2007年1月 5日
#70 小野澤 宏時 いざ府中ダービー! 『先頭に立って体を張る』
それはあると思います。
—— そうすると今度は「いい試合」の番になります
強い相手に対しては、モチベーションも含めて引き上げられるところがあります。逆にどこか「勝てる」と思える試合にはどこかに変な安心感があって、そういう試合は傍から見ててもスッキリした試合内容じゃないと思うんです。それがやっぱり皆わかっているんですが、結局そこに甘さが出てくるんだと思います。
—— 今度は自ずと引き上げられる試合で、どこがゲームのポイントになると思いますか?
今年はうちのチームは最初のミーティングから、相手の強みと言われる部分からも逃げずに、チャレンジしよう、アライブしていこうということだったので、もちろん相手の強みであるフォワード周辺、近場のディフェンス、モールというのもターゲットになってくるだろうし、うちの強みのスクラムもターゲットになってくると思います。そういう相手の強みを消してうちの強みを活かしていくところが、すべての局面で重要になってくると思います。NEC戦でもそうだったんですけれど、特に近場がポイントになってくると思ます。
—— バックス陣のポイントはどこでしょうか?
ここまでの11試合で、バックスが出てきたらうちが前に圧力をかけることは相手も分かっていると思うので、早い段階で飛ばしパスのようなプレーを出してくると思います。そうした時にそれに合わせたディフェンスで、かつプレッシャーがかけられるかどうかが重要になってくると思うし、相手のプレーに対してただダラダラっと流すだけじゃなくて、その中でプレッシャーをどうかけられるか、だと思っています。
向こうが出てこないで流してきたり、その時にオトとマクラウドが2人して飛び出てくるイメージがあるので、それをきっちり止めた状態で向こうが流してくるドリフトをどれだけブレイクできるかだと思います。
◆勝って反省する方が絶対にいい
—— 年末の鹿児島合宿でその辺りの練習は万全ですか?
鹿児島で練習した結果がきっちり出れば、いい結果が出てくると思います。フォワードはモールや近場の接点、ラインアウト、セットプレーの見直し、僕らはさっき言ったように、ドリフトをどれだけブレイクできるかという練習をしてきましたから。
—— 東芝とサントリー、精神面ではどっちがより「絶対負けられない」と思ってるんでしょう?
どっちもでしょう(笑)。
—— 今度の対決を含めて、あと3回あるというふうには考えませんか?
いやぁ、1試合1試合成長していって、最後に一番よければいい、というものじゃないと思うし、僕は選手なんで、負けていいと思った試合は今までないですから。やっぱり反省って、負けて反省するときよりも勝って反省するときの方が、絶対に雰囲気がいいですし、いろんなものを得られて、すごく前向きに自分のものにできると思うんです。
—— 東芝戦で自分のここを見てくれというところは?
毎回変わらないと思いますけれど、外にトライを取りに行く。相手が流してくると外のところは1対1だし、それでビビって内に切り返していくだけじゃなくて、1対1できっちり勝って、それで相手がさらに圧力かけて必死になってくれば、インサイドにもチャンスが生まれてきますから、僕は外側で脅威になるようなアウトサイドでいたいと思ってます。
◆やっと挑戦できる
—— ワールド戦では自分でそのままトライに行くかなというところでパスしましたね
僕が行っても取れるかなぁとは思いましたが、100%取れる方を選択しました。僕が行っても70から80%はトライになったと思うプレーでしたが、まぁ100%を選んでみました(笑)。
—— いよいよ明日が東芝戦です、心境は?
やっと挑戦できるなぁという気持ちがあります。ここ2、3年勝てなくて、2年前のマイクロソフトカップで当たった時は、当たって砕けろじゃないですけど、トップリーグで負けてすぐまたマイクロソフトカップの1回戦で当たったので、とにかくぜんぶ出すという、そういう漠然とした雰囲気でやっていました。去年はちょうどクジで一番離れて、それまでリーグ戦で連勝できなかったチームが2連勝して決勝で当たったんですが、もう少しいろいろと積上げていってチャレンジしたいなぁという感じでした。
今は近場でもフォワードが引かないようになってますし、みんなが個人としてアライブできています。最初のミーティングの前に皆から出た「東芝にあってサントリーにないもの」が、徐々にこの8か月の成長で、これはうちの強みになってんじゃないか、ということもあります。トヨタ戦とNEC戦では近場で勝つことができて、接点で圧力もかけられるようになっています。
今年はほんとにチャレンジする準備が整ったというか、ただ「やってやる」という投げっぱなしな感じではなくて、ほんとに勝つための準備をしてチャレンジできるなぁというところがあるので、ここまでやってきたものがあるという感じで、明日がすごく楽しみです。
(インタビュー&構成 針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]