SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2010年1月 7日

#186 野村 直矢 『試合に出て優勝』

◆蹴シュン

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—— シーズンも大詰めになってきましたが、調子はどうですか?

調子はいつも良いです。あまり調子っていうことを考えないですね。最近すごく良いとか、ここのところだめだなぁとか、そういうことって僕はあまり考えないんです。考えないっていうか、昔からいつも“普通”です。

—— 練習はどうですか?

練習もいつも良いというか、練習でやったことを試合で出せています。

—— 試合の時に手に何か書いていますが、何を書いているんですか?

今日(11節ヤマハ戦後)は「蹴シュン」と書いてあって、「けるしゅん」と言っているんですが、キックを蹴る瞬間のインパクトを意識していて、大振りで蹴らないで、インパクトを大事にしようと思っているので、見るたびに意識できるように書いています。

—— マン・オブ・ザ・マッチも取りましたが、尻に火がついてきましたね

え?火って?何ですか?

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—— では、尻にピシがついてきましたね(笑)

そうですね(笑)。ピシが復帰してきましたね。あんなに良いスタンドオフがチームにいて、すごく刺激になります。見ているとベースというか、シンプルなことを普通にこなしてきますよね。僕なんかは、ビデオを見ていてもそうですが「あ~、やっちゃったよ」みたいなプレーが時々あるんですが、ピシはそういうプレーはしませんよね。シンプルなことを普通に淡々とこなしますね。

—— 「やっちゃったよ」というプレーは、例えばどういうプレーですか?

キックをチャージされたり、ボールをこぼしたり、ボールを運ぶ方向を間違えたりというところです。いまボールが動きすぎているから、シンプルに強いところで行った方がよかったとか。そういうのがピシはないですね。

—— それは何がその要因だと思いますか?

何でも精度が高いんですよ、パスもキックも。

—— それが出来るようになるのが目標ですか?

そうですが、僕にも負けないところがあるんです。

—— 何ですか?

それは聞かなくて良いですよ(笑)。負けないところがあると思っています。違う味を出せるところがあるんじゃないかと思ってやっています。

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◆マン・オブ・ザ・マッチ

—— 精度を上げるということに関しては、取り組むべき課題という感じですか?

そうですね。でも僕も4年目ですが、1年目、2年目の時はほとんど何も考えずにただやっているだけでしたが、3年目に怪我して手術してほとんど試合に出られずにいました。今年はグラウンドに出る時もしっかりイメージして出られるようになりましたし、シーズン中で毎週試合が続く時は、相手の試合をビデオを見てイメージしてからグラウンドの練習に入るし、自信を持って臨めるようになりました。今年はこの前のリコー戦(10節)だけがあまり良くなかったくらいですね。そこだけですね。

—— その原因は?

最初に点を取られて、その後、差を開けられなくて、焦ってしまい「上手くやろう上手くやろう」と思って、しっかりとしたマネジメントが出来なかったなという感じが残っています。

—— その反省を次回に活かせてるんですね

日々勉強です。

—— マン・オブ・ザ・マッチを取った8節のNEC戦は絶好調でしたか?

普通です。あれが“普通”の僕なんです。あれはトライを取ったタイミングが良かっただけですね。

—— トライはやっぱり気持ちが良いですか?

自分がトライを取るより、トライをさせるプレーの方が気持ちいいです。

—— 今年はトライをさせているという手応えはありますか?

NEC戦のザワさん(小野澤)のトライの時は、そういう良いイメージがありましたね。

◆もっと堂々と

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—— このスピリッツ・オブ・サンゴリアスのインタビューが回ってくるのが「遅い遅い、タイミング逃してる!」と急かされましたが(笑)

(笑)タイミングってあるじゃないですか。マン・オブ・ザ・マッチを獲ってすぐとかが良かったですね。今日の試合(11節ヤマハ戦)ではリザーブですから(笑)。「あれ、タイミング逃したんじゃないかな」と思っていました(笑)。

—— マン・オブ・ザ・マッチを取った試合の直後であれば、もっと違うことを言ったということですか?

もっと偉そうに言えたというか(笑)、堂々と言えたと思います。

—— 去年怪我で苦しんで、今年は10番をつけて試合に出る機会が多いですが、気分としてはどうですか?

やっぱり10番をつけて出る時は、サントリーの10番をつけているんだというプライドを持ってゲームに臨んでます。

—— サントリーの10番に相応しいプレーをしてきたという実感もありますか?

やれている時もありましたし、ダメな時もありました。ムラがあるというか、それをなくしたいというのがさっき言ったことにもつながります。

—— ノムラですね(笑)

ノムラだけにムラがあるんですよ(笑)。

◆何がってディフェンス

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—— 今年は比較的メンバーが固定されていて、ジョージ・グレーガン選手と一緒に組む機会が多いですが、9番と10番を組んでみてのグレーガン選手はどうですか?

凄いですよ。何がって、ディフェンスがすごく助かります。僕のインサイドにいるのはいつもジョージで、普通の人の2倍のディフェンスの仕事量をしてくれるので、内側を切られても「ジョージいるよ」っていう感じです。僕の対面の奴がまっすぐ来ても、それはジョージが見てくれるので、僕はその外の奴まで見れるんですよ。そういう部分もあります。

あとはマネジメントに関しても凄いですね。この時間でこの点差でこのポジションだから、しっかりタッチに出せとか、相手陣に行こうとか、ここはしっかり攻めようとか、助けられています。

—— コミュニケーションに問題はないですか?

そうですね、ジョージにカッとされちゃうと英語でバァーっと言われちゃうので、「イエスイエスイエス」みたいになってしまいますが(笑)、練習でやっている場面しか試合ではないので、練習でもいつも話しますし、ミーティングでもコミュニケーションを取りますし、試合の前も試合の後もたくさん話しているので大丈夫です。

—— グレーガン選手がカッとなるのはどういう時ですか?

上手くいかない時ですね。ハーフ団のところで上手くいかなくなっている時ですね。

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◆今は10番にこだわって

—— チームの調子はどうですか?

今日のヤマハ戦もいい試合をしたと思います。ヤマハもホームのラスト試合で気合が入っている中、そういう部分でも負けないサントリーのラグビーが出来て、良い形が出せて、もう優勝しかないですね。その優勝の時の最後のグラウンドに立っていたいですね。

—— 今シーズンが始まる前に目標は立てましたか?

いつも全試合出たいと思っています。開幕戦はリザーブだったんですが、最後まで出られなくて、「開幕から出れないのかよ」と思いました(笑)。すごく風も強くて難しいゲームだったんですが、相手の神戸の10番(森田恭平)とは大学の同期で、やりたくてやりたくて仕方なかったです。

—— 神戸の森田選手とは法政大学時代の同期ということで、大学では同じポジションだったんですか?

法政では僕が12番であいつが10番でした。大学の時はチームが強くなるんだったら僕は10番でも12番でもどっちでもいいと思っていたんですが、今は10番にこだわってやっています。

—— 開幕戦を除いては、これまでは一応目標通りに来ているわけですね?

そうですね。けどやっぱりゴールは“試合に出て優勝”です。まだまだですね。

—— もう大人になったので、荷物を放っぽって帰ったりしていないですか(笑)?
少年サンゴリアスVol.16“『直矢かばんは?』『捨てて来た』”参照

鞄ですか?ちゃんと持って帰ってます(笑)。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)

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