2012年1月10日
#264 野村 直矢 『50キャップ いつも明るく元気に』
◆4年で48、2年で2
—— サントリー50キャップ、おめでとうございます
ありがとうございます!誇らしいです。だって凄いメンバーがいる中でクラブハウスの歴代ボードに名前が残せるんですから。
—— もっと早く達成すると思っていましたか
4年目の時に、クリアするかなと思っていました。その時48だったんで、日本選手権の途中でコロッと負けてしまい、その後確か2試合あったので、ちょうど50になるかなと。そうしたら、いかないいかない!
—— 5年目の昨シーズンは?
5年目は1キャップ。正直、トゥシ(ピシ)もヒューイ(ヒューワット)もずーっと出ていますが、現状、勝ってはいないな、と思っていました。6年目の今シーズンも1キャップ。現状も同じで、勝てないなあの2人には、という状態です。
—— 2年で2キャップ、当然悔しいですよね
悔しいっすよ。練習にその悔しさはぶつけますが、若い時って試合に自分が出ることしか考えていかなったけれど、正直そうでもなくなってきました。もちろん試合に出るのが一番ですけれど、その上で、チームのことを考えるようになってきました。
◆元気なら楽しくなる
—— 具体的にはその変化はどこに?
ロッカーリーダーもそうだし、トゥシとヒューイが上のチームでやっていて、下のチームには僕と太一(田原)と曽我部以外、周りは若いやつばっかりで、ルーキーのやつらとかが、パフォーマンスが出せるようにコミュニケーションをとってやっていくのが大事だと思っているんです。
若いやつらがサントリーでラグビーをやっていく上で、上のチームで最後は出てほしいし、50キャップとかも経験してほしい。だから若いやつらを練習でも気にしています。生活面は家が違いますけど、会社では会社に来てるかなーって気にしています。
—— それはある面、画期的な変化ではないかと思いますが、そのきっかけは?
なんでなんだろう…。自然にそうなったと思うんですけれど。僕は気にしちゃうから…。例えば怒られてショボンとしているやつがいます。1回言われただけでショボンとなっちゃうやつが多い。そういう時に、俺が元気で周りの人がついてくればいいな、と思うんです。きつい練習でも自分が一番元気で引っ張れればいいなと思います。
昔から歳が上でも下でも誰とでも、いつも明るく「ノムがいたら元気出るわ」みたいな存在でいたいなと思っています。今のサントリーはバックスとかメチャ若いですから。俺、ザワさん(小野澤)、平さん以外、あとはみんな歳下ですよ。
—— ではもともと持っていたものが出てきたんですね
そうですね、昔っからですね。元気なら、楽しくなるじゃないですか。
—— それでも元気がない時もありました
そりゃいろいろあります(笑)。それでも、カラ元気でも、練習の時は元気にいけますよ。
◆繋ぐラグビーにプライド
—— プレーについてはどうでしょうか
いいっす。いつもいいっす。いつも普通に調子いいっす。
—— 最近の戦術では得意なキックを使う場面が減りましたね
キックは得意ですけれど、今のサントリーのラグビーに皆プライドを持って、アグレッシブアタッキングラグビーをやっています。自陣でもボールをまわします。繋ぐラグビーに、僕もプライドを持っています。
—— 50キャップ目の試合はどうでしたか?
交替して入って一発目で頭に相手がぶつかりました。その影響が少しありましたが、アタックに関しては周りとコミュニケーションをしっかり取れて、いいオプションを使えましたから、良かったと思います。
ディフェンスは悪かったです。悪かったけれど、次はやれるっす!結構トライを取られましたし、僕のところが崩れたのもありましたけれど、練習していけばいいことですからね。
—— 次のターゲットは?
またチャンスをつかみたいと思います。常にチャレンジしていきます。ラグビーには怪我そして風邪なども含めて何が起こるかわかりませんから、いつも最高の準備をしていくことが大事だと思っています。
練習で手を抜かないこと。僕は性格上、昔から練習で手を抜かないですから。
—— 次の出番は?
次の試合っす。
◆ボールを動かす
—— ライバルとなる外国人選手の良さは?
器用なのもあるし、経験もあるし、フィジカルも強いし、チャレンジのしがいがあります。
—— 野村選手の強みは?
ボールを動かすこと。同じポジションに4人いて、皆が皆、それぞれの良さを持っていると思います。
—— ボールを動かすとは?
すべてのオプションが常にあるために、判断力もコミュニケーションも大事。パススキルも上を目指してやっていきます。僕はパスも好きです。そして自分のフィジカル面も、ディフェンス面も強化していきたいと思っています。
—— 今後の目標は?
個人的にはキャップ数をもって増やしたいです。ですから次の目標は51キャップ。キャップを増やして、いつも周りを引っ張っていけるように。練習でもいつも明るく元気にやっていきたいです。試合に出るメンバーだけじゃラグビーはできないですから。チームとしては、日本一を2つ取れるように。そのために貢献したいです。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]