2014年7月 9日
#385 ニコラス ライアン 『開幕戦から、そしてチャンピオンになる時に6番を着ていたい』
練習試合に登場したニコラス・ライアン選手の背番号が、従来の12番から6番に。誰もが「えっ?」と驚くバックスからフォワードへの転向。元日本代表が今、なぜポジションを変えたのか?ポジション変更の真意と意気込みを訊きました。
◆新しいポジション
—— 春季練習試合の三菱重工相模原戦が終わってすぐのインタビューですが、試合が終わった直後なので、疲れは?
試合によるけど、今日はなかなか良いパフォーマンスでしたし、フォワードとして2試合目だったので、楽しかったです。
—— パフォーマンスは良くなっていますか?
良くなっています。いま激しいトレーニングをしていて、細かい部分も練習しているので、全体的に悪くないですね。フォワードとして慣れてきました。
—— バックスとフォワードでは疲れ方が違いますか?
少し違います。フォワードの方がラックの近場でのバトルが多くて、バックスはランニングが多くなります。フォワードはクリーンアウトとか、スクラム、モールが多くなりますね。
—— フォワードは上半身の方をよく使うんですか?
少しだけだと思います。そこはバックスとあまり変わりません。
—— なぜ今シーズンからフォワードにチャレンジしようと思ったんですか?
シーズンオフに考えて、大久保さん(直弥/監督)やコーチ陣にも相談をして、新しいチャレンジをしてリフレッシュするために、フォワードにチャレンジしようと思ったんです。僕もコンタクトが大好きだからフォワードをやることを決めました。
—— バックスのプレーに関して、昨シーズンまでで満足感を得られたんですか?
はい、サントリーのスタイルだと、セットピース以外はフォワードでもバックスでも僕の仕事はあまり変わりません。けれど、スクラムなどでは細かいスキルが必要になるので、これから経験を積んでいかなければいけません。それがチャレンジであり、魅力的なところです。
◆本当に面白い
—— フォワードとしてプレーすることは面白いですか?
いっぱい新しいことがあるので、本当に面白いです。
—— 6番の選手の中で、一番を目指しますか?
6番として日本代表に選ばれるかは分かりませんが、チャンスがあればいいですね。
—— 昨シーズンの6番はジョージ・スミス選手でしたが、ジョージ選手と比較して、自分のプレーはどうですか?
比べられないと思います。プレーのタイプも違いますし、ジョージはずっとフランカーでやってきたので、比べるにはまだ早すぎます。
—— ニコラス選手の6番としてセールスポイントは?
ランニングスキルやコミュニケーション、フィジカル、タックル、キッキングなど、バックスから学んだことがあることです。他の6番の選手は、そのスキルを持っていません。セットピースの経験を積むことが出来れば、6番としても通用するようになると思います。
◆絶対にいける
—— 今シーズンはバックスとしてもプレーするんですか?
今の時期はフォワードだけです。ただ、チームから求められれば、バックスでもプレーします。あと、フォワードでプレーしながら、ゴールキックは蹴ります。
—— これからの課題はセットピースですか?
セットピースの細かい経験が必要です。それぞれの状況の時にどういうプレーをするべきかという部分は、経験によって良くなっていくと思っています。これから経験を積んで、開幕戦から6番でずっと試合に出られるようにしたいですね。一般的にはフォワードの選手の方が長くプレーが出来るので、僕もフォワードになったことで、選手として少し長くプレーできるかなと思います。
—— 体重は増やしますか?
バックスの方が走るので、1~2kgくらい増やします。ただ、チャンスがあれば、僕も走ります。
—— ファンにその姿を見せてほしいですね
はい。よろしくお願いします。
—— 新しいことへのチャレンジという部分での面白さ以外で、フォワードの面白さはどこですか?
バックスの時はフォワードのことが分からなかったけど、実際にフォワードをやってみて、練習などで色々と気づかされます。フォワードも面白いですね。
—— フォワードとして2試合(リコー戦、三菱重工相模原戦)プレーしましたが、1試合目からフォワードでも通用すると思いましたか?
セットピース以外は出来ると思いました。けれど、フォワードとしての試合での経験がまだまだなので、1試合目はあまり良くありませんでした。今日の2試合目で、またフォワードとしてプレーしてみて、絶対にいけるというという自信を持つことが出来ました。これからまだ練習試合があるので、そこで更に経験を積みたいと思います。
—— 改めて、今シーズンの目標は?
チームとしてはもちろん2冠です。そして、チャンピオンになる時に、6番を着ていたいですね。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]