2015年3月11日
#420 塚本 健太 『自分に合ったルーティーンを』
昨シーズン、新人ながら10トライを挙げた塚本健太選手。更なる飛躍が期待された今シーズンは、終盤に来て復活してきました。現状とこれからについて、2年目の塚本選手に聞きました。(取材日:2015年2月24日)
◆相手を抜くイメージ
—— 今の調子はいかがですか?
今シーズンの中で、今が一番良い状態だと思います。今シーズンの春に怪我をしてしまい、復帰出来たのが夏合宿辺りでした。そこからなかなか調子が上がってこなかったですね。
—— 復帰した時は、どのくらいの状態で復帰したんですか?
身体は万全の状態だったんですが、感覚の部分で、思うようにはいきませんでしたね。半年くらい離れていたので、感覚が鈍っていて、1年目の時に逆戻りしたみたいでした(笑)。
—— 今シーズンを振り返ると、ここまでどうですか?
課題が多く出てきたので、その部分で昨シーズンよりもリザーブでの出場が多くなったのかもしれません。身体自体は昨シーズンと同じくらいの状態にはなっていると思います。
—— 多く出てきた課題とは何ですか?
タックルやブレイクダウンでのスキルの部分で、アンディ(フレンド ヘッドコーチ)からも指摘されていました。ブレイクダウンに入ったとしても、きっちりと仕事が出来ていなかったと思います。その課題を克服するために、日々の練習で課題を意識して取り組んでいます。
—— アタックについてはどうですか?
上手くやろうと考え過ぎている時は上手くいかなくて、強気の時には上手くいきますね。考え過ぎていた時は消極的なプレーをしていたと思います。強気なプレーをするためには、1週間の練習で試合に向けてモチベーションを上げていくんですが、上手くいかなかったときは練習の態度なども指摘されていました。
—— どうやってモチベーションを上げていくんですか?
上手くいっていた時の自分のプレーを映像で見たりして、自信をつけるようにしています。怪我で離れている間に、昨シーズンまでの感覚や自信の部分が落ちてしまっていたと思うんですが、今は自分の良いプレーを見て、相手を抜くイメージやタックルをして相手を倒すイメージを思い浮かべて、試合前に気合を入れるようにしていますね。
僕の場合は、集中力を高めて試合に臨みます。自分の良いプレーに関しても、昨シーズンのものは見ずに、今シーズンのプレー映像を見て、モチベーションを上げています。
—— どのくらいの割合で、良い状態で試合に臨めているんですか?
今はまだムラがあるんで、ムラのない状態にしたいですね。試合の中ではどうしてもミスなどが出てしまいますが、総合的に見ると、試合ごとでムラがあるように感じています。
—— 良い状態の時と良くない状態の時とでは、何が違いますか?
自分では出来ているつもりなんですが、試合に向けての準備がまだ不十分なのかもしれません。これから自分に合ったルーティーンをしっかりと作っていければ、ムラなく試合に臨めるようになると思います。
◆吹っ切れた状態
—— 今シーズン良くなった部分はどこですか?
昨シーズンと比べてウエイトは上がるようになったので、身体は強くなっていると思います。それで、スピードは変わらずに来られているので、良い状態だと思います。
—— 昨シーズンはリーグ戦で10トライでしたが、今シーズンのリーグ戦では2トライでした。その部分についてはどう考えていますか?
昨シーズンのことはあまり意識していないですね。トライについては物足りなさを感じますが、切り替えるには良いタイミングかもしれません。
—— 来シーズンに向けての課題は何ですか?
身体を張ってタックルをすることです。自分の意識では思いっきりタックルをしているつもりなんですが、映像などで振り返ってみると、もっと出来ると思います。けれど、やらなければいけないと考え過ぎてしまうとあまり良くなくて、吹っ切れた状態になれれば、良い状態になると思います。
—— 強化させたいところはどこですか?
フィジカルの強さをもっと上げていかなければいけないと思っていて、フィジカルがもっと強くなれば、アタックもディフェンスも更に自信をつけることが出来ると思っています。スピードは更に上げられるならば上げたいですが、フィジカルを強くしてもスピードは落とさないようにしたいですね。
あとは自信をつけたいですね。基本的には弱気な方ではないと思うんですが、上手くいっていないと弱い部分が出てきてしまっていると思います。1つ1つの仕事をしっかりとやることで、自信に繋がっていくと思います。
◆試合に出続けたい
—— どのポジションで試合に出たいと思いますか?
11番と14番と15番でプレー出来ますが、試合に出られるのであれば、どのポジションでも出たいですね。例えば、剛さん(有賀)みたいに的確な指示を出したり、声を掛けたりする力は劣っていると思いますが、練習を積み重ねて自信をつけて、良いイメージを持った状態を保ち続けられるようになれればと思っています。
—— どのくらいでその状態になれそうですか?
来シーズンにそうならなければいけない、と思っています。
—— ラグビー選手としての目標は何ですか?
サントリーで試合に出続けたいですね。
—— シーズン終盤にきて、チームのまとまり感が強くなったと思いますが、選手としてはどう感じていますか?
ワイルドカードトーナメントの時から選手同士で話し合うことが多くなって、そこから一体感が生まれて、「日本選手権で優勝する」という想いを共有できていると思います。ワイルドカード1回戦の近鉄戦では、まだあまり良い状態ではなくて、そこからグラウンド外でも意見を交換したり、お互いにやることを明確化させたり、リーダーたちがやることをよりシンプルにして、僕らに落とし込んでくれたので、チームの状態も上がってきたと思います。
—— 来シーズンの目標は?
開幕戦から試合に出続けたいと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]