SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2011年4月13日

#239 ジョージ グレーガン "ラスト"インタビュー+4 『士気が下がったとき、凄い顔で怒った』

長尾 亜紀(ながお あき/カメラマン)

スピリッツ画像

ジョージは被写体としてとても魅力的です。立ち振る舞いをはじめとして、すべてにそつがないと言うか、ぬけ、隙、がない。一般的な言葉で言えば「かっこいい」が当てはまっていると思います。さらに「洗練されている」という印象です。 

写真を撮る、という面では、試合前のジャージ授与のミーティングで、とても気を遣いました。今シーズンはそのミーティングには入りませんでしたが、昨シーズンまではそこで写真を撮るとき、他の選手にも増して気をつけて写真を撮りました。

ジョージは試合へ向けて集中力を上げて行くために、自分の中へ入って行きます。そのためのルーティーンをやっているので、ここは近づかない方がいいかな、なんて気を遣ったりしていました。

この3年間、挨拶程度の会話はありますが、ゆっくり話したことはありません。サンゴリアス内でやった外国人選手のお別れセレモニーで、記念のアルバムを渡したときに、「この写真はいつの時の写真」などと説明したくらいです。でもジョージと新田コーチと私は同い年なので、日本選手権決勝後のチームソーシャルの時に、3人で写真を撮りました。それがこの写真です(左からジョージ、長尾、新田コーチ)。

日和佐 篤(ひわさ あつし/スクラムハーフ)

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ジョージと初めて会ったのが去年の夏、僕がまだ学生で府中のクラブハウスへ行った時でした。「おーっ!これがジョージか」と思いましたし、握手した時にメチャ手がガシッとしている印象でした。その時はちょっと喋っただけです。「初めまして」「来年よろしくお願いします」でしたね。

次に会ったのが去年の8月の夏合宿です。それまでキヨさん(田中)、耕太郎さん(田原)の2人に教えてもらっていましたが、「また、新しいことを教えてもらえるな」と、ジョージがやってくるのを楽しみにしていました。やってきたら、実際にこういう時はこうやる、と教えてくれましたし、いつも気にして声を掛けてくれました。こちらから聞きにいくこともたくさんありました。

シーズンが始まると、試合の次の練習日にパソコンで映像を見ながら、そして映像をストップして「こういう時にはこうした方がいい」「前が空いているから仕掛けた方がいい」などとアドバイスをくれます。それで覚えますし、さらにその後の練習で、僕はジョージと交替で練習してましたので、交替するとジョージのプレーを後ろから見ることも出来ました。映像で見て、実際にグラウンドでも見て、二重に勉強できました。贅沢ですね。

ジョージに教えられた大事なことは3つあります。1つは、前を見てプレーすること。2つ目は、コミュニケーション。3つ目はディフェンスのポジショニングとバック3とのコミュニケーションです。すらすらと出てくるのは、皆によく聞かれる質問でもありますし、また凄く印象に残っているからでもあります。そして練習では毎日やっていますし、常に意識していることです。

精神的なアドバイスではなくて、プレーに関してのアドバイスをもらいました。ジョージは面倒見が良くて、練習中、優しい時もあれば怖い時もあります。気が抜けていて、チーム全体の士気が下がっている時は、凄い顔で怒りました。たくさん教えてもらったことを、来シーズンは復習しながら、やっていきたいと思っています。

(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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