか改善できないと思います。自分自身のことを知らないとブレることが多くなると思いますし、自分のことを知ることをもっとしなければいけないと思っています。あまり上手く言えないですね。

――どのくらい自分のことを知ることができましたか?

正直、まだどれくらいということも分かりませんが、意識的に自分のことに向けないと、自分のことを知ることができないと思いました。こういう場面で自分はこういうメンタルになるとか、考えたりしています。

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◆ハードワーク

――昨シーズンが終わった直後に話を聞いた時には、優勝できなかった原因、これからやるべきことを、自分の中では考えているけど、まだ周りと話せていないと言っていました。今の時点では、このチームがやっていくべきことは見えてきましたか?

まだチームに合流はできていませんが、今シーズンはもう一度、サンゴリアスらしさに立ち戻って、これまでよりもハードワークして、どんどん走って、タックルして立ち上がって、最後にサンゴリアスの良さを出して勝つということが、今シーズンのテーマになると思います。

ただのアグレッシブ・アタッキング・ラグビーじゃなくて、超アグレッシブ・アタッキング・ラグビーみたいなイメージですね。それはみんなの共通認識として持っていると思います。

――自分のプレーもそういうスタイルになるということですよね?

なると思います。よりアタッキングで、プレーというよりはチームの戦術によって、自然とそうなっていくと思います。

――改めて、今シーズンの目標は?

優勝です。最後は1点差でも、勝てばいいです。

――超アグレッシブ・アタッキング・ラグビーが出来なくても、最後は勝てば良いということですか?

それをしないと勝てないと思います。最後に1点差でも良いから勝ったということは、超アグレッシブ・アタッキング・ラグビーが出来たということだと思います。

――新シーズンに向けて、ファンへのメッセージをお願いします

毎シーズン、多くの期待をしてもらいながら勝てていないシーズンが続いています。今シーズンは特に、チームとして新しい体制になったので、またいちから一緒にシーズンを戦い抜いていただけたらと思っています。もちろん大いに期待してもらって良いんですが、ファンの皆さんと一緒に戦いたいと思っています。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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