SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2007年6月14日

#92 サイモン メイリング クラシック・オールブラックスで日本と対戦 『頭を使ってレベルを上げる』

◆クラシックはこれが初めて

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—— クラシック・オールブラックスで2試合ともフル出場してトライ、楽しかったですか?

楽しい1週間でした。ニュージーランド人のチームでやるのは久し振りでしたが、ニュージーランドにいた頃は、全員とは一緒にプレーしなかったんですけど、ほとんどの選手と一緒にプレーしたので、昔の友達とかとプレーできるのは凄く楽しかったです。あと「クラシックス」という名前のもとでプレーすることも、とても楽しかったです。そういう意味で凄く良かったです。

—— 「クラシック・オールブラックス」というチームで集まったことは、初めてなんですか?

はい。これからはこういう形で集まる、ということが何回も、あるいは毎年あるかも知れませんが、これが初めてです。まだ第一段階が終わったばかりですから、次の段階はこれからですけれど、今後ラグビーのプロモーションとして、毎年やっていこうという試みも考えられているようです。

—— 2試合ともフル出場することは最初から決まっていたんですか?

そうなるとは思っていなかったんですけど、みんなが日本に着いてチームが集まった時に、そういうことだと知りました。

—— でもずっとニュージーランドへ帰っていて、あまりまだトレーニングしてなかったんでしょう?

(日本語で)してな~い(笑)、ランニングだけ。時期的にあまりやりすぎちゃってもいけないので、ランニングも2週間前からは抑えめにしていました。

—— それでもこの役目を担ったのは、クラシックスの中でも若いからですか?

若いってこともたぶんあったでしょうけど、でも大事なポジションの選手はずーっとプレーしてほしいという話もありました。チームとして2日間しか準備する時間がなかったので、みんな代えてしまったらグチャグチャになっちゃいますしね。

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◆ALIVE コール

—— チームメイトのプレーのできはどう思いましたか?

ヨーロッパから来た選手たちは、3週間前ぐらいにシーズンが終わりましたが、その週末までずっとプレーしていた選手もいたのでフィットネスも良かったですが、日本にいる選手たちはずっとプレーしてなかったと思います。

—— 対戦した日本チームはどうでしたか?

意識が統一されていて、強いチームでした。それで期待していた通りの、凄くいい試合ができました。

—— サントリーの代表選手たちはどうでした?

あまり対面する場面がなかったんですが、青木(佑輔)と隆道(佐々木)から「ALIVE!」と言われて、どっちかが「ALIVEコール」をし合ってるような状況もあって、僕も含めていつも「ALIVE」している選手同士で冗談を交わしたという感じでした(笑)。

平(浩二)は疲れ過ぎてて、そんな余裕はなかったですね。小野澤(宏時)は触ることができない選手なので(笑)、試合中はかかわりは少なかったですね。

—— またクラシックスが結成されたらドンクは参加したいですか?

ぜひやりたいです。

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◆ドンクは 007 から

—— クラシック・オールブラックスの中でも「ドンク」と呼ばれているんですか?

ドンクと呼ぶ人もいますし、呼ばない人もいます。ニックネームがいろいろありますから。

—— ドンク以外のニックネームは?

(笑いながら)「モン」、サイモンのモン。それから「ドン」、ドンクのドン。

—— 「ドンク」の由来は?

映画、映画館(と再び日本語で)。ダブルオーセブン(007)の映画。凄く古い映画で、007の中でも古いもので、そこに出てきた人に僕の友達が僕に似てると言ったんです。

——  その中に出てきたいい人?悪い人?(笑)

(日本語で)いい人(笑)。

—— ほんと?

(また日本語で)かっこいい人!(笑)。

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◆レベルを上げる

—— では話題をサントリーに。去年は「委員」というリーダー役でしたね?

(日本語で)少し、少し(笑)。日本語がちょっとダメね(これも日本語)。

—— 去年のチームは優勝してもおかしくないチームだったと思いますか?

東芝との試合に勝つべきでした。そしていちばん高いレベルでプレーはできなかったんですけど、勝ってもおかしくない試合でした。あの試合のあと少し間があって日本選手権でしたが、あの試合の負けから回復することができませんでした。相手のトヨタのメンバーは凄く元気で、サントリーもベストをつくそうといろいろと頑張っていたんですが、でも体が動かず結果を出せませんでした。

—— あの負けから今年に活かすことは何でしょうか?

去年と同じレベルでずっといってしまったら、足りないところがあります。去年のレベルを保って、もうちょっと頭を使って、他の部分のレベルを上げることだと思います。

—— 「頭を使う」とは、具体的にどんなことですか?

リーグ戦とファイナルとは戦い方が違います。相手もそれだけレベルが上がってきます。天気の影響ももちろんあります。両試合とも(トップリーグ決勝・東芝戦、日本選手権準決勝・トヨタ戦)強い風だったんですが、ずっとシーズン中はそういう環境がなくプレーしてなかったので、準備ができていなかったと思います。

風が強くなってきたら、どういうプレーをするべきかということを、知っていなければいけません。ニュージーランドですと天気がよく変わるので、すぐに風に慣れるんです。ときどきいい日もあるんですけど、ニュージーランドでは天気の悪い日が多く、50-50か60-40で悪い方が多いんです。

—— では経験豊富なドンクが、それをサントリーのみんなに教えてあげる役目もありますね

僕の仕事じゃない(笑)。コーチたちの責任です(笑)。まぁ自分の周りの選手には、そういうことを伝えることもできるんですけど。

—— 去年はサントリーに新人がたくさん入ってきてしかも活躍しましたが、ニュージーランドでもそういうことはよくあるんでしょうか?

ニュージーランドのルーキーは19歳、20歳ぐらいで、レギュラーは23~27歳ぐらいの選手が多いので、もちろんルーキーはいるんですけれど日本よりもっと若く、人数もそんなに一気には入ってきません。サントリーのルーキーたちは、2年目のジンクスがないといいですね。

—— ニュージーランドでは2年目のジンクスってあるんですか?

あります。1年目で結構うまくいっても、2年目で思ったようにプレーできないこともあります。サントリーの選手たちにもそういう可能性もあるでしょうが、よくあることなので問題ないと思います。どんなスポーツでもあることです。

◆ベストのプレー

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—— ドンクは今年11年目のプロシーズンを迎えますね

(日本語で)たぶん。

—— 今年の目標は?

優勝することです。

—— 個人的な目標は?

自分のベストのプレーを出して、チームに貢献することです。

—— 結婚は?

ノーノー(笑)。(日本語で)まだ、まだ(笑)。

—— 予定は?

(日本語で)まだね(笑)。将来的にはあります。

—— 日本はもう3年目ですね。

(日本語で)はい、はい。

—— 現役でまだどんどんやるんですよね?

はい、まだ何年かは残ってやっていると思います。

—— サンゴリアスでの日本語教室で外国人の中でいちばん熱心にやっているのではないでしょうか?日本語は上手くなりましたか?

(日本語で)少しだけ(笑)。レッスンはぜんぶ出ています。いちばん出てます。(日本語で)でも、覚えるペースは、遅いね(笑)。

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(通訳:ジェフリー・カトラー/インタビュー&構成:針谷和昌)

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