SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2010年1月 7日

#187 金井 健雄 『"底なし"ということはもっと成長しなきゃいけない』

◆フィールドで動ける

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—— シーズン後半、1番に定着していますね

スタメンで出るのは初めてなので、「出たい出たい」とアピールはしていたんですが、こういう形で出ることになって良かったです。1試合目はめちゃめちゃ緊張していたんですけど、2試合目からはBチームの試合の様な感じで、いつも通りのモチベーションで臨むことが出来て、自分のプレーが少しずつ出せてきているかなと思います。

—— 自分のイメージしていた通りのAチームでの試合という感じですか?

そうですね。

—— 2番から1番に抜擢されましたが、1番としての自分の良さは何だと思いますか?

やっぱりフィールドで動けるということがいちばん良いのかなと思っています。シーズンが始まってからずっとエディーさん(ジョーンズ/GM)に「仕事の量を増やせ」とか、「もっと精度を良くしろ」、「ボールキャリーの回数をもっと稼げ」ということをずっと言われ続けてきて、そういった部分も出来るようになってきているので、少しずつ自信がついてきています。

—— エディーさんには慶應の時から見てもらっているんですか?

慶應の時から見てもらっていましたが、慶應の時はチームとしてのスクラムとかを見てもらっていたので、個人的にはあまりどうこう言われませんでした。

—— プロップと言うとスクラムというイメージですが、それ以外のところをいろいろ教わっているんですね

主にそうですね。慎さん(長谷川コーチ)にはスクラムのことを言われ続けています。スクラムはまだ経験の浅さなどが出てしまう部分があるんですが、少しずつ組めるようになってきています。練習でしっかり組んで、試合でも組んでいるので、数をこなせていて、良くなっている実感はあります。

◆試合に出ること

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—— 1番をやるのは初めてですか?

1番は大学時代もやっていたんですが、スポット的に「怪我人が出て人がいないからやってくれ」ということだったりで、大学時代は基本的に2番でした。

—— 3番はどうですか?

3番も同じですね。人がいない時にやっていましたが、大学時代は公式戦では3番の方が、どちらかというと多かったかもしれませんね。

—— 2番へのこだわりはありますか?

こだわりというか、2番の方が楽しい部分とかもあるんですが、まずは試合に出ることが重要なので、試合に出て、そこからどうしていくかが勝負なので、試合に出られるのであれば、どこでもやろうと思っています。

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—— フロントローがすべて出来る選手は珍しいと思いますが、どうして出来るんでしょうか?

もともと高校の時に3番と8番をやらせてもらっていて、結構そこでスクラムを組み込んでいて、それで大学に入ってフッカー(2番)に移ってずっとやっていましたが、「1回やってみろ」と言われてやってみたら、多少の違いはあったんですが、そうやってるうちに出来るようになっていました。

—— 「全部出来る」というだけでなく、どのポジションでもトップレベルでジャパンにも選ばれるということは凄いことだと思います

全部がトップかは分かりませんが(笑)。

—— ジャパンでは2番だったんですか?

そうですね、JK(ジョン・カーワン ヘッドコーチ)にも「お前は2番として見ている」ということを言われて、1番はほとんどやらせてもらわなかったですね。試合で1番の平島さん(久照/神戸製鋼)が抜けた時でも、自分ではなくて、3番のリザーブが入って畠山が1番をやったりしていたので、そこで1番としては見られてないんだなと思って、少し悔しかったです。

—— では、いま1番で出場していてアピールしているところですね

見せつけ中です(笑)。

◆先ずはスローイング

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—— JKとはどういう話をしましたか?

フッカーに関しては、まずはスローイングだと言われ、そこを上手くして、仕事が出来るようにしています。

—— スローイングは得意ですか?

初めはそうでもなかったんですが、最近は自信もついて来ています。けどまだチームからは信頼を得られていないと思います。

—— それは曲がってしまったりということですか?

曲がったりすることも、去年に比べたらだいぶなくなってきたと思っています。

—— なんでフッカーになったんでしょうか?

大学1年生の時に、新人の早明慶の試合があるんですが、そこで人がいなくて、お前やれって言われてやったのがきっかけですかね。

—— 偶然なんですね

そうですね。

—— どこが面白いと思いましたか?

スクラムも自分でリード出来るし、ラインアウトも自分のスローイング次第じゃないですか?責任がたくさんあって、フィールドでも結構動けますし、やりたいことが出来てそれに責任もある、頼られるポジションというところも魅力がありました。

◆素の力

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—— 調子はどうですか?

調子は良いです。

—— 気を付けていることはありますか?

食べ物は出来るだけ油ものは食べないようにしています。あとは今年はコンディショニング面でいろいろ管理されているので、去年より、素の力がついたなと思います。

—— 今日のミーティングでも"底なし"(の魅力・能力を秘めているの意)と言われていましたね

"底なし"ということは、まだ何も身についてないことでもあるんです。もっともっと身につけて成長しなきゃいけないですね。

—— 油ものに気を付けているというのは、太らないように気をつけているんですか?

体重のことではなく、出来るだけ消化の良い物とタンパク質、炭水化物をこまめに取るようにしています。

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—— 仕事との両立はどうやっていますか?

やっぱり仕事はやらなきゃいけないことはやらなきゃいけないので、仕事の合間で食べられるときは食べたり、30分あればできるだけ体を休めたりしています。

—— ジャパンで印象的だったことは?

相手が国外ということで、見る目が変わったということですね。今までずっと日本でやってきて、見るものが日本だったんですが、それが国外に代わって、世界に対して自分たちがどれだけできるかと考えるようになったことですね。昔は外国人というだけでビビっていたところがありましたが、それがなくなりましたね。デカイ外国人とやる、それが当たり前になって、その中でいかに活路を見出すかということですね。

—— 活路は見えていますか?

少しは見えています。日本人と外国人でぶつかったときに、少し後退するのは仕方ないと思います。その部分で押されているからと言って焦るのではなく、ターンオーバー出来た時の切り返しだったり、相手がここまでしてくるだろうということを前提にしてやっていれば、それなりに戦えると思います。

あとは日本はまとまっているので、モールやセットプレーをしっかりやって、陣地を取ってしっかりディフェンスしていれば、そんなに負けることはないと思いますし、チャンスは絶対来るので、そこをしっかり掴めれば勝てると思います。

—— サントリーに帰ってきてもその辺は活かせていますか?

チームに落とせているかどうかは分かりませんが、自分の中では接点だったり、入るスピードだったり、そういう細かいところは気を付けています。

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◆ホンダ戦は嬉しかった

—— 今シーズンの印象的な試合は?

今年初めて出られたホンダ戦は嬉しかったですね。初めて出られて、トライも取られて、大学で一緒にやっていた山田(章仁)と戦えたということもあります。そういう面で出て良い流れになって、自分の気持ちが上向きになったゲームでした。

—— 大学ではキャプテンでしたが、サントリーでは少し大人しいように思えますが

そうですか(笑)。少しずつ意見は言えるようになってきましたが、まだまだですね。もう少し確固たる地位を得てからガンガン言いたいと思います(笑)。

—— 言葉より行動で示すタイプですか?

どうですかね。けど言葉の方が好きですかね。学生と社会人では違う部分もあって、社会人では調和とかという部分があるので、難しいですね。でももう2年目なんで引っ張っていかなきゃいけないですね。

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◆フィールドもスクラムも強く

—— 今シーズンの目標は?

まずチームの目標は優勝なんで、その優勝する試合にスタメンで出ていることと、サントリーのレギュラーとして、他のチームの同じポジションには絶対負けちゃいけないと思うので、No.1を目指して頑張ります。体が小さいんで、「あいつはフィールドは良いけどスクラムが弱い」と言われないように、両方とも強く、文句を言わせないようなプレーヤーになれたらと思います。

—— 足は速いんですか?

前は速かったんですけどね、今は...(笑)。

—— 重くなったということですか?

みんなが速いんですよね、重くなったのかもしれませんが(笑)。

—— 先の目標はありますか?

日本代表に11月は呼ばれなかったので、もう1回チャレンジしたいです。日本代表にはなれなきゃいけないと思っているので、その先、日本代表の正ポジションで海外のチームと対等に戦えるようになりたいですね。それから今のチームで世界ランキング10位以内に入れると思うので、そこを目指して戦いたいです。やっぱり強くないとメディアとかにも取り上げてもらえないので。

—— その時のポジションは1番? 2番?

出られる方で(笑)。出していただけるならどこでもやります。こだわりはありませんと言うと、慎さんに怒られちゃいますが(笑)。慎さんは1番メインで行けと言っています。なので1番をメインにやっていて、2番をやれと言われても困らない様な準備をしています。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)

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