2011年2月21日
#232 Doubles14 畠山健介×宮本賢二 『喜怒哀楽を出していって』
◆物怖じしない新人(畠山)
—— まず、この組合せのトークについての感想をおねがいします
畠山:ちなみにこれは誰が指名したんですか?
—— 竹本選手とグレーガン選手です
宮本賢二:何でですかね。
畠山:面白いっちゃ面白いっす。
—— 普段のコミュニケーションはどうですか?
畠山:普段は話すときは話しますけれど。
宮本:とりわけずっと喋っているわけではありません。
—— 後輩からしてみると怖い先輩ですか?
宮本:怖い先輩というイメージも苦手という感覚もないです。
—— あんまり苦手なタイプってないですか?
宮本:ないかもしれないですね(笑)。
畠山:こいつは誰に対してもこうです。得意不得意がないんです。マイペースですね。
—— 宮本選手を見ていてどうですか?
畠山:物怖じしない新人だなって思っています。僕は前から「宮本賢二」ってすごいやつがいると、ずっと聞いていましたので。
—— 物怖じしない先輩と物怖じしない後輩ですね
畠山:いや、僕は物怖じしますけどね。僕はそういう類の人間じゃないです(笑)。
—— 学生の頃に試合で対戦したことはありますか?
畠山:高校の時はないですが、大学の時は僕が4年生の時に秩父宮で当たっています。確かリザーブで途中から出てきましたね。それも覚えています。途中から入ってきてボール周りでのインパクトプレーヤーでした。小柄で俊敏な動きをしていたので、凄くインパクトが残っています2個下で東福岡で、など色々情報が入ってきていたので、試合をする前から知っていました。
宮本:自分も知っていました。
畠山:お前、嘘つくなよ(笑)。
宮本:ホントです(笑)。プレーは知らなかったですけど、仙台育英ってことと、早稲田に凄いプロップがいるって聞いていました。
畠山:凄いプロップがいるって、どんな情報だよ(笑)。
—— 実際に一緒にプレーをしてみてどうですか?
宮本:社会人になってから、ちゃんとは見ていないと思うんですけど。
畠山:プロップなんて見るに値しないってことですか、バックスからすれば(笑)。
宮本:大雑把に言うと、「凄い」じゃないですかね(笑)。
畠山:俺のプレーが超軽いみたいじゃねーかよ(笑)。
宮本:言葉が出てこないんです(笑)。
◆大人の人といる時間が長かった(宮本賢二)
—— 入ってきたときに、新人らしからぬ落ち着きを感じたのですが、畠山選手から見てどうですか?
畠山:感じました。僕は社会人になって最初の頃はおどおどしたり、先輩にどう接したらいいのか分からずにいました。ただこういう性格なので、わざと絡みに行ってミスして、シューンとしたりしていたのですが、こいつは物怖じもせず、おどおどもせずしっかりとしています。
—— それは仕事の時もですか?
宮本:仕事の時の方が、どちらかと言うとおどおどしています。
畠山:ちなみにこいつは僕が寮を出た後、僕のいた部屋に入り、同じ横浜支店に入り、僕の後を追うような形でいますね。
—— それに対してプレッシャーなどありますか?
宮本:いや~(笑)。
畠山:こいつはそんなことを深く考えたことはないはずです(笑)。角部屋で人の行き来がなくて、プライバシーをあんまり侵害されないので、こいつには合っているんじゃないかと思います。
宮本:でも飲むときは同期など呼んだりします。
畠山:男だけ?
宮本:飲むときは男だけです。もちろんです。純粋です(笑)。
—— その落ち着きは子どもの頃からですか?
宮本:変わったって言われるようになったのは、中学を過ぎたくらいです。
畠山:その理由を言わないんですよ。昨日もそんな話になったんですけど「僕はそのへんの昼ドラくらいの体験をしてるんで」みたいな感じなんですよ(笑)。こいつは発言もやっぱ違うし、同じ新人の仲村や日和佐が言わないようなこと言ってるなって思いますよ。
—— 大人っぽい体験をしたということですか?
宮本:中学の頃から大人の人と居る時間が長かったですね。親が家にいない時にラグビースクールの人に面倒見てもらっていたんです。そのころからずっと、大人の意見を聞いていたからだと思います
畠山:そのおかげでこんなに物怖じしない新人が出来上がった訳ですね。でも逆に、その周りの大人の人がちゃんとした大人だったっていうことがわかりますよね。その大人の人がうるさかったら、もっと喧しいことになっていると思いますよ。
宮本:コーチやみんなに本当に可愛がってもらっていました。
—— それだけでいざという時にびびらないで、落ち着くようになれるんですか?
宮本:びびってますけどね(笑)。
畠山:それを表に出さないというか、あんまり変わってない風に見えるんですよね。俺には俺のやり方があるみたいな。
—— プレーもそんな感じですか?
畠山:プレーもそんな感じです。良い時も悪い時も「これが俺です」みたいな。
—— 自分ではどのように自己分析していますか?
宮本:良い方に傾いてくれたらいいなと思ってるんですけど。
—— 最近はちょっと大人しい感がありますよね
畠山:1年目で落ち着いちゃまずいと思いますけどね(笑)。新人はもっと下からぶわーっと熱みたいのを上げて、チームを活性化する役目があると思うんですよ。まあそれは1年目だけでなく2年目も3年目もそうだと思いますけどね。
宮本:それはあとの同期5人に (笑)。
畠山:マイペースですよね。
—— でもそれはプレーにとってはいいことですよね?
宮本:自分から周りの人に発言も出来るので、いいところだと思います。
◆ラグビー20周年(宮本賢二)
—— ラグビーはいつ始めたんですか?
宮本:幼稚園からです。
畠山:今年で何年目?
宮本:もう20周年ですね。
畠山:20周年?!凄いな。僕はまだそこまでいってないですよ。
宮本:日和佐も幼稚園からだから、そろそろだと思いますよ。
畠山:凄いっすよね。僕は小2からだから17、8年目くらいです。この歳で20周年とか凄いですよ。だってまだ23歳ですよ。3歳から?
宮本:3、4歳からやっています。親にラグビースクールに連れていかれました。
—— 放っておくと危ないという片鱗をみせたのですか?
宮本:いや、まだ3歳ですから(笑)。
畠山:でも三つ子の魂百までっていうから、親としては預けようって思うでしょ。親もラグビーやってたの?
宮本:親はやってないです。野球だけです。近くにラグビースクールがあったんです。
畠山:ラグビーだけ?
宮本:ラグビーだけです。野球もやってないです。
—— いつ頃ラグビーが面白いと感じましたか?
宮本:本当に面白いと思い出したのは高校に入ってからですね。
—— やめたいって思ったことはありましたか?
宮本:小学校までは半分半分くらいでやってたんですけど、中学で一回やめたいと思いました。それでやめようと思っていた時に、色々助けてくれた人がいたから、今があるみたいな。
—— 畠山選手は昔から変わらないですか?
畠山:僕は昔から変わらないですよ。言いたいこと言って、やりたいことやって、そしてへこんでみたいな(笑)。
—— 畠山選手が新人の時に、ハーフタイムのロッカーでみんなに指示出していて、この選手は凄いなって思いましたよ
畠山:でも言ってるには言ってるんですけど、みんな聞いてくれているのかなっていう思いはありましたよ。
—— 言うこと自体が凄いとみんな思うと思いますよ
宮本:凄いですよね。
畠山:いやいや、おまえも言うじゃん(笑)。
◆僕は目立ちたがり屋(畠山)
—— 先輩として畠山選手のことをどう思いますか?
宮本:.........。
畠山:ないなら、ないでいいんだぞ。
宮本:(笑)よく喋るなあって。
畠山:それは実際自分でもそう思います。
—— 実際試合中も喋っているんですか?
畠山:試合中は喋らないです。
宮本:皆で集まった時は喋りますよね。
畠山:皆で集まった時はね。
—— 良くボールもらってトライしますが、あれは声を出しているんですか?
畠山:言いますよ。言う時はもちろん言うし、そこに走ろうとするし、あとジョージ(グレーガン)に「頂戴頂戴」って言います。
—— では、スクラムの時だけ静かなんですか?
畠山:スクラムの時も、他の時も静かです。チャンスの時に吠えます。ここしか僕の生きる場所はないって思いで吠えます(笑)。僕は目立ちたがり屋なんです。
宮本:僕は目立つのが嫌ですね。
畠山:でも宮本はプレーが凄いから、自然と注目を浴びると思うんですよ。しかも高校も東福岡で、目立つポジションですし、そういう環境にいましたからね。
—— 宮本選手はクールですね
宮本:いや、わざとクールにしいている訳ではないですけどね。
畠山:よっしゃー!ってなる時はないの?
宮本:トライを獲っても、よっしゃー!ってなることはないですね。
—— ディフェンスをかわしている時はどうですか?
宮本:ないですね。
—— 2人は正反対ですね
畠山:でも、僕も抜いてる時によっしゃー!とは思いませんよ(笑)。トライ獲った時、心の中ではよっしゃー!と思います。
宮本:僕が変なんですかね(笑)。
畠山:変じゃないよ。だから、淡々としてる感じだよね。逆に言えば、そういう奴が熱くなったり、感情出したりすると、「あ、こいつも気合入ってるんだな」と思います。
—— 今までのラグビー人生で感情を表に出したりしたことはありますか?
宮本:吠えたりとかはないですけど、大事な試合の時とかは、味方のプレーにから影響を受けることはありますね。
畠山:大学だと大事な試合前の円陣で泣いたりとかするんですよ。早慶戦や早明戦の時は、よく泣いてました。
宮本:法政も円陣はやりますけど、泣かないですね。
畠山:関東学院とか東海とかの試合前に泣かないの?
宮本:泣かないですよ。みんなも泣いてませんでした。でも泣こうとしたことはありますよ。
畠山:泣こうとしたってのがおかしいじゃん(笑)。わけわからなくなって、自然と出てくるものでしょ?お前は俳優か?
—— 宮本選手は、いまの自分のペースが良いと思っていますか?
宮本:ラグビーに関しては、今はいいですけど、下が入ってきたら、もうちょっとやらなきゃいけないという危機感はあります。
—— 感情の表出などに関しては、変えずにいこうと考えているんですか?
宮本:それはもう、変える気はないです。
—— 普段は全然表情が変わらないですよね?
畠山:笑ってはいますけどね。怒っているところは見たことがないですね。まあ、新人だからっていうのもあるかもしれないですけど。この感じたぶん分営業に向いているのだと思います。
—— 後輩が入ってきたらまた面白いですね
畠山:それが見てみたいですね。キャプテンとかなったことあるの?
宮本:東福岡でキャプテンでした。
畠山:あ、そうなの?意外だ。
—— では、コミュニケーションを取ったりしていたんですね
宮本:そうですね。
畠山:高校選手権はどこまでいったの?
宮本:自分たちはベスト16までです。茗溪学園に負けました。
◆あとは感情を出すだけ(畠山)
—— 社会人になって、大学との違いを感じますか?
宮本:そうですね。大学とはもう全然違います。
—— もし畠山選手にアドバイスを受けるとしたら、どんなアドバイスを受けたいですか?
畠山:なんでもいいぞ。仕事でもいいし。
宮本:どうやったら結婚できますかね?
畠山:感情出すことじゃない?
宮本:大事ですよね。よく言われますもん。
畠山:こいつが女の子に対してどうかは分からないですけど。
宮本:「賢二は何を考えているか分からない」ってよく言われます(笑)。
—— 畠山選手は逆に出しすぎですよね?
畠山:だからそれを扱える人間でないと、僕と結婚はできなかったと思いますよ。今は嫁さんにうまくコントロールされていますからね。言い方悪いですけど、サントリーっていう良い会社で働いていて、顔も悪くなくて、運動も出来るんだから、結婚できる要素はたくさんあると思うよ。あとは感情を出すだけだよ。お前の今年の目標は「喜怒哀楽」(笑)。
—— グラウンドの中から実践していった方がいいですね
畠山:グラウンドの中で感情を出す練習をすれば、自ずと出来るようになるから。てか、そんなに早く結婚したいの?若いうちは遊んどけ。
宮本:いや、もうそろそろいいかと。
畠山:早い早い早い。僕が結婚したのは25歳ですけど、23歳の時に「もうそろそろ」なんて思ったことなかったですよ。
宮本:自分で色々管理できないんですよ。
—— ずっと実家暮らしだったんですか?
宮本:いや、大学から寮です。寮生活もそんなに大変だったことはないんですけどね。
畠山:多分、後輩とかにやらせていたんですよ。
宮本:やらせてないですよ。洗濯物とかが貯まっちゃうんですよ。
畠山:こいつには年上でしっかりしている人がいいと思いますね。
—— 宮本選手は実年齢より上に見られるんじゃないですか?
宮本:よく言われるのが大体25歳~28歳ですね。前髪の白髪も高校くらいから生え始めました。
—— それは増えているんですか?
宮本:ちょっとずつ増えてます。
畠山:嫌って思ったことなかったの?
宮本:最初は嫌でしたよ。今はもう平気ですけどね。この髪を認めてくれる人が7割ぐらいいます。
畠山:認めてるというか、あんまり関心がないんだと思うよ(笑)。俺もトレードマークみたいの欲しいな。
宮本:髭じゃないですか?
畠山:じゃ、髭で。
—— 髭は仕事には影響していないんですか?
畠山:影響してないと思います。営業先ではなくて、会社内の方が影響あったと思います。
宮本:1年目の時は剃ってたんですか?
畠山:1年目は剃ったりしたんだけど、やっぱりどうしても髭を剃ると、輪郭がなくなって、顔が更に太って見えるし、若くなるんですよ。それが嫌だったんです。だから週の初めだけいちばん短くすると、試合がある頃にはいい感じになっているんですよ。
◆もっとやれる(宮本賢二)
—— 畠山選手から見て、新人選手はどうですか?
畠山:それぞれキャラクターがあって、良い新人が入ってきたと思っています。そしてベテランの人も経験豊富で、チームとしては若返りもしていないし、ベテランの人が居座っている訳でもないので、凄く良い状態にあると思うんですよ。その中で、新人のキャラクターがもっと伸びてくれれば、更に良いチームになると思います。
プレーに関しては、今のところは特に問題がないので、もっと感情を出せればいいと思いますね。淡々とやっている感じに見えちゃうと、印象も良くないですからね。しかも要求されていることが出来ちゃうので、それが変にマイナスに働くともったいないですよね。もっと感情を出していくべきだと思います。
—— 宮本選手はどうアピールしていこうと思いますか?
宮本:やる時はしっかりやらないといけないとは思っています。
畠山:メリハリは出来ているから、悪くはないと思いますよ。
宮本:もっとやれるところで、自然と力を抜いてる所とかあるので、コーチ陣にはもっとやれるって言われているんだと思います。
畠山:出来ちゃうので、更に高いものを求められるんですよ。でも逆に出来ないと求められませんからね。今の新人はエディーさん(ジョーンズ/GM兼監督)や他のコーチにも言われたりしますけど、でもそれはやっぱり期待されているからなんで、良いことだと思います。
—— 同期が6人で、竹本キャプテンの代の9人に次ぐ多さですね
畠山:あの代はみんな仲良いし、上っ面じゃないですよね。本当にむかついたら、ちゃんと言ってるし、喧嘩が絶えないって本人たちも言っていますからね。こいつらの代もめちゃくちゃ仲良いですよ。
—— 宮本選手はいまの自分の構想としてはどういうふうに考えていますか?
宮本:正直、今は考えてないです。
畠山:プロとかは興味ないの?
宮本:興味はありますね。
—— 宮本選手は考えていることをあまり話したがらないですよね?
畠山:ファンの皆様はこいつの動向を見ていて下さい、ということですよ。体現します。
—— 言わないで、行動で示しますということですか?
畠山:とりあえず、こいつの今期のキーワードは「喜怒哀楽」です。
宮本:ハタケさんが決めるんですか(笑)?
—— 自覚症状がないと難しいと思いますが、どう思いますか?
宮本:多分「怒」がいちばん難しいと思いますね。
畠山:とりあえず手当たり次第キレてみれば?「なんで今日鶏肉なんですか、牛肉のつもりだったんですけど」とか。
宮本:「あいつ、めんどくさい」ってなるじゃないですか(笑)。
—— 畠山選手と宮本選手は正反対?
畠山:体型も、見た目も180度違いますね。僕は自分とは違う人に憧れるんですよ。サントリーだとパッと思いつかないんですけど、大学の時は、神戸製鋼に行った今村雄太さんですね。無口で凄いプレーするじゃないですか。それでバックスで、自分の出来ないようなプレーやスピードを持っていますから、僕はそういった人に憧れたりするんです。だから、賢二とか見てて、年下だから認めたくない部分とかもあるのですけれど、自分がしないようなことしたり、喋らなかったりするのとか、ポーカーフェイスが格好いいなとか思ったりしますね。
—— 逆に先輩を見て、良い所はどこですか?
宮本:本当に人として、良いと思います。
畠山:嘘つけー!ほんとにやばいって、その嘘の付き方は(笑)。
宮本:言葉が出てこないんですよ(笑)。凄いとか上手いとかしか言えないんですよ。
畠山:さっきも言ったんですけど、下が入ってきて、教える立場になった時に、僕もいま課題なんですけど、言葉にして表現するっていうのが凄く大事だと思うんですよ。長谷川慎さん(元スクラムコーチ)の表現が凄く上手くて、スクラムを教えてもらう時も分かりやすいんです。例えば、肩をこう寄せてバーンと当たってとかじゃなくて、しっかり肩をよせてフッカーとこうやってこうしてこうしてって細かい所まで説明してもらえるから、僕らも納得出来るんです。そして、バックスもそういうのが必要で、下が入ってきて、立場が中堅やベテランに上がるにつれて、そういうことをしなければいけない立場になってきますからね。今のうちに言葉を勉強するっていうのは大事なことだなって思います。
◆字を書くのは好き(宮本賢二)
—— 本を読んだり、文章を書いたりはしていますか?
宮本:本はたまにしか読まないですね。ただ字を書くのは好きですよ。ストレス解消みたいな感じで書いています。
畠山:どんなストレス解消だよ!
宮本:詩を書いたり(笑)。でももう詩を書いたりするのはやめましたけどね。字を書くのが好きで、筆ペンとか使うのが気持ち良かったりするんですよ。
畠山:でも、それは分かる。
宮本:相田みつをじゃないですけど、味のある字などを書くと、ちょっとすっきりするんですよ。
畠山:今時の若者が、そんな風に思わないでしょう(笑)。
—— ひと月に1作品をサンゴリアスホームページに載せませんか?
畠山:それいいですね。載せようよ!
宮本:でもちょっと、恥ずかしいです。
畠山:「だってウイングだもの けんじ」って(笑)。筆ペンしっかり買って、やってみれば?
宮本:でも、いい企画っすね。
—— ちなみに今書くとしたら、何と書きますか?
宮本:「楽」ですね。久しぶりにこんなに話して、いまこの時が楽しいからですね。
畠山:お前にそんな趣味があったんだな。こういうのを話さないんですよ。もう習字やっちゃえよ。サンゴリアスでも習字をやっている人はいないと思うよ。
宮本:でも、上手くはないですよ。味のある感じの字を書いているだけですから。
—— サンゴリアスには歌を歌う人はいっぱいいますが、詩を書く人もいないですよね?
畠山:中村直人さん(元フォワードコーチ)とかも「ff(フォルテッシモ)」(HOUND DOG)を歌っていましたからね(笑)。けど、23歳で詩を書くなんて、初めて聞いたよ。ちなみにいつから詩を書いていたの?
宮本:高校位からそんな感じがあって、大学の時になんかストレスが貯まって、部屋にこもってずっと書いてましたね。大学時代がいちばんイライラしていたかもしれないです。
畠山:なんでそんなにイライラしてたの?
宮本: 1、2年の頃は荒れていましたね。周りの環境とかにストレスを感じていました。
畠山:ちなみにお前が1年生の時の4年生って誰?
宮本:友井川拓さん(NTTコミュニケーションズ)の代です。
畠山:拓さんの代だと、成田さん(秀悦)の代だ。
宮本:成田さんは本当に仲良かったですね。
畠山:イライラしていたのに、アウトプットしないでノートにぶちまけてるわけじゃん。そうじゃなくて、人に対してぶちまけれるようになれれば、もっと違った性格になっていたかもしれないね。でも、それがこいつのオリジナリティーなんでしょうけど。例えば同期と飲みに行って、愚痴を言い合うことはなかったの?
宮本:文字隆也(トヨタ自動車)とはよく行きましたね。
畠山:文字くんもそんなイライラしている感じだったの?
宮本:文字はそんな感じではなかったですけど、環境は良くなかったですね。
畠山:法政には行ったことないんだけど。どこにあるの?
宮本:八王子です。
畠山:リーグ戦を戦う大学の中では、唯一土のグラウンドだったんだよな。寮は何人部屋だったの?
宮本:4人部屋です。
畠山:1人部屋がよかったの?
宮本:いや、別にそういう訳ではなかったですけど...。
畠山:まあ、色々あったってことね(笑)。
—— その環境は宮本選手が4年生になった時には変えることが出来たんですか?
宮本:変えられるところは変えましたけど、大きく変えることはできなかったですね。
—— そういう環境の面でもサンゴリアスは恵まれていますね
宮本:社会人のすべてのチームを知っているわけではないですが、サンゴリアスは恵まれていると思いますね。
畠山:僕もすべてのチームを知っているわけではないですけど、他には東芝や三洋もいい雰囲気がありますよね。見ていて年齢差関係なくメンバー同士が仲良いですし、ラフプレーも少ないと思います。
—— では最後に、お互いに対して期待するところをお願いします
宮本:ハタケさんから見て、僕のプレーに対して色々と思うことがあると思うんですよ。そういう時に少しでもいいので、アドバイスを言ってもらいたいです。フォワード中心のスポーツなので、フォワードの人に言われると、しっかりやらなきゃいけないって気になるんです。けど、「怒」で言われるのは嫌ですね(笑)。
畠山:期待することは、今まで培ってきたものもあって、今すぐ性格変えろっていうのも無理な話なので、まずは思いっきりやることですね。そして徐々に先輩にも後輩にも的確なアドバイスができるようになってほしいですね。まあ僕の3分の1くらいでもいいので喋れるようになれば、もっともっと良いプレーヤーになると思います。
宮本:3分の1って、結構喋らないといけないですね。
畠山:おいっ(笑)。あとは喜怒哀楽を出していってほしいですね。
—— 次は誰にしましょうか?
宮本:じゃあ大島はどうですか?
畠山:大島と圭太さん(長谷川)にしましょう。あの2人は仲も良いので、きっと会話は弾むはずです。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]