2021年8月13日
#758 テビタ タタフ 『 80分間出場すること 』
サンゴリアスでも日本代表でも、パワフルなプレーでスタンドを沸かすテビタ・タタフ選手。本人が把握する自分自身の現状は?そしてこれから目指しているものは?すべて日本語で答えてくれました。(取材日:2021年7月上旬)
◆フィジカルバトルが強くなった
――日本代表の6月のヨーロッパ遠征では色々なことを経験をしたと思いますが、どうでしたか?
ヨーロッパ遠征は良い勉強になりました。良い経験が出来ましたし、上のレベルのチームと戦えたことが嬉しかったです。上のレベルのチームと戦ってみて、フィジカルは戦えると思いましたが、フィットネスは足りないと思いました。まだ80分は出られないかなと。
――そこはどう伸ばしていきますか?
走るトレーニングをしたり、あとはZUU(ズー)ですかね(笑)。自分の中で今いちばんレベルを上げたいところがフィットネスです。
――課題が見つかったわけですが、逆に通用したところはどこですか?
フィジカルですね。アタックでもディフェンスでも、フィジカルは通用したと思います。ボールを持ったらゲインしようと思ってプレーしていました。
――タタフ選手はボールを持った瞬間にスイッチが切り替わるように見えますね
試合中はそんな感じで、試合が終われば元に戻ります。今は試合の出場時間が短いので、そこでいかにパフォーマンスを出すかを考えてプレーしています。
――パフォーマンスを出す上で、何かいちばん大事ですか?
ミスをしない、あと練習で積み重ねてきたものを試合で出すことを考えています。ただ、どうしてもミスは起きてしまうので、もしミスをしたら、すぐに切り替えて次のプレーにフォーカスするようにしています。
――今回のヨーロッパ遠征でのミスは?
はい、ありましたね。サインミスをしたり、入るべきラックに入らなかったりしてしまいました。次の機会では、ミスしないよう頑張ります。
――日本代表に参加するのは2回目でしたが、前回よりもレベルアップしたと感じましたか?
前回よりもフィジカルバトルが強くなったかなと思います。目指しているレベルに近づいてはいますが、あとは80分間出られるようにフィットネスを上げたいと思っています。
◆体重を増やすのは簡単、減らすのは大変
――2021シーズンを振り返って、自分自身の出来はどうでしたか?
チームとして優勝を逃したと思っていますし、決勝でスターティングメンバーに選ばれなかったのが悔しかったです。
――決勝のスターティングメンバーに選ばれなかった要因は何だと思いますか?
少し怪我をしていたので、スターティングメンバーには入れなかったのですが、23人の中に選ばれたことは良かったと思います。まだ体重が重くて負担がかかり、怪我に繋がってしまったと思います。
――今の体重は何キロですか?
今は120kgです。115kgくらいまで落としたいと思っています。体重を増やすのはすごく簡単なんですが、減らすのは大変です(笑)。
――2021シーズン中はもう少し体重が重かったんですか?
120kgより上がったり下がったりしていました。ただ、そこにフォーカスしてしまうとストレスになってしまいます。体重コントロールのプランニングをしても体重が減らない時は、更にストレスになります。そこも自分のテーマですね。
――体重を落としすぎてしまってもプレーに影響がありますか?
そうですね。体重を落としすぎてしまうと、今度はパワーが発揮できないですね。
――体重コントロールについては、どんな取り組みをしているんですか?
毎日、身体を動かすことと、バランスの良い食事を摂ることです。ヨーロッパ遠征の時は上手く出来ず、体重が増えたり減ったりしてしまっていました。
――子どもの時から食べることは好きでしたか?
いや、子どもの頃はあまり食べませんでした。目黒学院高校の寮や合宿などでいっぱい食べるようになりました。今は食べることが好きです。
――いちばん好きな食べ物は何ですか?
一番目は焼肉で、二番目はフライドチキンです。肉が好きですね。
――トンガには有名な肉料理があるんですか?
豚の丸焼きですね。食べたいんですが日本ではなかなか食べられないので、国に帰った時に食べます。塩だけで味付けをするんですが、美味しいですよ。
◆スキルや力が引き出される
――2021シーズンを通して、自分が成長したと感じるところはありますか?
決勝には進めたので、チームとしては良くなったと思います。自分自身のプレーのところで言うと、最後は出来ませんでしたが、80分間プレー出来たところは良くなったと思います。トップリーグでは80分間プレー出来ても、レベルの高いチームと試合をすると80分間はプレー出来なかったので、まだ足りないと思いましたね。
――今後のターゲットは何ですか?
次のシーズンでは80分間出場することと、怪我せずに最後までスターティングメンバーに入りたいですね。日本代表については、フィットネスを上げてスターティングで出られるように頑張りたいです。
――いま感じるラグビーの面白さは何ですか?
上のレベルのチームと戦うことが面白いです。自分の持っているスキルや力が引き出されるような感じがします。自分にこれだけの力があると感じることが出来ますし、自分の足りないところも感じることが出来ます。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]