SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2007年1月30日

#74 ライアン ニコラス 『得点王はチームで獲得したもの』

ライアン・ニコラス 画像1

◆ チームとしてのパフォーマンス

—— トップリーグ得点王、おめでとう

ありがとう。

—— 最終戦では狙っていましたか?

リードしているのは分かっていましたが、狙っていた訳ではありません。得点王になったのはすごく嬉しいけれど、このタイトルはチームで獲得したものです。チームがたくさんトライを取ったから、キックのチャンスが増えて、自分が得点王になることができたと思っています。

—— 過去にこういう個人タイトルを獲得したことは?

ハイランダーズ(※1)でトライ王になったことがありますが、得点王というのは初めてです。

※1:ハイランダーズ
ニュージーランド/スーパー14参加チーム/本拠地=ダニーディン/
2005年順位=8位/最高順位=2位(1999)

—— 奥さんは喜んでくれましたか?

はい、とても誇りに思ってくれています。

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—— 1試合最多得点記録を作ったりもしましたが、今年の得点の中で最も印象に残っているのは?

はい、新記録を作りました。でも自分のトライやゴールよりも、チームとしてのパフォーマンスが最も印象に残っていることです。今年はみんな成長して良くなったし、それが外国人選手にとっては、一貫していいパフォーマンスを見せることができた要因だと思っています。そこがいちばん去年と違うところです。

フォワードが前へ前へと行くところとか、アグレッシブさとか、そういうことが自分のパフォーマンスの良さに繋がっています。自分の目標は常に高いレベルのパフォーマンスを維持することですから、今年は良かったと思っています。

◆メンタルな部分での準備

—— 高いレベルのパフォーマンスを維持するためにやっていることは?

いつも一貫してハイレベルなトレーニングができる状態にしています。ストレングスや、ちょっとしたスピードトレーニングとか、メンタル面の準備もそれぞれの試合の前夜から気持ちを高めたりして、自分でできることはなるべくやっています。とくにメンタルな部分での準備をしっかりやっています。

—— メンタルな部分の準備を具体的に言うと?

試合前に音楽を聴いたり、相手との関係で自分がやらなきゃいけないことを集中して頭に入れたりですが、特別なことはしていません。そうやって準備して、ゲームの時は気持ちがフラットな状態、つまりゾーンに入れるようにしています。

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—— 音楽はどんなものを聴いていますか?

アップテンポなものです。とくにジャンルはありません。

—— チームとして今年良くなった点を詳しく教えて下さい

去年はゲームプランの中で、フォワードのフォーカスが曖昧な面がありました。そこが曖昧だと自分としてはいいプレーができません。今年は清宮さんのコーチングもあるし、ルーキーたちが高いポテンシャルを感じさせるプレーを見せてくれています。そういうこともあって、自分のプレーも良くなっています。

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—— いま選手として自分のピークがきていますか?それともまだ成長し続けていますか?

ラグビーはコンタクトスポーツですが、しっかりストレッチしたりトレーニングしたりして、準備をちゃんとしていけば、ラグビー選手として経験豊富な状態となる20代後半に、1つのピークがくるのではと思っています。それと自分のパフォーマンスがどう見えるかということは、コーチのコーチングスキルと周りのプレーヤーの能力にもよります。

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もしプレーしているチームがサントリーでなければ、自分もそんなにいいプレーヤーには見えないかもしれません。サントリーのラグビースタイルは、自分のプレースタイルに合っていると思いますから、そういうことも関係していて、コーチが要求することに対して僕がプレーで応えることに、今はまったく問題ありません。

◆どっちのチームがより勝ちたいという意識で準備してきたか

—— 雨の東芝戦ではコンバージョンが入りませんでした

はい、寒くて足の感覚がない状態でした。言い訳したくはないですし、もっとよく蹴れた筈だったんですが、天候で足がガチガチになっていたことが、1つの原因ではありました。

—— 次回、同じ状況になった時の対策は?

何を変えるという訳ではありませんが、雨が降っても例え風があっても、次はもっとちゃんと蹴ることができるようにしたいと思っています。でも自分のルーティンが変わる訳じゃありません。難しいコンディションでもちゃんと蹴らなきゃいけないということです。

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—— 来年、日本代表になれる日本での3シーズン目が終わりますが、日本代表は視野にありますか?

2008年3月ですね。家族と相談しなければいけない問題ですが、自分としては日本代表に呼ばれれば行きたいと思っています。長いトップリーグのシーズンがあって、家族のために使える時間が少ないし、子供も小さく、バケーションも欲しいという気持ちもあるので、まず家族と相談しなきゃいけないと思っていますが、でも日本代表にはなりたいですね。

—— いよいよマイクロソフトカップです

自分たちがこれまでやってきた目標であり、プレーオフに残って勝つことが目標だったので、とても楽しみにしています。ベストの4チームですからいずれも強くていいチームなので油断はできません。リーグ戦と違って一発勝負、負けたらおしまいなので、どっちのチームがより勝ちたいという意識で準備してきたか、そこが勝敗を分けるのではないでしょうか。

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—— ライアンとしては自分のどんなプレーを見てほしいですか?

1対1で勝つところです。アタックでもディフェンスでも。それからラインブレイクのオフロードパス(※2)とか、そういった自分のいつものプレーを、高いレベルで見せたいですね。小さな怪我とかちょこちょこありますが、全体的なコンディションはいいので、期待していてください。

※2:オフロードパス
タックルを受けながら後方から走り込んでくる味方に繋ぐパス
タックルされながらのパス

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(通訳:新田博昭フィットネス&ストレングスコーチ/インタビュー&構成:針谷和昌)

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