2022年1月14日
#779 中村 亮土 『いざ開幕-2 チーム愛』
中村亮土キャプテンのロングインタビュー、後編をお届けします。(取材日:2021年12月下旬)
◆7対3でチーム
――今シーズンも多くの優秀な外国人選手そして日本人選手がいる中、キャプテンとしての役割が重要になってくると思いますが、それについてはどう考えていますか?
まず僕のやることは、自分のベストパフォーマンスを継続して発揮することと、スタッフやリーダー陣とのコネクションを強くして、同じ方向に持っていけるようにすること、そこを大事にしたいと思っています。
――現時点では、その割合の比重はどうですか?
今の時点では、7対3くらいでチームの方に比重を置いています。シーズンが進むにつれて、チームのことを他のリーダーに任せて、自分のパフォーマンスにフォーカスしていくので、これから比重がちょっとずつ逆転していくと思います。
――今はチームのスタートとして、チーム作りの入り方を重要視しているんですね
そうですね。キャプテンとしての今の仕事としては、そっちがメインですね。そこを他のメンバーに任せていけるように準備している段階です。こうしていこうという、イメージを持っている状態です。
◆一緒に取り組んでいく
――トップダウンではなく、ボトムアップのチームになってきていて、そういうチームでは強力なリーダーシップが必要になると思いますが、実際にやっていると大変ですか?
自分の時間、自分の準備に100%使えないという部分は、もちろんその中で100%やっていますが、あると思います。色々と考えているとそっちに気を取られてしまうこともあるので、バランスを考えながらやっています。ただ、大変と思ったことは無いですね。
――そこが面白いですか?
面白いですね。正直、何が正解かも分かりませんし、どういうやり方がハマるかも分からないので、別に気負ってやっている感じはありません。
――何が正解かも分からない中で、その時々の正解だと思うことを選んでやっているわけですね?
そうですね。僕が良いと思ったこと、こうしようと思ったことをしっかりとやっています。
――そこの参考にしていたり、ヒントにしていることはありますか?
基本的には自分から湧いてきますね。あまり本を読んだりもしませんし、他のチームを参考にすることもあまりないですね。だからこそ、色々と考えて良い答えを導きだそうとしているんだと思います。
――まだまだ先の話になると思いますが、指導者に向いているかもしれませんね
どうなんですかね。ただ、ゴルフは教えるのが上手いと言われます(笑)。
――ラグビーでは教えるのが上手いと言われますか?
どうですかね。ラグビーはあまり人に教えたことが無いですね。自分のことに精一杯かもしれません。その中でも聞かれたことに対しては、ちゃんと答えを出せる自分はいます。
――チーム内でラグビーについて訊かれることもありますか?
ありますね。けれど難しいのは、僕はコーチじゃないんですよ。ただ教えるのではなくて、僕と彼らの課題を一緒に取り組んでいく感じです。彼らの課題解決と共に、それによって気づかされることもあります。一緒にやってみたり、一緒にプレーするという感じですね。
◆みんながチームのことを誇れるチーム
――キャプテンとしてのやり方は、昨シーズンからあまり変えていませんか?
そこはそうですね。僕にはグイグイ引っ張る能力がないので、周りの力を最大限に活かしてチームを引っ張っていきたいです。
――昨シーズンは準優勝という結果でしたが、昨シーズンと変える部分はありますか?
明確に思っている部分はディフェンスです。そこは昨シーズンのチームと比較して変えなければいけない部分だと思います。そこもちょっとずつ変わってきていると思います。アタックに関しては自信があるので、最後、勝てなかった原因として、みんながディフェンスと考えていると思います。
――新シーズンでの目標は?
そこは間違いなく、初代チャンピオンです。昨シーズンにも言いましたが、みんながチームのことを誇れるチームになりたいとずっと思っています。キャプテンをやる時から、負けても勝っても、このチームで良かったと思えるチームにしたいと思ってやっているので、そこは今シーズンも変わらずにやっていきたいと思います。チーム愛を大きく出来るようなチームにしたいと思っています。
――昨シーズンはチーム愛が大きくなりましたか?
なったと思いますよ。それぞれの選手に聞かないと分からない部分ではありますが、試合に出られなくて不満とか不安がある選手もいたと思いますが、全体的に見たらチーム愛はちょっとずつ大きくなってきているのかなと思います。
――優勝するためには中村選手個人としての活躍も必要だと思いますが、それについての目標は?
僕としてはベスト・フィフティーンに入れるように頑張ります。正直、昨シーズンは入ると思ったんですが、それは大きな間違いでした(笑)。大きな勘違いをしていたみたいで、そのリベンジをしたいと思います。
――その目標に向けて、どんな心構えですか?
まずはサンゴリアス内でのセレクションに勝って試合に出なければいけませんし、自分が出た試合ではインパクトを残さなければいけないと思っています。たくさんボールに絡んで、試合の結果を左右するような局面でたくさん顔を出していきたいと思います。もちろん自分がトライを取るだけじゃなくて、色々な局面で自分がテレビに抜かれるようなプレーをしたいと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]