2012年12月19日
#309 辻本 雄起 サンゴリアス初キャップ 『もっとトップリーグでプレーしたい』
トップリーグ再開の第9戦で、新たにサンゴリアスキャップの獲得者となった辻本雄起選手。3年目にして初めて体験した公式戦で感じたこと、そしてこれからの目標について語ってもらいました。
◆もっと“Go Forward”
—— 3年目でのトップリーグ初キャップはどうでしたか?
やっぱりメンバーに選ばれた時は凄く嬉しかったです。スタメンで出場し、後半24分に真壁さんと交替しました。試合前は気持ちを入れ込み過ぎないよう準備をしたつもりだったんですが、実際に試合が始まってみたら、今までの練習試合やサテライトとは違った雰囲気でした。それに、コンタクトのレベルも違いましたし、試合のテンポやスピードも違ったので、また新たな経験が出来たと思いました。やっぱりトップリーグは、独特な緊張感がありました。
—— プレーの出来はどうでした?
まだまだですね。僕の中ではブレイクダウンがテーマだったんですが、満足のいく仕事が出来なかったり、特に前半はブレイクダウンに人数を掛け過ぎてしまい、サントリーのペースにすることが出来ませんでした。
後半はフィットネスの差で相手の足が止まると思っていたので、ハーフタイムの時にブレイクダウンを修正してサントリーのペースに持っていこうと話し合いました。
—— 今回のNTTドコモ戦では、日本代表選手が海外遠征から戻ってきたばかりで、メンバーが大きく入れ替わっていましたが、コミュニケーションは問題ありませんでしたか?
そこは問題なかったと思います。サントリーの強みは、誰が試合に出てもサントリーラグビーが出来るところです。そこを普段の練習から意識してやっていて、僕が試合に出てもサントリーラグビーが出来ると思ってもらえたから、メンバーにも選んでもらえたと思います。
—— 次からの試合のメンバー入りの手応えは?
もちろん次の試合に向けてチャレンジして、またメンバーに選ばれるように1日1日を大切にしていきたいと思います。
—— 初キャップを獲得して、自分の中で何か変わったところはありますか?
今までの練習試合やサテライトでは、自分で前に出られるところがあったんですが、トップリーグの試合になるとコンタクトが強いので、もっと"Go Forward"しなければいけないと思いましたし、もっとフィジカルにプレーしないといけないと思いました。そのポイントを毎回正確にプレー出来るようにならなければ、上位チームと対戦した時にやられてしまうと思うので、次の試合に向けてそこを課題としてやっていきたいと思います。
—— 「顔が変わった。明るくなった」(宮本賢二選手)という声があります
...(笑)。フィジカルにプレーするということは、これまでも課題でしたが、トップリーグでプレーしてみて、より強く、よりフィジカルに、タフにプレーしなければいけないと思いました。
◆応援してくれている人がたくさんいる
—— 次の目標は何ですか?
まずはチームの信頼を勝ち取って、試合で使ってもらって、毎回同じパフォーマンスが出来るようになりたいと思います。プレーに波のある選手では、メンバーに選ばれないと思うので、「絶対にこのプレーが出来る」という信頼をもらえるような選手になりたいと思います。
—— フォワードコーチ(ベン・ダーウィン)からは何か言われましたか?
試合前に「考え過ぎると上手くいかないから、キーポイントを3つに絞って、そのポイントをやろう」と1対1で話しました。
—— 今シーズンの残り試合も少なくなっています
先のことを考えずに、毎試合に向けてチャレンジしてレベルアップしていって、メンバーに選ばれたいと思っています。やっぱり1試合出場したことで、「もっとトップリーグでプレーしたい」という気持ちが強くなりました。
過去2年間の中で、調子が良い時もありましたが、どん底を見た時もありました。エディーさん(ジョーンズ/日本代表ヘッドコーチ)に厳しく指導して頂いたから、今があると思っています。エディーさんからは「辞めろ」とか「移籍しろ」とか言われた時もありました(笑)。厳しいことを言われた時もありましたが、それを乗り越えたからこそ、徐々に良くなってきたと思います。
直弥さん(大久保監督)からは「石の上にも3年。お前と3年目になるけど、よく我慢して、やってきた甲斐があったな」という言葉を頂きました。まだまだ僕のレベルは低いですが、1日1日の積み重ねが、今に繋がっていると思います。
—— 家族の応援は?
両親と兄が来てくれて、喜んでくれました。あと友達や大学の同期が、僕が言う前に、「メンバーに入ったね」とメッセージをくれたので、応援してくれている人がたくさんいると感じ、凄く嬉しかったですね。
ここがゴールじゃなくて、やっとスタート地点に立てたと思います。僕が試合に出ることで喜んでくれる人がいるので、今までお世話になった人たちに、試合に出ることで恩返しが出来ればいいと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]