2008年1月 9日
#131 佐合 佑太 『トップリーグの舞台に出たい』- 2
◆ずっとロック

—— 高校1年の頃からレギュラーで試合に出ていましたか?
本格的に出始めたのは2年生に入ってからですね。
—— ポジションは?
ロックです。
—— では、ロック一筋ですね。
そうですね。3年生の頃にフランカーを少しやりましたが、ずっとロックですね。
—— 面白くなってきたのはいつ頃ですか?
試合に出られると、徐々に自分でどうすべきか考えるようになって、自分の思う通りにできたりすると嬉しくて、楽しかったですね。例えば自分がギャップを見つけて、そこに走り込んだ時にボールがもらえて抜けられたときとか、タックルが決まった時とかですね。
—— ぶつかることへの怖さはありませんでしたか?
最初は怖さもありましたけど、すぐに慣れましたね。
—— チームは強かったんですか?
そこまで強くはなかったですが僕が3年の時に、花園に行った千種高校に1点差、7-8で負けました。愛知県はチーム数が多くて、県大会の前に地区予選があるんですけど、そこで負けちゃいました。
—— 大学でもやろうと思っていましたか?
そうですね。高校3年に上がる頃に骨折をしていて、プレーは出来ていなかったんですが、愛知学院大学の監督に紹介してもらって、採っていただきました。


◆悔しい思い出しかない
—— 大学ではどうでしたか?
大学では一応1年生の頃から試合に出させて頂きました。最初はロックでしたが、2年生からナンバーエイトをやって、最後はロックかエイトかという感じでした。
—— 印象に残る試合とか出来事は?
僕が入る前に大学選手権に行けそうだったんですが、決定戦で負けて、それ以来、大学選手権を目標にやっていて、僕が3年の時が在学中いちばん強かった時期なんですが、強豪チームに3点差とか1点差とかで負けて、悔しい思いをしました。大学の時は悔しい思い出しかないですね。
—— キャプテンなどはしましたか?
4年の時にバイスキャプテンをしました。
—— リーダーは向いていると思いますか?
あんまり向いていないんじゃないかなと思います。人にものを伝えるのが下手なんですよ。喋り方がダメなんじゃないですかね。自分の中で感覚は持っているんですが、それをどう言葉にしたらいいか、難しいですね。
—— ラグビーは表現が大事ですよね
そうですね。コミュニケーションは積極的にとっていかないといけないですね。
—— 仕事も営業?
そうです。
—— では仕事でもそこを磨くことができますね
はい、まずは自分を成長させなきゃダメだと思っています。スキルの部分でもコミュニケーションの部分でも、もっと周りと話していい方向に持っていかないとだめですね。言われたことだけやっていても、動きも固くなってしまいますし、言いたいことは言った方がいいですよね。
—— 大学で面白かったことは何ですか?
1年生の時に4年生にすごく上手い先輩がいました。とにかくその先輩を目標にやりました。足が速くて、走りまわれて、体もデカくて強い理想の選手という感じの先輩だったんですが、今もトップリーグでやっているサニックスの伊達肇選手です。最初は先輩について行こうと思ってやっていて、プレースタイルもちょっと似てきて、楽しくなってきたんですけど、途中でやっぱり自分のプレースタイルは違うんだと思いました。周りからも「お前はもっとガツガツ行った方がいい」と言われました。
◆スピードを落とさない

—— サントリーに入ることになったのは?
怪我をしていた時期にそういう話になりました。大学のコーチが清宮さんの高校の後輩ということで、その繋がりがあって、大学でも夏合宿で早稲田と一緒に練習させてもらったりしていました。話を聞いてもらえないですかということでコーチが話したところ、清宮さんが「じゃぁ、連れて来い」ということで、自分のプレーのビデオと履歴書を送って面接して、ものの30分か1時間位話して、「決めるか」ということで採用していただきました。
初めはトップリーグでやりたいと思っていましたが、どこのチームというこだわりはなくて、他にも話をしたチームもあったんですが、まともに話をしてくれたのはサントリーだけでした。
—— 実際入ってみてどうですか?
入ることが決まってからマイクロソフトカップや日本選手権の試合を見ていたんですが、本当にこのチームでやっていけるか不安でした。不安だらけでした。
—— 不安は解消できましたか?
今も不安です(笑)。
—— 調子はどうですか?
怪我をする前の状態に戻ったというところです。まだまだこれからですね。
—— 大学と社会人、どの辺が違うと感じますか?
見た目がまず違いますね。体格でもスキルでも。あとは激しさですね。体を当てるだけで全然違います。今体重は95~96kgですが、目標100kgでウエイトをやっていますがスピードを落とさないように気をつけています。
—— スキルの方はどうですか?
スキルの面は感覚的にまだ戻っていない部分があるので、そこ戻さないといけませんね。数をこなして徐々に戻すしかないですね。


◆ポジションにこだわりはない
—— 今シーズン、まだ試合がありますが目標は?
1試合でもトップリーグの舞台に出たいと思っています。
—— ポジションは?
ロック、フランカー、ナンバーエイト、何でもいいです。ポジションにこだわりはなくて、それぞれのポジションに与えられた仕事があるので、それをしっかりこなすことが大事だと思っています。
—— ご両親は応援に来ますか?
近い時は来てくれます。父親はバスケをやっていました。今年50歳くらいですかね。
—— ファンに向けたメッセージをお願いします
無名で名前も知らない人もいると思いますが、頑張りますのでよろしくお願いします。ラグビーでは無名の大学出身の先輩、朗さん(浅田/副務)ともよく話すんですが、朗さんも最初は「トップリーグでやっていけるのかな」って思ってたと言っていて、「僕もそう思ってるんですよ」って話をしました(笑)。名前負けしないように、出身校のためにも頑張っていきたいと思っています。


(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)
[写真:長尾亜紀]