2009年10月28日
#178 長谷川 圭太 『頑張れるときに頑張ろう』
◆去年は重すぎた
—— 今シーズン、開幕からずっと1番で出ていますが、メンバー発表の際に、いちばん最初に呼ばれるのはどういう気持ちですか?
「長谷川」っていう名前が出てくるまでは、毎回ドキドキしています。
—— 呼ばれた後は、試合までの間はドキドキしないんですか?
そうですね、あまりドキドキはしないです。プレッシャーは感じます。慎さん(長谷川コーチ)がいろいろプレッシャーをかけてきます。「金井が来てるぞ」とか(笑)。もろプレッシャーをかけてきます。
—— 長谷川コーチとしては、「安泰だと思うなよ」ということでしょうね
そうでしょうけど、安泰だなんて一度も思ったことはありません。
—— ずっと1番をつけている今の調子はどうですか?
調子はいいですよ。体自体の調子がいいので、今までよりは安定してパフォーマンスを出せていると思います。
—— それは、体が軽くなったということですか?
その通りです。
—— どのくらい軽くなったんですか?
今112kgくらいなんで、10kg以上、13kgくらい軽くなったと思います。
—— 今の体重がベスト体重ですか?
そうですね、今くらいがちょうどいいです。
—— 今までは、自分のベスト体重を探していたんですか?
太り気味だなとは思っていましたが、自分のベスト体重がどれくらいかどうかを自分で把握できていませんでした。どこまで落とせばいいとか、そういうことをあまり考えてなかったです。それで去年は体重が重すぎて自分のパフォーマンスがぜんぜん出せなくて、慎さんに「オフの過ごし方を考えろ」と言われ、オフにもトレーニングをしました。体質を少しずつ変えていこうかなと思って取り組みました。
—— 今までのオフはどうだったんですか?
今までは、オフになると体重が増えてしまっていたんですが、今年は逆に体重を落として、シーズンが始まってからも食事をコントロールしています。いい減り方をするように、出来るだけ筋肉を減らさず、脂肪だけを落とすように意識して春からやっています。
—— 自分の感覚としては、どの辺が違うんですか?
走っていて、一歩一歩が違いますね。ジョギングするにしても、以前は走ることすら嫌だったんですが、今はだいぶマシになっています。軽く走れるイメージです。
—— 足が速くなっているんですか?
瞬発力はどうかわかりませんが、持久力は明らかについてますね。
◆すぐ身近に引退
—— それから約1年で成果が出たということですね
そうですね。3月に前田がいなくなってからですね。「前田の分も頑張ろう」とは言いませんが、頑張らないとサンゴリアスでラグビーが続けられない危機感が強くなった。自分を奮い立たせる要因になっています。
—— 今シーズン怪我なく来ていますが、体のコントロールがうまくいっているんですか?
そうだと思います。今までは1年に1回は結構大きな怪我をしていたので、今年は今まで怪我なしなので、それはたぶん体が軽くなって、膝や足首にかかる負担が減ってきたんだと思います。
—— 先発で試合に出るようになって、見え方が変わってきたことなどはありますか?
1回1回の練習で、他のメンバーに絶対負けないようにと思うようになったので、緊張感を持って練習に臨んでいると思います。
◆先発で出つづけたい
—— 試合中はどうですか?
試合中は必死なんで、そういうことはあまり考えてないですね。ただ一生懸命やっているだけです。
—— 試合中のパフォーマンスはどうですか?
まだたくさん課題はあります。相手によってスクラムが上手く組めたり組めなかったりとか、あとはもっと走らないとだめですね。まだまだ課題だらけです。
—— 今シーズンの目標は?
このままずっとシーズン通して先発で出つづけたいと思います。
—— 課題は?
スクラムを安定させることと、もっと強度の高いランが出来るようになって、ワークレートを上げたいと思います。
—— 今年、印象的な試合は?
良いプレーはそんなに出来ていないんですが、スクラムをターンオーバーした時のイメージや、スクラムが起点になってトライになったシーンはよく覚えています。逆に開幕戦はゴール前のスクラムで、僕が前に出られずにトライを取られたところがあったんで、それは嫌な思いです。
—— 精神的に変わったところはありますか?
妥協していたわけではないですが、常に自分に負けないように緊張感を保っているようにしています。
—— ファンにメッセージをお願いします
サントリーの1番と言ったら、まだ長谷川慎さんだと思うので、早く長谷川圭太の方を認識してもらえるように頑張っていきます。応援よろしくお願いします。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)