2017年2月 3日
#521 『日本選手権優勝 出場選手たちのコメント』
日本選手権決勝にも勝って、今シーズン17戦全勝の2冠獲得を達成したサントリーサンゴリアス。最後の日本選手権決勝に出場した選手全員から、優勝直後の会場にて、優勝コメントをもらいました。(取材日:2017年1月29日)
◆石原 慎太郎(1番/60分間)
トップリーグのパナソニック戦やヤマハとの全勝対決など、そういう試合の時は、全員がいつも以上に集中していますし、それによってコミュニケーションが増えたり、全員が連動して動いているので、ぜんぜん疲れを感じないんですよ。アオさん(青木佑輔)と「それはなぜか?」という話をしたんですが、たぶん全員が連動していて1人でプレーしていない感覚があるんです。そういう状況では、1人でパニックになりませんし、どんな時でも隣と繋がっている感じがして、そういう状態だと楽に感じることが出来るんです。
そのためには準備が大切で、想定していないことを相手がしてきてパニックになるという状態をいかに減らすかということだと思います。それで「決勝はどうなるのかな?」と思いながら試合に臨んで、トライは取れませんでしたが、ディフェンスをしていても相手のアタックが怖いと感じるシーンがありませんでしたし、本当に疲れを感じず集中力が切れませんでした。
その中で、要所でトライを取り切れなかった部分は反省すべきところだと思いますが、全体的には、試合をしていて面白かったですし、とても良かったと思います。
◆青木 佑輔(2番/55分間)
春からスクラムを強化してきて、ある程度の成果は出ましたし、チームとしての結果も出すことができ、自分としての責任を果たせたんじゃないかなと思っています。ただスクラムが強くなったというより、1人1人のスクラムに対する理解度が上がって、対応力がついたということが収穫だと思っています。今シーズンでスクラムの基盤が出来たので、ここからまだまだ強くなると思っています。
◆須藤 元樹(3番/63分間)
もう最高です。1年目から2冠を取れるなんて、ラグビーをやっていて良かったと思います。しかし、ルーキーとして全試合に出場させていただきましたが、まだまだ課題がたくさんあるので、次の春シーズンからしっかりと課題に取り組み、2年目のシーズンに向かっていきたいと思います。
◆ジョー・ウィーラー(4番/80分間)
とても嬉しいです。2冠を獲得できたことをとても誇りに思いますし、多くのサポートをいただいたサントリー、そしてファンの皆さんに対して感謝しています。決勝戦は常にタフな闘いになります。必然的にキックが多くなり、それをしっかりキャッチするために試合を通して集中しプレーできていたと思います。たくさんのご声援ありがとうございました。
◆真壁 伸弥(5番/80分間)
いやぁ、ホッとしてます。もちろん嬉しいんですが、それよりもホッとしたというのが一番です。今シーズンは1年間を通して自分の仕事が出来たのではないかと思います。
◆ツイ ヘンドリック(6番/80分間)
ディフェンスを一生懸命やったことが、結果に繋がったと思いますし、とても嬉しいです。今シーズンはパナソニックを相手にした2試合とも勝利することができましたし、その他のチームにも勝ち続けることができ、シーズンを通して選手もスタッフも努力を続けた結果が表れたと思います。これからもまた良いラグビーをしていきたいと思います。
◆ジョージ・スミス(7番/80分間)
今日はアンビリーバブル!今シーズンは選手、スタッフともにファンタスティックでしたし、2冠を取ることが出来て、とても素晴らしいシーズンでした。自分自身も新しいレベルに来ていると思いますし、スーパーハッピーですね(笑)。バックアップしてくれているサントリーのためにも、次のシーズンでもまた2冠を取りたいと思います。
◆小澤 直輝(8番/60分間)
日本選手権の準決勝、決勝と、シーズンの最後にチャンスをいただくことができ、自分のやるべきことをやるだけと思い試合に臨みました。今シーズンは終盤にピークを持って来ることができましたし、みんなを代表して試合に出て、優勝することができて良かったと思います。体の調子が良いと感じていましたし、シーズン途中から更に調子が上がって来て、それをこういう形で表現することができました。自分自身もレベルアップすることができて良かったと思っています。
◆流 大(9番/66分間)
この日のためにやって来たので、ハードワークして来たことが報われて、とても嬉しいです。結果的に全勝での2冠ですけれど、その中には本当に苦しい試合が多々あって、それをみんなで乗り越えて来た上での全勝だったので、喜びは大きいです。
社会人2年目でのキャプテンは本当に難しいことだらけで、悩みも多かったんですが、他のリーダーにも助けてもらって、みんなでやって来たことが報われて本当に良かったという思いだけです。
優勝した瞬間は、言葉では言い表せない人生で初めて抱いた感情が出てきました。本当にこの日のためにみんなでハードワークして、スタッフもハードワークしてくれて、みんながいろんなことを犠牲にしながら、ラグビーに注ぎ込んで来た1年だったので、ホッとした感情なんだなと思います。
◆小野 晃征(10番/80分間)
今日はファイナルでしたし、秩父宮のグラウンドの状況を考えたら、やっぱりオープンラグビーをすることは難しいと思いますし、パナソニックさんも調子が上がって来ていたので、トライに繋げることができませんでした。その中で、我慢強く、80分間あまり派手なプレーはせずに、ファイナルラグビーを戦えたかなと思います。
ペナルティーキックを蹴る時には、何も考えていませんでした。外れたら、次の仕事をすれば良いと思っていますし、今年はひとつゴールキッカーとして武器が増えたと思います。あまり自分にプレッシャーをかけずに、その責任感をも楽しむ感じですね。ユタカ(流大)も言っていましたが、あまり深く考えすぎずに、自分が悪いプレーをしても切り換えられるというチームになって来たと思います。
◆江見 翔太(11番/80分間)
タイトなゲームでした。やはり決勝は他の試合とは違って、その場に立ってみなければ分からないものがあります。自分自身の動きとしては悪くなかったので、ボールが回ってくるように動いていましたが、少ないチャンスの中でいかに丁寧にプレーできるかという部分がポイントで、そこでのミスが相手ボールになったり、ペナルティーになって3点を取られてしまったりしていました。
1つのミスの重みが直接結果に繋がるのが決勝だと感じました。今日の試合はどちらに転んでもおかしくはなかったと思いますし、改めて小さいことの積み重ねが大事だと思いました。その中、今日は勝つことができて、最高に嬉しかったですし、僕はノーサイドのホイッスルが吹かれた瞬間に泣いてしまいました(笑)。
◆デレック・カーペンター(12番/80分間)
信じられないシーズンを過ごすことができ、とてもハッピーです。パナソニックはディフェンスが強いので、自分がやらなければいけない仕事はゲインラインを切ることと、ディフェンスだと思っていました。それは僕にとってとてもシンプルでしたし、その仕事を全うすることができたのではないかと思っています。
◆村田 大志(13番/80分間)
やはり2冠は良いですね。パナソニックさんが強くて、うちのゲームプラン通りには進められませんでしたが、本当によく我慢して、ノートライの中でもしっかりペナルティーゴールで勝ち切ったので、サントリーにとっては新しい形での勝利だったのではないかと思います。
自分自身、ディフェンスでひとつクリーンブレイクされてしまったのですが、あれは完全に僕のミスで、チームに迷惑をかけてしまいました。そういうプレーをさせてしまっても、今日はみんなの集中力が本当に高くて、ディフェンスをしていてもとてもプレーしやすかったですね。
◆中靍 隆彰(14番/80分間)
準決勝の帝京大学戦とは違い、相手に攻められていても、チームとしてディフェンスが安定していたので、外側から見ていても安心してプレーすることができました。9番、10番の近くにボールをもらいに行って、ボールタッチを増やそうとは思っていましたが、かなりタイトなゲーム展開だったので難しかったですね。でも優勝し、2冠を取ることが出来たので、本当に嬉しいです。
◆松島 幸太朗(15番/80分間)
今日はシーズンの中でみんなが一番集中していた試合でした。それが試合の最初から最後までずっとできていて、優勝という結果に結びつけることができました。カウンターではあまりチャンスがなかったので、キックで陣地を取って敵陣でプレッシャーをかければチャンスが生まれてくると思いましたし、それによってペナルティーをもらうことができ、戦術としては良かったと思います。
フェアキャッチの場面は分かりやすかったですね。相手の10番とウイングがアイコンタクトをしていて、そこをちゃんとチェックしていたので、良い動き出しができたと思います。
◆中村 駿太(16番/25分間)
1年目で優勝できて、とても恵まれていると思っています。チームから信頼してもらっているからこそ、あの時間帯のあの点差で出場させてもらえたと思ったので、信頼されていることをしっかりグラウンドで表現しなければいけないと、とても緊張感のある気持ちで試合に入りました。
優勝はもちろん嬉しいですが、16番というリザーブ番号なので、しっかり次のシーズンでは僕が2番をつけて、日本選手権決勝に出場し勝てるように、また明日から良い準備をしたいと思います。この良い経験をしっかりと自分の力にできるように頑張ります。
◆森川 由起乙(17番/20分間)
1年間積み重ねて来たことを全員が統一してやっていて、諦めない気持ちやチャレンジャー精神があったので、接戦でしたけれど負ける気はしませんでした。素直に嬉しいという気持ちが大きいです。
残り20分で競っている場面で試合に入ることに対するプレッシャーはありましたが、今日は試合の前から「みんなで楽しもう」と言っていました。僕はリザーブだったので、まだ交替せずベンチにいるメンバーたちも含めた全員にエナジーを伝えることが仕事で、その中でスクラムやタックル、ブレイクダウンのところにフォーカスして試合に入りました。15人で組織的に止めて守ることができたので、自分がやるべきことはやれたのではないかなと思います。
◆畠山 健介(18番/17分間)
僕は控えだったのでベンチから試合を見ていましたが、1人のラグビーファンとしても、凄くレベルの高い試合だと思っていました。非常に心強い戦いぶりでした。
リザーブの時には、いつも点差や時間、相手の状況をもとに、自分の役割を考えて試合に入っていきます。これまでの経験を活かして、特に緊張せずにプレーできましたし、自分の役割を果たせたのではないかと思います。今シーズンは2冠を取ることができましたが、次のシーズンでもしっかり2冠を取れるようにやっていきたいと思います。
◆西川 征克(20番/4分間)
トップリーグの開幕戦では、近鉄に対して劇的な勝利をあげましたが、そこからはチームとしてもとても成長して来ましたし、成長したことで今日は最後に楽しめたと思うので、良かったと思います。4年振りの優勝の感覚を味わえ、良かったですし、素直に嬉しいです。
◆日和佐 篤(21番/14分間)
交替して出場しましたが、あれだけ攻め込まれていたら、ハラハラします。とにかくスコアされないこと、そしてフォワードをいかにコントロールするか、その2つに集中していました。勝利の瞬間は、ジョージ(スミス)が足をつっていて、それを伸ばしてました(笑)。久しぶりに勝つことができたので、とても嬉しいです。
※ 以上、試合出場選手へインタビュー、( )内は背番号/出場時間
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]