SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2011年6月22日

#244 Doubles20 篠塚公史×日和佐篤 『最後に優勝したことが自信になっている』

『こんなに背が...』(篠塚・日和佐)

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—— ついに大トリです

篠塚:やっときましたね。こんだけ背が高いのに。

日和佐:こんな背が低いのに。

篠塚:声がかからなかったので、存在感がねぇなって思っていました(笑)。

日和佐:いちばん背が大きい人と、いちばんちっちゃい人が残りましたね。

篠塚:残り物ですよ。私たちは(笑)。

—— 普段から仲は良いですか?

日和佐:一方的にイジられています。

篠塚:いや、扱いが同級生というか、僕を従えている感じですよ(笑)。人懐っこい感じで、先輩を先輩と思っていないと思います。

日和佐:シノさんがヨシヨシしてくれるので、ついつい懐いちゃいました。

篠塚:法政っぽいって言えば、法政っぽいですね。

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—— その人懐っこさは、日和佐選手世代特有ですか、それとも日和佐選手特有ですか?

篠塚:日和佐の同期って誰?

日和佐:賢二(宮本)とか、ニシ(西川)とかです。

篠塚:西川は絡みますけど、賢二はあまり絡んだことがないですね。

—— 同じ大学で一緒にプレーしていた人と、同じチームに入るというのはどう感じますか?

篠塚:チームに入った当初は、周りの人のことをあまり知らなかったので、ノム(野村)を頼りにしていました。ポジションも違うので、ライバルとかではなく、ラインアウトの時に僕がコールをして、ノムはスタンドオフでコミュニケーションが大切になってくるので、いまはそういったコミュニケーションの方が多くなっていますね。

—— 野村選手とはずっと一緒にプレーしていますよね

篠塚:高校から一緒にプレーしています。僕がラグビーを始めてからずっと一緒です。

日和佐:マジですか。凄いですね。

篠塚:このまま引退も一緒なんじゃないかって思いますよ(笑)。

—— もう家族みたいな感じですね

篠塚:お互いの両親も仲が良いですよ。

—— 日和佐選手は宮本(賢二)選手と一緒に入ってきてどう感じていますか?

日和佐:心強かったですし、何かあるごとに部屋に行ったりしていますね。

『教えてもらっとことをノートに』(日和佐)

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—— サントリーに入ってくる法政大学の選手は、しっかりしたプレイヤーになっている人が多いと思いますが、それは大学のおかげですか?選手個人の力ですか?

日和佐:大学時代は何も教えてもらっていないですよ(笑)。個人の能力だけでやってきました。

篠塚:本当に個人能力だけのチームで、能力が高い選手が多いですよ。大学時代は、その力を出し切れなかったですね。法政大学出身のトップリーガーって、成長している選手が多くいると思います。

—— それはなぜだと思いますか?

日和佐:いままで吸収していなかった分、いっぱい吸収できると思うんですよ。個人の力に、ちゃんとしたシステムが入ってきますからね。

—— 社会人1年目は面白かったですか?

日和佐:めちゃくちゃ面白かったですね。頭はパニックになっていましたけど(笑)。

—— それはどう対応していったんですか?

日和佐:僕の場合は、教えてもらったことをノートに書いています。

篠塚:僕の時は、清宮監督(現ヤマハ発動機ジュビロ監督)になったばかりの時で、5月くらいにU23の代表で合宿に行っていて、それで他の人に比べて出遅れてしまいました。チームに合流しても、何をやっているのかも分からない状態でした(笑)。

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—— それはどれくらいで理解できるようになりましたか?

篠塚:シーズン通して、分からないことがいっぱいありました。

—— それでも1年目はシーズン通して全試合フル出場でしたね

日和佐:マジですか!

篠塚:全試合フル出場はザワさん(小野澤)と2人くらいだけでしたね。あの時はアピールする場所がなかったので、「出られる時に出ないと」という思いでした。

—— 試合を重ねるごとに吸収していきましたか?

篠塚:1年目のシーズンは、試合後の次の週の最初のミーティングで、その試合の悪かったプレーを言われていたんですけど、それに必ず僕のプレーが入っていました。だからいつも試合後のミーティングが嫌でした。

—— そのミーティングで発表されなくなってきたのはいつ頃からですか?

篠塚:3年目くらいですかね。それまでは僕と藤原丈嗣(2010年3月引退)が、交互に発表されるか、一緒に発表されるかを繰り返していました(笑)。

日和佐:いまはいいプレーが発表されていて、1対1で話をする時には悪いプレーも言われます。

『凄くやりやすかった』(篠塚)

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—— いまはそういう形なんですね

篠塚:いいプレーを探してくれますね。試合の前日には、直弥さん(大久保/FWコーチ)と1対1でミーティングをして、そこで今までの試合の良いプレーを集めた短いDVDを作って流してくれて、イメージを持って試合に臨めます。

—— スクラムハーフでもそういうことをやっていますか?

日和佐:ジョージさん(グレーガン/2011年3月引退)が教えてくれたり、良いプレーの映像を見せてもらっていました。そこでは悪いところも言われていました。

—— グレーガン選手はポジション別のリーダーとして教えてくれていたんですか?

篠塚:リーダーではなかったですよ。

日和佐:個人的に教えてもらっていました。

篠塚:羨ましいですよね。本当に恵まれていると思いますよ。

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—— 篠塚選手から見て、日和佐選手は順調に成長していると思いますか?

篠塚:入ってくる前からの評価が高かったですよね。入ってきて、少しの間はかみ合わなかったかな。

日和佐:かみ合わなかったですよね(笑)。

篠塚:やっぱり大学と社会人ではプレースタイルが違っていますからね。ただシーズン中盤くらいからは変わりましたね。凄くやりやすかったです。

—— それはどの辺がかみ合っていなかったんですか?

日和佐:遠慮をしていた部分もあったんですが、コンタクトの強さにびっくりしました。あとシステムが分からなかったので、慣れるまでが大変でした。それでシーズン中盤くらいからやりたいことが出来るようになってきました。あと、どういうプレーをしたらいいのかということが分かったのも中盤以降でしたね。

—— それはシーズン前半でやったことが身についたということですか?

日和佐:前半は頭では分かっていても動けていなかったですね。それでシステムをちゃんと理解することで、徐々に体が動くようになりました。

—— 分からないことをメモすることは、シーズンを通して行っていたんですか?

日和佐:ずっと書いていましたけど、シーズン終盤では、あまりメモすることもありませんでしたね。

『ドキドキすることは1つだけ』(日和佐)

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—— 篠塚選手はよく本を読んでいますよね?

篠塚:遠征の時はよく読んでいますね。海外遠征の時は10冊くらい持っていきます。

—— もともと本が好きなんですか?

篠塚:前はぜんぜん読んでいなかったんですけど、読むと1つのことに集中出来るので、最近は本を読むことが好きですね。

—— どんな本を読んでいますか?

篠塚:小説だったり、いろいろな本を読みますね。前は東野圭吾の本や、山田悠介の本を読んでいました。最近はホラー小説が好きですね。ドキドキするのが好きなんです。

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—— ラグビーをやっていて、ドキドキすることはありますか?

篠塚:あまりないですね。最近ドキドキしたのは、昨シーズンのリコー戦(第2節)ですね。その時は交代してベンチにいて、ずっと攻められていたので、守りきってくれという思いでドキドキしました。ドキドキというかヒヤヒヤしました。あそこで負けていたら、チームがヤバかったと思いますね。ただ次の試合(第3節vsNEC)で負けましたけど(笑)。3連敗していたら、厳しかったと思います。

—— 自分のプレーでドキドキすることはありませんか?

篠塚:集中しているので、ドキドキすることはないですね。ラインアウトの時なども、ドキドキしている暇がないです。

日和佐:僕もドキドキしないですね。

篠塚:あまり考えていないんですよ(笑)。

日和佐:ドキドキすることは1つだけあるんですけど、それはエディーさんと1対1でミーティングする時は、本当にドキドキします(笑)。監督室の扉をノックして、入る瞬間がめちゃくちゃ緊張します。

篠塚:あれねぇ~。分かる(笑)。

『来てくれたら断らない』(篠塚)

—— 普段はラグビーの話をしますか?

篠塚:あまりしないですね。

日和佐:飲み会もそんなにしないですしね。

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—— 珍しい組合せなんですね

篠塚:グラウンド以外では、あまり一緒になることはないですね。

日和佐:シノさんはすぐ帰っちゃいますしね。

篠塚:グラウンド以外では、あまり選手と会いたくない(笑)。

日和佐:(爆笑)

—— 家族と会いたいということじゃないんですか(笑)?

篠塚:そういうことです。

日和佐:そういうことなんですか?

篠塚:早く会いたいんですよ~。1秒でも長く一緒にいたいです(笑)。

—— 篠塚選手は1人でいることも好きなんですね

篠塚:好きですね。基本的に、誰かがいると気にしちゃうんですよ。

—— 日和佐選手は1人でいることは好きですか?

日和佐:あまり好きじゃないですね。シノさんとか、かまってくれる人にくっつきまくってます(笑)。

篠塚:来てくれたら断らないです。そういうのは嬉しいですよ。

『そういうボールも取れるように』(日和佐)

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—— 新シーズンが始まりましたが、チームの雰囲気はどうですか?

篠塚:昨シーズンの最初の頃とはぜんぜん違います。みんなの意識も違いますし、それに最後に優勝したことが自信になっていると思います。ただその自信を持ち続けてしまったら、勝てないと思うので、切り替えないといけないと思っていますが、みんなオフシーズンもトレーニングをしていたので、1人1人いい状態です。

日和佐:僕はまだチームの練習に参加をしていないので、何とも言えないですけど、みんなの表情を見るとイキイキしていたので、充実した合宿を送ってきたんだと思いました。

—— 新シーズンに向けて、それぞれの目標は?

篠塚:まずは全試合出場すること、そして2冠を獲得することですね。あとラインアウトを安定させることと、相手のボールを取ることに心掛けていきたいと思います。

—— 昨シーズンのラインアウトの評価はどうですか?

篠塚:ボールを取ることに関しては、トップリーグで1番でしたが、いいボールをバックスに提供することに関しては、あまり良くなかったかもしれないですね。サントリーとしては、ボールを取ることを目標にしているんじゃなくて、ボールを取ってバックスにいいボールを出すことを目標にしているので、今シーズンはそこをターゲットにしたいです。

—— 日和佐選手はどうですか?

日和佐:サンゴリアスで試合に出ることと、2冠を獲得すること、そして日本代表に選ばれてワールドカップに出ることですね。ラインアウトで、シノさんからいつもボールがビンビンってくるので、びっくりします(笑)。

篠塚:どんどん速いボール投げたいから(笑)。

日和佐:びっくりして、ボールを取る時にバランスを崩すこともあるので、今シーズンはちゃんと取りやすいところに投げて欲しいですね。

篠塚:どこでも取って。ジョージは取りましたよ、どこでも(笑)。

日和佐:そうですね(笑)。そういうボールも取れるようになりたいです。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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