2022年8月26日
#811 垣永 真之介 『スクラムは結果が全て』
わかりやすいキャラクターのように見えて、実はなかなか本音が見えなかった垣永真之介選手。 徐々に本当の姿が見えてきた気がします。(取材日:2022年8月上旬)
◆選手の素
――7月に行われたファンクラブイベントでの垣永選手の司会ぶりが好評ですが、本領を発揮したのではないでしょうか?
皆さんから好評をいただき良かったです。いつも通りです。コロナ禍でイベントがなかったので、選手の素が伝われば良いなと思ってやりました。
――やっていて面白かったですか?
はい、楽しかったです。たくさんのファンの方に来場いただいて、楽しいイベントになりました。そろそろ後輩にも僕のような役割をやって欲しいので、次回までに後継者を探してやってもらおうと思います(笑)。
――後継者候補はいますか?
後継者候補がなかなかいないんですよねー。誰でも出来ると思いますし、プロの選手が増えていて、良い経験になると思うので、自ら手を挙げて欲しいですね。
◆これが俺たちのラグビー
――2022シーズンの結果について、どうでしたか?
非常に残念でしたが、負けたということは埼玉ワイルドナイツが我々の全てを上回ったということなので、そこはしっかりと受け入れたいと思います。
――2シーズン連続で同じ相手に決勝で敗れました。東京サンゴリアスも強くなっていたが、更に埼玉ワイルドナイツが強くなっていたということでしょうか?
そうですね、その結果だと思います。
――2022シーズンで良くなった点はどこでしたか?
選手たちが自発的に考えて、チームをどうしていくか。そういう部分がとても活発だったと思います。
――逆に課題は見つかりましたか?
スカッとした「これが俺たちのラグビー」というものを見せられた試合があまりなかったので、そこの軸をもう一度見直すことが必要なのかなと思います。
◆自分の役割を明確に
――個人としては、2022シーズンはどんなシーズンでしたか?
たくさんの試合に出させてもらって、そんなに浮き沈みもなく、一定のパフォーマンスで試合に出続けられたと思います。その前のシーズンから自信はついていましたし、1戦1戦で自分の役割を明確にしていたので、2022シーズンはより安定したプレーが出来ていたと思います。
――自分の役割でいちばん意識しているところはどこですか?
まずはスクラムです。ピンチのところで良いペナルティーを取れたり、個人的にはジャッカルも良い場面で決まったりしていたので、そこに関しては良かったと思っています。
――その部分については、どのように意識して練習してきたんですか?
いや、あまり練習が好きじゃないので(笑)。2022シーズン前に日本代表の活動に参加できたことが大きかったと思います。スコットランド戦に後半残り20分しか出られませんでしたが、強いスクラム・レベルを体験できて、それが良い経験になって自信がつきました。
――スコットランド代表のスクラムはどうでしたか?
スコットランドに対してもそれなりにスクラムを組めたので、それで自信になりましたね。
――2022シーズンが終わって、また日本代表の活動に参加しましたが、手応えはどうでしたか?
フランス代表戦で10分しか出られず、そのような評価だったと思うので、またチャンスをもらえるなら、そこをしっかりと覆したいですね。次のワールドカップが最後のチャンスだと思っているので。
◆スクラムのブラッシュアップ
――今の自分の課題は何ですか?
自分の役割であるスクラムのブラッシュアップです。あとは、もうセットプレーだけの時代じゃないので、ボールキャリーだったり、チームの流れを変えられるプレーを、増やしていくことを目指しています。
――スクラムでは具体的にどこを課題としているんですか?
そういうところまで考えてないです(笑)。スクラムの完成形も分からないですし、日々状況が変わるので、良い状態により近づけていくことですね。
――良い状態のイメージはあるんですよね?
それは結果ですね。スクラムに関しては結果が全てです。
――結果が出ない時にはどうするんですか?
基本的に、個人の問題は自分で解決するようにしています。8人それぞれに役割があるので、まずはその役割を果たすことにフォーカスしています。自分が居心地が良い形で組めるように、他の選手に要望を出すことはありますし、逆にフッカーから要望を受けることもあります。それで結果が出れば、それが正解だと思います。
――2022シーズンは比較的に結果が出たということですか?
そうですね。スクラムに関しては良かったと思います。
――スクラムで新たに取り入れようとしていることはありますか?
特には無いですね。また良い結果が出るようにしていきたいと思います。
◆1点差でも勝てば良い
――次のシーズンの目標は?
日本代表ではワールドカップ、チームでは優勝だけですね。1点差でも勝てば良いと思います。結果にはプロセスがついてくると思っていて、プロセスの上に結果があると思っています。
――いまラグビーをやっていて、楽しいと思うところはどこですか?
試合での不安もないですし、基本的には楽しいですよ。
――その状態になったのはいつ頃ですか?
2021シーズンからですね。以前のこのインタビューでも話したんですが、亮土(中村)と話したことでそういう状態になれたので、それが継続されていて、揺るがない状態になっています。
――中・長期の目標はありますか?
今は特にないですね。チームを優勝させて、ワールドカップに出ることだけです。
◆直ってからの楽しみ
――今回のインタビューで、言い残したことはありますか?
まあ、こんなところかなと。今の時期は、あまりラグビーについて考えていないんですよ。
――今は何について考えているんですか?
壊れたハーレー(バイク)が早く帰ってこないかなと(笑)。
――ハーレー・ダビッドソンにはいつから乗っているんですか?
2022年5月に納車されたんですが、それから何回も壊れてしまって、今ちゃんと修理をしてもらっているところです。だから、まだガッツリ乗れていないんですよ。今のオフ期間に帰ってくるかどうか微妙な感じではあるんですが、ちゃんとしっかりと直ってきて欲しいですね。
――オフ期間に直らなければ、乗れる機会は次のシーズンオフまで持ち越しですか?
いや、クラブハウスに行く時に乗って行けます。
――クラブハウスに行けば見れるかもしれないんですね
そうですね。今はクラブハウスに入れないんですけどね。
――ハーレー・ダビッドソンに乗っている写真を、このインタビューにも載せたいですね
乗ってないので、写真も無いんですよ(笑)。直ってからの楽しみにしてください。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]