SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2011年9月20日

#252 ジョージ スミス 『ラグビーは競争心を引き出してくれるスポーツ』

◆自分のスタイルがラグビーに合っている

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—— オーストラリアのどこの生まれですか?

シドニーのマンリーという街です。小さい頃はずっとマンリークラブでラグビーをしていましたが、19歳の時にブランビーズの下部組織に入団しました。

—— ブランビーズに入団した時には、ずっとラグビーをしていくと思いましたか?

そうですね。幸運な事に19歳の時エディー・ジョーンズ監督に目をつけてもらい、11年間もプレーすることが出来ました。

—— 記者会見の様子を見て、子どもの頃はイタズラっこというイメージを受けたのですが

イタズラっこという感じではなかったですね。8人兄弟(男6人、女2人)の4番目ですが、兄弟の中で役割分担があったので和気藹々と過ごしてはいました。19歳までは自由に好きなことをしていたので、まわりの同年代と同じような19歳だったと思います。

—— 8人兄弟というのは、オーストラリアでは普通ですか?

トンガでは普通ですが、オーストラリアでは多い方ですね。でも週末は一緒にスポーツをしたり楽しい思い出も沢山ありますし、家族とも良いコミュニケーションが取れていたので大家族で良かったと思います。

—— 他にスポーツはやっていましたか?

庭でクリケットなどして遊んだことはありますが、ラグビーしかやっていませんでした。テニスやバレーボールなどの他競技を観戦することは好きなんですが、実際にプレーすることはありませんでしたね。

—— ラグビーのどこが面白かったんですか?

ラグビーを始めた頃はそこまでではなかったんですが、経験を積むことによって更に面白いと感じるようになりました。競争心を掻き立てるスポーツスタイルも自分に合っていましたし、コンタクトプレーも好きでした。先のプレーを読むことや、ハンドリングスキルなどもスムーズに習得でき、試合の流れもある程度理解出来たので自然と好きになりました。

◆試合の理解度を高めたい

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—— ブランビーズ時代に最も印象に残っていることは何ですか?

1つに絞ることは難しいですが、1999年オーストラリアがワールドカップで優勝した事ですね。ブランビーズから沢山のメンバーが出場していた試合でした。ジョージ・グレーガン(元サントリー/2010-2011引退)もそうですし、スティーブン・ラーカム(元リコー/2010-2011引退)もその時のメンバーで、若い頃から偉大な選手達と一緒にプレーし、色々と学び得た事がラグビー人生で有利になっていると思います。

—— ブランビーズでプレーする時からターゲットはワールドカップでしたか?

入団当初はそういう思いはありませんでした。試合の理解度を高めたいという思いでプレーしていました。

—— ジョージ・グレーガン選手との思い出はありますか?

付き合いも長いですし、よく面倒を見てくれました。フィールドの外でもいい友達です。ジョージ・グレーガンもブランビーズでプレーした後、フランスを経てサントリーに入ったので、僕にとっていい道しるべになりましたね(笑)。ジョージからもいい体験をしたと聞いていました。

—— キャップ数はグレーガン選手が139、スミス選手が110、記録を狙える年齢で代表を引退したのは?

一番の理由は小さい子どもたちがいることです。遠征が多かったので、家族と過ごす時間を作りたいという思いがありました。

◆お互いに尊敬し合っている

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—— お子さんは何歳ですか?

6歳と4歳と2歳です。一番上と下が男の子で、真ん中が女の子です。

—— 8人まで増えそうですか?

素敵だとは思いますが、どうでしょうね(笑)

—— スミス選手が子どもたちに対する気持ちは、ご自身のお父さんからの影響ですか?

そうかもしれないですね。あとはラグビーを通じて様々な国で体験し感じたことを、子供たちにも伝えたいと思ったことも代表を引退した1つの理由です。

—— サントリーでは3年契約ですが、その後は他の国に行く可能性もありますか?

サントリーに入ってまだ日も浅いので、それは分かりません(笑)。まずはしっかりサントリーで3年間プレーすることを考えています。

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—— 家族はもう日本に来ているんですか?

今は来日していませんが、タイミングをみて日本へ呼びたいと思います。

—— 奥さんは日本に来たことはありますか?

まだ来たことがありません。僕は今まで2回来日したことがあり、日本が好きですので妻へもポジティブな話をよくしています。

—— 日本のどこが好きですか?

食べ物も好きですし、互いに尊敬し合う心や異文化な環境が好きですね。日本語も勉強しています。

—— どんな日本語を覚えましたか?

挨拶ですが、「はじめまして、ジョージ・スミスです。どうぞよろしくおねがいします」。あと、「私の携帯番号は×××です」。それから注文する時に「これ1つください」。まだレッスンを2回しか受けていないので、ベーシックなことしか分かりません。「おはようございます」とか「さようなら」も分かります。

◆2007年日本代表と対戦した試合でのタックル

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—— プレーを見ると凄くアグレッシブですが、普段のお話は穏やかですね

普段は凄くリラックスしています。ブランビーズに入った頃は緊張しっぱなしだったんですが、経験を積むことにより今はリラックスした状態で生活しています。グラウンドに入るとスイッチをONにしますけどね。

—— 今までで、いちばん印象に残っている試合は何ですか?

2007年のワールドカップで日本代表と対戦した試合ですね。初めてのタックルでそのままボールを奪いトライを獲りました。今見てもいいタックルでしたね。

—— 最も興奮した試合は何ですか?

たしか2001年だったと思いますが、ブリティッシュ・ライオンズに勝った試合です。あと2003年のワールドカップ決勝で、イングランドに負けた試合ですね。

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—— ラグビーをプレーしていても、リラックスしていますか?

経験を積んだ中で何をすべきか否かが分かるようになったので、そういった面ではリラックスしていますが、サントリーでの初試合はきっと緊張すると思いますよ。まずはメンバーに選ばれるようにならなければいけませんね(笑)。

—— サントリーのメンバーの名前はもう覚えましたか?

まだ全員は覚えていませんが、毎日少しずつ覚えていっています。

—— サントリーのチームの雰囲気はどうですか?

みなフレンドリーで歓迎してくれています。練習もプロフェッショナルなチームだと感じています。

—— チームに入る前に思っていた雰囲気と違いはありますか?

実際にチームに入ってみないと分からないことが多いので、先入観にとらわれずにどんなチームでも受け入れる態勢を整えていました。

◆バックスとリンクする

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—— スミス選手はMr.ジャッカルと呼ばれたりもしますが、ご自身ではどういうプレーが好きですか?

バックスとリンクすること、あとはボールスキルですね。いつもベストなプレーが出来るように努力しています。

—— 今年の目標は何ですか?

チームに出来るだけ貢献することですね。同じポジションの選手にテクニックや自身の経験を教えていきたいと思っています。 でも率先的にというよりは、アドバイスを求められたほうがやりやすいですね。他の選手を洞察することである程度学ぶことが出来ると思っているので、その中で自分に合うものをピックアップしていった方が良いと思います。

—— 自分の性格はどう思っていますか?

穏やかでハッピーな人間だと思っています。そんなに小さいことは気になりません。

—— 記者会見で「スポーツ選手はエンターテナー」と言っていましたね

少し違う意味合いで言ったのですが、「エンターテナー」と記者の方々も(新聞などに)書かれていましたね。大地震が起きた日本でのプレーを選択したことについては、ラグビーを通じて自身のプレーを披露することで、社会に貢献したり、小さな問題でも解決する一助になれればという思いで発言しました。いつもこの気持ちを持って試合に臨もうと思います。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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