SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2011年1月 5日

#225 Doubles10 伊勢田彬人×岸和田玲央 『虎視眈々』

◆「チラチラ見てました」(伊勢田)

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—— この組み合わせになっての感想は?

伊勢田:日頃からチラチラアイコンタクトとったりしてるので、別に違和感はないですね。

岸和田:そうですよね。ほんとによく見てくるんですよ。

—— 何をそんなに見てるんですか?

伊勢田:なんか気になるんで(笑)。

岸和田:僕は別に見られてる感じが嫌な訳じゃないです(笑)。

—— 岸和田選手がまだ法政大学の頃サントリーに合同練習に来た時がありましたが、その時も見ているんですか?

伊勢田:そうですね。チラチラ見てました(笑)。

岸和田:その時からですか?チームに入ってからでしょう(笑)。

—— ロッカーが近いとか、そういう繋がりはありますか?

岸和田:特に近くないですね。遠くから視線を感じてます。

◆「キャラが濃くて面白い」(岸和田)

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伊勢田:僕がたまたま法政の試合を見に行ったことがあって、玲央がサントリーに入ってくるって聞いてたんで、その時からちょっと意識して見ていたんです。あとは長友の試合とかも見に行ったことがありますね。

—— 大学の時に見た時と今は全然違いますか?

伊勢田:僕が言うのもなんですが、ぜんぜん成長していると思います。しっかり結果残しますからね。後半途中から入ったりすると、萎縮しちゃったり、流れに入っていけないことがあるんですが、そういうのを感じさせずに結果を残しますよね。

岸和田:それは少しありますね。チャンスが巡って来た時に余り緊張しなくなりましたね。

—— そのコツは?

岸和田:それはやっぱりサントリーに入って、練習の中で自信がついているので、試合ではそれを出すだけですから、問題ないです。今年は練習でもかなりファイトしているんで、伊勢田さんもそうだと思いますが、みんないつでも大丈夫だと思います。

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—— サントリーに入った時の伊勢田選手の印象は?

岸和田:チームに入っていちばん最初、春はフィットネスをやっていたんですが、マクレーンという有酸素のトレーニングで、設定タイムがひとりひとりあるトレーニングがありました。僕はまだ新人だったので、試されている部分もあって、バックスでも中の上くらいの位置だったんですが、伊勢田さんはフォワードなのに更に厳しい設定タイムでやってました。それで「すごい走れる選手なんだな~」という印象がありました。その後だんだん慣れてきて、話したりするようになったら、今度は「すごくキャラが濃くて面白い人だな~」という印象に変わって、終いには、僕と伊勢田さん2人だけのあだ名で呼び合う仲になりました。

伊勢田:これは2人の秘密なんで教えられませんが、ヒントは「○○○スープ」です。これ以上は言えません(笑)。

◆「個性派」(伊勢田) 「おっとり系」(岸和田)

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岸和田:あと最近思うのは、ミーティングなどで、敬介さん(沢木コーチ)とかに「前の試合のディフェンスどうだった?」とか言われること多いですよね?

伊勢田:それは、仕組まれてる(笑)。

岸和田:その答えを伊勢田さんは面白く言うんですよ。例えば「まだまだです」とか(笑)。

伊勢田:敬介さんがの言葉が終わり切らないうちに、かぶせて言います(笑)。話が変わりますけど、玲央の同期には不思議なメンバーいるよね。

岸和田:同期は啓希(宮本)と真壁の3人だけです。

伊勢田:あんまり絡んでるところ見ない気がするけど。

岸和田:3人とも昔から知ってる仲なんで...。

伊勢田:3人ともすごく個性派だよね。

岸和田:あと、みんなマイペース。僕と啓希は同じバックスですし結構絡む機会があるんですけど、真壁は1人でどっか行っちゃいますね。

伊勢田:逆に俺らの同期を見てどう思う。今いるメンバーだと、平(浩二)、高谷(順二)、太一(田原)。

岸和田:みんなおっとり系でガツガツ系じゃないですね。

伊勢田:俊平(伊藤/OB)がいなくなったんでね。あいつ顔が恐かったんで(笑)。

岸和田:でも、みんな仲良くて、プライベートでも飲んだりしてますもんね。

伊勢田:そうだね~。

◆「守るものができる」(伊勢田)

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—— 2人で一緒に飲んだりしないですか?

伊勢田:行ったことないんですよね。僕が羽振りが良かった頃は誘って「今度行こうか?」なんて言ってたんですけど、結局行けなかったんですよね。今はもう結婚してしまったので、飲みに出かけること自体が少なくなってしまいました。結婚式には玲央にも来てもらいました。

—— 岸和田選手は結婚はまだですか?

岸和田:まだまだですね。

伊勢田:結婚はやはり守るものができるので、意識はすごく変わりますよね。自分でも「しっかりしなきゃ」って最初は思いましたから。最初は(笑)。あとはいろんな事の嬉しさが2倍になりますね。もちろん悲しいことや怒りとかも2倍になりますけど、やっぱり楽しいことの方が多いですね。

岸和田:練習終わったら早く帰ったりするんですか?

伊勢田:やっぱり待っててくれるからなるべく早く帰るようにするし、たまにはお土産でも買って帰ろうって気持ちになります。

—— 旦那さんがラグビー選手だと、怪我とかを心配しないですか?

伊勢田:怪我はそんなに心配していないと思います。

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—— 試合はよく見に来るんですか?

伊勢田:そうですね。出会ったのが大学の時なんで、当時からちょくちょく見に来てくれました。

岸和田:子供はどうですか?

伊勢田:やっぱり子供も同じで、早く帰って会いたいっていう気持ちになります。でも、朝は大変です。朝4時くらいに僕のベッドで正座して「キャーキャー」言うんで、起きちゃいますね。かわいいんですけど、毎日だとキツイです(笑)。奥さんは全然起きないので、いつも奥さんの方に戻して寝直してます(笑)。男ってやっぱり何もできないんですよね。寝かしつけるのもそうですし、奥さんってすごいですよね。

—— こういう話も普段はあまりしないですか?

岸和田:しないですね。練習でもポジションが違いますし、見つめられるだけですね。僕らが絡むようになったのは、去年一緒にリハビリをしていた時期からですよね。

—— リハビリの時はどういう話をしてたんですか?

伊勢田:リハビリをしている時は、トレーニングと一緒なんで、みんな基本的には黙々とやってます。べちゃくちゃ喋るのは僕くらいじゃないですか?僕は独り言とかいっぱい言いながらやってます(笑)。

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◆「ハードタックラー」(岸和田) 「頭脳派」(伊勢田)

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—— 伊勢田選手のプレーの印象は?

岸和田:すごいハードタックラーな印象です。

—— 岸和田選手のプレーの印象は?

伊勢田:さっきも言いましたけど、結果をしっかり出すプレーが出来るところですね。自分のプレーを理解しているから出来るんでしょうね。頭脳派だと思います。すごい選手の中には感覚派の選手もたくさんいますが、玲央はしっかり考えてプレーしていますね。

—— それは意識しているんですか?

岸和田:全然していないです。

—— 今年のサンゴリアスの変わったところはどこですか?

伊勢田:やっぱり今までみたいにAチームとBチームを分けていないので、モチベーションがしっかり維持できています。それがいろんなところでいい影響を及ぼしてると思います。今まで僕はずっとBチームだったんで、そういう意味での負け癖のようなものがついてたんですが、それがなくなりました。

岸和田:みんなラグビーを楽しんでやってますね。練習の時間もしっかりスケジュール通りに行われますし、毎日の練習をみんな100%でやってるんで、上達もしますし、試合でも出せているんだと思います。今は試合より練習の方がきついって感じですね。

◆「あのメンバーが切り開いた」(岸和田)

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—— 今シーズンの序盤に2敗したことはどう見ますか?

伊勢田:あれは、今まで4年間、同じやり方でやっていたので、まだ今年のスタイルに移行している最中だったんですね。春からずっとやってきたことが、まだみんなの中に落とし込めていなかったんだと思います。

岸和田:全員の意思統一がまだ完全ではなかったですね。

—— それが試合を重ねる毎に浸透して行った感じですか?

岸和田:そうですね。全員の意思統一と同時に、自分たちのやるラグビーをみんなが信じてやれるようになったので、そこでまたひとつステップアップしました。

—— きっかけが何かあったんですか?

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伊勢田:サテライトのクボタ戦ですね。後半はすごく良くなって、エディさん(GM兼監督)も言っていました。

岸和田:あの試合に出たメンバーが、切り開いてくれたと言ってくれました。

伊勢田:僕は前半しか出てなかったですけどね(笑)。

—— 今年はフィットネスが強みだと思いますが、だいぶ絞りましたか?

伊勢田:僕は13キロ痩せました。

岸和田:僕は体重というよりは、体脂肪が一桁になりました。それでウエイトもすごくやっているので、筋肉もだいぶついたので、体重は去年よりないんですが、去年以上のパフォーマンスが出せている状態です。

伊勢田:僕はそんなに筋肉質ではないので...。でも、怪我を全然しなくなりました。去年までは常に怪我を抱えてるような感じだったんですが、今年はそれもないので、すごく走れてる感じがあります。ラグビー人生でいちばん走れていると思います。

◆「2キャップな2人」(伊勢田)

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—— 今後の岸和田選手に期待することは?

伊勢田:センターにはライアン(ニコラス)も浩二(平)もいますけど、いつ怪我をするかも分からないですし、虎視眈々と万全な状態で狙っていてほしいと思います。

—— 先輩の伊勢田選手へ期待することは?

伊勢田:いやいや、試合に出てるのは玲央ですから、玲央が先輩ですよ。いま何キャップ?

岸和田:2キャップです。

伊勢田:あ、じゃぁ一緒じゃん。今回のタイトルは「2キャップな2人」で決まりですね。でも実は、僕は3試合メンバーに入っているんですが、1試合リザーブのままでなかったので、2.5試合ということで、僕の方がまだ少しだけ先輩ですね(笑)。

岸和田:ヤマさん(山岡)も青さん(青木)もいる厳しいポジションですが、黙々と練習していればチャンスが巡ってくると思うので、そのチャンスが来たら伊勢田さんらしいプレーをして、サントリーを支えるような選手になって欲しいです。

—— キャラクター部門ではどうですか?

岸和田:キャラ部門を引き継ぐのは啓希(宮本)です。ね、先輩?

伊勢田:是非やってもらいたいと思ってます。ちょっとの笑いと、盛り上げができればいいと思います。みんなが殺伐としてるより、にこやかな雰囲気の方が好きなんで、そういう雰囲気作りをしていってほしいです。

—— 次のダブルスの指名をお願いします

伊勢田:どうしようか?曽我部と成田は?

岸和田:2人とももう出ましたよ。僕は啓希を推薦します。

伊勢田:啓希かぁ、あいつ太鼓持ち芸人だからな。じゃぁ同志社つながりでザキさん(尾崎)は?ザキさんと啓希でお願いします。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)
[写真:長尾亜紀]

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