SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2013年7月 3日

#336 山田 亮介 『サントリーのプロップは走れなければいけない』

幼稚園の時から始めたラグビーで、より過酷なレベルの高いところを選択し続けてきた山田亮介選手。“気は優しくて力持ち”の雰囲気溢れる新人プロップが、これから目指すラグビーについて聞いてみました。

◆チャレンジした学生生活

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—— ウイダージャパンセブンズではアトラクションに参加していましたね

最初のアトラクションは、お姫様抱っこのレースで、女性を抱っこして10mラインを往復するというゲームでした。2回目は鬼ごっこで、お子さんや保護者の方に捕まらないように逃げていました。これまでのラグビー人生で来場者の方と触れ合う機会というものがなかったので、貴重な経験になりました。

—— 慶応大学出身ですが、大学でのラグビーはどうでしたか?

2年生の夏まではNo.8でプレーしていましたが、それ以降はプロップに転向したので、ラグビー面ではチャレンジした学生生活だったと思います。まったく経験のないポジションに転向したので、毎日色んなことを吸収して成長出来た4年間だったと思います。

—— ポジションの転向は自ら望んだんですか?

バックローには素晴らしいタレントが揃っていて、僕の持ち味はボールを持って前に出ることなんですが、慶応で求められていたバックローはディフェンスや仕事量だったんです。そういった意味でもNo.8で試合に出ることは難しいだろうと思い、監督やコーチからもプロップをやってみないかと言われていたので、チャレンジしました。

—— ポジションを転向して、どこが大変でしたか?

ポジションを転向する前は、スクラムも組めるだろうという甘い気持ちを持っていたんですが、実際にスクラムを組んでみると、これまでに経験したことがない圧力が自分の身体にかかり、衝撃的でした。ちゃんとスクラムを組めるようになるのかと不安になりました。

—— スクラムが組めるようになったと感じたのはいつ頃ですか?

3年の春くらいだと思います。2年生の時はどうすればいいのか分からず、押されてばかりでした。もともと95kgくらいで、体重を増やさなければいけなかったんですが、2年の終わり頃にやっと100kgを超えました。ただ体重を増やすだけではなくて、食事制限をしながら筋肉量だけで体重を増やさなければいけなかったので大変でした。

—— プロップの面白さはどこですか?

スクラムはまだ大変ですが、フィールドプレーは比較的自由に動けるので、そういう部分が面白いですね。

—— 社会人の中で、自分のどこで勝負していこうと思っていますか?

もともとバックローだったので、フィットネスや運動量を伸ばしていき、他のプロップにはない動きをするプロップになりたいと思います。あとはボールを持って前に出る動きやプロップらしくないと言われるようなプレーをしたいと思います。

◆大学ではやりきれなかった

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—— ラグビーを始めたきっかけは?

幼稚園の年長頃だったと思いますが、練馬ラグビースクールというところで始めました。父親がラグビーをやっていて、その影響だったと思います。毎週泣きながら連れて行かれていたそうです(笑)。当時、僕が通っていたスクールは厳しくて、まだ入ると決めていないにもかかわらず、「みんなの前でタックルしてから自己紹介しろ」と言われました。でも練習自体は遊び感覚で出来たので、続けて来られたんだと思います。同じスクールで中学3年まで続けました。

—— ご家族は?

両親と妹が1人います。やりたいことをやらせてくれる家庭環境だったと思います。他のスポーツをやりたいと言えばやらせてくれたと思いますが、ラグビー以外をやろうとは思わなかったですね。

—— 当時のポジションはどこでしたか?

その頃からフォワードでした。その頃は周りと比べると体も大きくて、活躍出来たから楽しかったんだと思います。

—— 高校はどこに進んだんですか?

国学院久我山でラグビーを続けました。日本一になりたいという思いがありましたし、周りの先輩たちが久我山に行っていて、身近な存在でもあったので、久我山に進むことを決めました。

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—— 高校で印象に残っていることは何ですか?

花園ではベスト8でしたし、関西の高校になかなか勝てなかったという思いが強いですね。僕が3年の時の選抜で、東海大仰星に勝って3位になったことが印象に残っています。大学は久我山の先輩方が慶応大学に進学されていたので、僕も慶応に行こうと思い進学しました。

慶応大学の試合を見ていて、ひた向きにタックルするプレーや激しいタックルが持ち味だと感じたので、僕に合っていると思いました。あと僕が小学校の時に、早稲田大学が凄く強かったんです。当時の早慶戦をよく見ていて、慶応大学に入って、早稲田大学を倒したいという思いがありました。

中学時代は早稲田大学が好きで、試合をよく見ていました。佐々木隆道さんや畠山健介さん、あとは関東学院の有賀剛さんをテレビで見ていて、凄く憧れがありました。いま、同じチームにいることが信じられない思いです。

—— 慶応大学に入ってみて、どうでしたか?

はっきりとした数値での目標を設定してくれて、チームも凄くまとまっていたと思います。やりやすい環境の中でも厳しさがあり、素晴らしい環境の中、ラグビーが出来たと思います。

—— 大学で一番印象に残っていることはありますか?

4年の時に勝てるか、勝てないかで、大学時代の印象が変わってくると思います。僕の代では勝てなかったので、満足は出来ませんでしたし、やりきれなかったと思っています。

—— 大学時代には何かリーダーの役職についていましたか?

リーダーという役職ではありませんでしたが、下級生のラグビーや私生活の面での指導役をやっていました。

◆成長を感じることが出来る

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—— サンゴリアスに入ろうと思ったきっかけは何ですか?

慶応大学は社会人でもラグビーを続ける人が少ないので、大学に入学した当初は、僕もラグビーを続けるとは思っていませんでした。大学3年の時にプロップで試合に出させてもらえるようになって、その試合を当時サントリーの監督だったエディーさん(ジョーンズ)や田中澄憲さんが見に来てくれていて、そこから社会人でもラグビーを続けようかと考えるようになりました。

ラグビーは今しか出来ないと思いますし、社会人でやるからには、より過酷な環境に身を置いた方が成長に繋がると思い、サントリーに入ることを決めました。

—— サンゴリアスでの手ごたえはありますか?

食事面やトレーニングメニューなど、素晴らしい環境の中でラグビーをやらせていただいているので、日々成長していると感じています。トレーニングは大変ですが、毎日楽しく過ごすことが出来ています。

分からないことばかりでしたが、先輩方から声を掛けていただき、仕事でもラグビーの面でも助けていただいています。

—— 課題は何ですか?

スクラムと、根本的な体作りの面で、まだ社会人の体が出来ていないと思います。その2つが今のところの大きな課題だと思います。

体作りに関しては、ただ大きくするだけではなくて、体を大きくしつつ、更にスピードを出せる体にしていかなければいけないと思います。

—— ラグビーの一番面白いと思うところはどこですか?

よりレベルの高いところでプレーすることだと思います。先輩方とプレーすると、まだまだ足りない部分が多いと感じますし、成長しなければいけないという思いになります。厳しい練習はしていますが、成長を感じることが出来るので、楽しいですね。

—— 自分の性格は、どんな性格だと思いますか?

人見知りの部分がありますね。周りが凄い選手ばかりなので、委縮してしまっている部分はあるかもしれませんが、これからはもっと自分を出していきたいと思います。

◆ボールを持って前に出ること

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—— 今シーズンの目標は?

まずはトップリーグの試合に出場することです。そのためには、スクラムや体作りが必要だと思うので、そこを今シーズン中にトップリーグで戦えるレベルまで上げたいと思います。

—— 中長期的な目標はありますか?

まずはサンゴリアスで試合に出ることです。そこをクリアしたら、その先が見えてくると思います。

—— 自信はありますか?

あります。もうやるしかないと思います。

—— ファンの人にどういうところを見てほしいですか?

ボールを持って前に出ることが得意なので、そういうプレーを見て欲しいと思います。サントリーのプロップは走れなければいけないと思うので、他のチームにはないような動きが出来るようにしたいと思います。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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