2017年7月 7日
#542 飯野 晃司 『元気よく走り回って吠えている』
大きな体と堂々とした態度が新人らしからぬ雰囲気を醸し出している飯野晃司選手。新人としてどんな想いで何を目指しているのでしょうか。トップリーグに向けての意気込みを訊きました。(取材日:2017年6月20日)
◆全員が泥くさくプレー
—— ルーキーということで期待されていますね
僕のポジションであるロックには、ジョー(ウィーラー)や真壁さんなどがいるので、試合に出ていた先輩たちを越えなければいけないと思っています。
—— サンゴリアスに入ろうと決めた時には、チームは9位だったと思いますが、それについてはどうでしたか?
外から見ていて「弱いから9位」という感覚ではなく、全員が走って、泥臭いプレーもやっていると感じていました。
—— 飯野選手もやっぱり献身的に走るタイプですか?
そうですね。試合などを見ていても、全員が走り、泥臭いプレーをするということは、僕のプレースタイルに合っていると思っていました。あと、大学の先輩が多くいたので、それも大きかったと思います。
◆元気の良さ
—— 社会人となり、どういう部分で勝負したいと思っていますか?
学生の頃もそうだったんですが、元気の良さですね。常にチームを鼓舞することには自信があります。それを常に楽しみながらやることを意識してきたので、社会人になってもそこは継続してやっていきたいと思っています。
—— プレーの部分ではどこが強みだと思っていますか?
タックルをしなければ試合は始まらないという考えがあります。勝つためにはトライをしなければいけませんが、僕のポジション的には、チームのためにタックルやブレイクダウン、ラック周りの仕事がメインになってくると思います。やはりそういうプレーができなければ、ラグビーはできないと思っています。
—— タックルのどんなところが好きですか?
例えば、突っ込んできた相手に対して思いきりミートした時には気持ち良いですね。そこがラグビーの魅力のひとつだと思います。
◆常に全力
—— 泥臭いプレーが合っていると感じたのはいつ頃ですか?
ラグビーを始める前はサッカーをやっていて、ポジションはゴールキーパーだったので、あまり激しいプレーはしてこなかったんですが、もしかしたらその時から自分の性格的には、アグレッシブに体を当てるプレーが性に合っていたのかもしれません。
高校に入る時に、サッカーを続けても良いけど、他のスポーツを始めても良いかなと思い始めていました。そんな時に友人のお父さんから「絶対にラグビーが合っている」と言っていただき、そこから少しずつラグビーを始めようかと考えるようになり、高校に入学したタイミングでラグビー部に入ることを決めました。
けれど、最初は足が速くないのにウイングをやっていました(笑)。当時は体が細くて、ラグビーも何も知らない状態だったので、とりあえずウイングをやることになったんです。ゴールキーパーだったので、キャッチスキルとキック力はあったと思います。
—— 今の体格からは想像ができませんが、体が細かったんですか?
身長が183cmくらいで、体重は70kgくらいしかありませんでした。
—— ラグビーを始めて、体を大きくしたんですね
そうですね。食事の量をかなり増やしました。
◆やるからにはとことん
—— 高校時代に印象的な試合やプレーはありますか?
僕が3年の時の選手権(花園)の予選で決勝まで進んだんですが、0対3で負けました。結局、一度も花園には出られなかったんですが、それがずっと悔いとして残っています。
—— 自分自身のパフォーマンスとしてはどうでしたか?
悪くはなかったと思っています。結果としては3年連続準優勝で終わってしまったので、1回くらいは花園に出たかったですね。
—— それで大学では更に本格的にやろうと決意したんですか?
どこの大学に行こうかと悩みましたが、「やるからにはとことんやろう」と思い、帝京大学に進むことにしました。
—— 大学選手権を連覇していた帝京大学に進むことを決め、自信はありましたか?
正直、自信はありませんでしたが、精一杯やろうと思っていました。
—— 大学では、いつ頃から試合に出ていましたか?
1年生からリザーブで試合に出させていただきましたが、先輩たちについていくことを考え、必死でやっているという感じでしたね。
◆良いところを全部吸収してプレー
—— どの辺でラグビーに対する自信が芽生えましたか?
自信は今もないですよ(笑)。器用な選手ではないですし、泥臭いプレーを心掛けてやっているので、試合中もそんなに目立つような選手ではないと思っています。タックルやブレイクダウン、セービングなど、そういうところで頑張ろうと思ってプレーしていました。
—— トップリーグのチームに入ってみてどうですか?
先輩たちが本当にフレンドリーなんですが、その中でオンとオフをしっかり切り替えていて、ラグビーになったらバチっとスイッチを入れられるので、本当にすごいと思います。大学時代は全員がそういうわけではなかったんですが、このチームでは全員がスイッチを切り替えられるので、僕もそうなりたいと思います。
—— お手本にしている選手はいますか?
いま僕の中では、誰かを真似するというよりも、自分自身がどうならなければいけないのかという部分で、サンゴリアスのフォワードの全ての選手のことを見て、良いところを全部吸収してプレーできるように、しっかりと学んでいきたいと思っています。
◆本当に成長できる場所
—— 仕事についてはどうですか?
仕事としては家庭用なので、担当するスーパーに営業をしています。ただ、僕はまだ先輩に同行して学ばせていただいているところなので、本当にラグビーと一緒で吸収する時期だと思っています。
色々な人と話すことは楽しいですし、練習のために早く仕事をあがらなければいけない時も会社の人から「頑張ってこいよ」、「いってらっしゃい」と言っていただけるので、本当に温かい会社だと思うと同時に、もっと頑張らなきゃいけないと思っています。
—— お酒は好きですか?
好きです。やはり「ザ・プレミアム・モルツ」が美味しいですね。
—— お酒が好きで、ラグビーが好きということで、サントリーという会社はピッタリですね
サントリーに入ることができて、本当に幸せだと思っています。ラグビー選手としても社会人としても、本当に成長できる場所だと思っています。社会人1年目でまだまだ甘い部分が多いと思いますが、この会社で活かせる部分はあると思っているので、そこをこれからどう伸ばしていくかということが、今後の成長の課題だと思っています。もっともっと精進していかなければいけないと思います。
—— 今の自分の時点で、活かせる部分はどこだと思いますか?
例えば、「当たり前のことを当たり前にやる」であったり、「元気よく挨拶する」、「時間をしっかりと守る」という部分は、大学時代から心がけて取り組んできました。あと、言葉遣いや文章は大学で学んだことが活かされていると思っています。
◆試合に出る
—— 今シーズンの目標は?
サントリーのジャージを着て試合に出ることです。
—— どのポジションで試合に出たいと思っていますか?
4番、5番以外にも、6番、7番、8番と、複数のポジションができれば試合に出るチャンスも増えると思うので、ポジションの縛りはなく、チームから求められるところで試合に出たいと思っています。
—— 先を見ると、2019年には日本でワールドカップがありますね
2019年のワールドカップに出るためには、サントリーで試合に出ることが一番の近道だと思っています。まずはサントリーで試合に出て、少しでも連覇に貢献したいと思います。
—— ワールドカップに向けて、これから更に盛り上がっていきますね
サッカーや野球に比べて、ラグビーはまだメジャースポーツではありませんが、これから盛り上がっていくことでファンの人も更に増えていくと思いますし、多くの人から応援していただくことで、僕らにとっては更なる力になっていくと思います。大学の時と比べても、会場に足を運んでくださる方が増えていると感じているので、本当にありがたいことだなと思っています。
—— そういう中で試合に出て、どういうプレーを見て欲しいですか?
ぜひ会場で元気よく走り回っている姿を見て欲しいです。それに試合中はよく叫んでいると思うので、そういうところも見てもらいたいですね(笑)。