2013年1月 9日
#311 竹本 竜太郎 『チームの中で一番動いているプレーヤーになりたい』
社会人2年目。ようやくその元気なプレーを、トップリーグの試合で見る機会が 多くなってきました。リハビリ中の兄・隼太郎に代わって、竹本家を代表する選手になり、そしてサントリーの中心選手への成長過程にある竹本竜太郎選手に、シーズン終盤に向けての心境を聞きました。
◆僕がチームの最後の砦
—— 昨シーズンは2試合の出場でしたが、今シーズンは3試合に出場していますね
(※第12節終了時点)
練習の成果が試合で出せていると思います。あと、昨シーズンよりもレベルアップしていると、自分でも感じています。フィジカルの部分は数値でも見ても上がっていますし、フィットネスも上がっています。それに判断やスキルの部分でも少しずつ良くなってきていると思います。
それから、周りの選手と密にコミュニケーションが取れるようになってきています。次のプレーのセットまでの短い時間でしっかりとコミュニケーションをとって、しっかりと考えられるようになりました。
—— フルバックとして出場することには?
サントリーではずっとフルバックでやっているので、フルバックとして出場できることは嬉しいことです。
—— 大学時代にフルバックの経験は?
大学時代はありませんでした。高校時代に1年間だけフルバックをやっただけです。
—— フルバックの面白さはどこになりますか?
キックカウンターやワークレートの部分(たくさん動く)で楽しさがあります。
—— アタックの時にどのタイミングで攻撃に参加するかという判断は?
サントリーはシェイプがはっきりしているので、それに合わせて能動的に、先を予測しながら動いています。大変なことではありますが、今は出来るようになりました。ただ、相手の動きを見てプレーするというところはまだまだだと思っています。
—— 精神的に成長した部分はありますか?
11月のウインドマンス中に、日本代表メンバーや剛さん(有賀)がチームにいないときに、練習試合などでずっとスタメンで出させてもらって、僕がチームの最後の砦という意識や、キックリターン後はチャンスになる可能性があるので、そこを僕に任せてくれたので、自分の中で一層、自覚が湧いてきました。
—— 課題は何ですか?
チームプレーやコミュニケーションの部分で、まだまだ課題はありますが、それよりも判断とスキルの部分をもっともっと向上させていかなければいけないと思っています。
◆兄貴の発言からエネルギーを
—— 体が大きくなりましたね
筋肉で体が2~3kgは大きくなっています。それに加えフィットネスが上がっているので、スタッフと今の環境にすごく感謝しています。
—— 食べ物にも気をつけているんですか?
クラブハウスで美味しいご飯を作ってもらっているので、本当に感謝しています。普段は朝と昼は各自で食べていて、何を食べるかというよりも、食事の量と回数に気をつけています。
—— これからも体は大きくしていくんですか?
体の調子を見ながら、徐々に大きくしていこうと思います。今の体重が、これまでの自分の中でも最も重いんですが、フィットしてきて重さを感じません。これからまた体を大きくしたら、体が重く感じるようになると思いますが、自分のベスト体重は高く設定してやっていこうと思っています。
—— 今の体重は何kgですか?
今は80kgです。今シーズン前は77kgくらいだったので、約3kg増えました。
—— お兄さんである隼太郎選手が怪我で出場出来ていないので、(必ず応援に来る)お父さんの期待を一身に背負っていますね
はい(笑)。兄貴は兄貴のやるべきことをしっかりやりますし、僕は僕のやるべきことをしっかりやるだけです。それでチームのために試合に出場するためにトレーニングを頑張っています。
—— 家族でラグビーの話をしますか?
親と兄弟が揃ったときはラグビーの話になりますね。昔話であったり、大人になったなりの話も、最近はするようになりました。
—— お兄さんはサントリーの先輩としてアドバイスをくれますか?
兄貴は基本的にポジティブなので、チームのミーティングや、普段の生活からも学ぶことはたくさんあります。時々2人でご飯を食べにいくこともあります。そこで話をして刺激をもらっています。直接的なアドバイスというものはありませんが、兄貴の発言からエネルギーをもらいました。
—— 同じチームに入って良かったと思いますか?
兄貴と一緒のチームで良かったと思うこともありますが、それよりもこのサントリーという会社、スタッフ、チームメイトとすごく恵まれた環境の中にいると感じています。今の環境はすごく充実していますが、2冠を獲るまでは満足することなく臨んでいきたいと思います。
◆チームのために個人の力を伸ばしていく
—— これからスタメンを定着させていくためのポイントは何だと思いますか?
剛さんがいるので、試合に出られない時期が続くかと思いますが、チャンスは必ずあると思うので、どうすればチームのために個人の力を伸ばしていくかということを考えて、2冠というチームの目標に向かってハングリーに取り組んでいきたいと思います。
—— 苦しいことはありますか?
練習は大変ではありますが、試合に勝つためにやっているので、苦しいことはありません。しっかりと体の準備が出来ているので、今が自分を成長させる時期なんだと思います。
—— 個人としての目標は何ですか?
チームの中に良い文化が根付いてきていますし、僕がしっかりと頑張ることがチームのプラスにもなると思うので、今取り組んでいることをしっかりとやりつつ、更に向上していけるよう努力していこうと思います。
—— 将来の目標は何ですか?
将来についてもしっかりと考えていかなければいけないと思いますが、今は仕事とラグビーに集中させてもらっています。
—— ファンへメッセージをお願いします
トライに繋がる見えない部分のワークレートであったり、1人1人がどれだけ能動的に動いているところを見てください。チームの中でいちばん動いているプレーヤーになりたいと思いますし、相手チームの同じポジションの選手には負けたくないと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]