SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2006年4月21日

#6 浅田 朗 『日本一になる時にグラウンドに立っている』- 2

◆中1の時に感じた気持ちが続いている

—— 印象に残る試合は?

先ずは2001年の日本選手権決勝です(※2)。試合中に脳しんとうを起こし、試合の終盤で意識がふっと戻って、今どうなってるのかな?と確認している間に試合が終わった。サントリー3年目で国立競技場での初めての試合で、緊張で記憶が飛んだとかではないのですが。

 ※2:サントリー 27-27 神戸製鋼(両チーム優勝)

あとは2000年の全国社会人大会決勝、花園で神戸製鋼と戦って準決勝で負けた試合です。30点差を1回サントリーが逆転して、ロスタイムで逆転トライされて負けた伝説的な試合です。ホントに疲れた.....。あの当時はキックを蹴らない方針で、どっからでも回してぜんぶ走りまくる。そういう練習ばかりしていました。あの時代のラグビーは物凄く印象に残っています。チームが強くなってきているのが目に見えて分かるくらいでした。
あの頃はチームも毎年レベルアップしてきた感じでした。その後の3年間、チーム成績も伸びず僕個人もイマイチな成績だったと思います。

—— そういう経験を積んだ今、改めてラグビーの面白さは何処にありますか?

今でも中1の時に感じた気持ちが続いています。自分でいいプレーしたのが分かるときは、その中1の時と同じ気持ちになります。それが面白いから、ラグビーをやっているんです。

新副将 浅田 朗_画像1

—— ご家族は試合にいらっしゃったりしますか?

うちの父は特にスポーツをやってなかったようですが、僕が大学4年の時にラグビーに興味を持ち始め、今やサントリーでは有名なお父さんです(笑)。大学4年の最後の時に、そんなに頑張ってるなら応援に行かなきゃ、と初めて来てくれたんです。大阪でやる時は母も来ます。父は試合をテレビで見ると、終わった後に電話で、あーやった、こーやった、と言ってきます。今やサントリーのラグビーだけではなく、日本のラグビー界のことまで心配しています(笑)。このままでは日本のラグビーはダメだ、でも、先ずはサントリーが強くなることだと。

◆先ずは優勝すること

—— 今年の目標は?

サントリーのラグビーは大好きですし、サントリーが日本一になって、それが日本のラグビーだってものを示して、初めて日本のラグビーがよくなる。サントリーはそういうことができるチームですし、でも先ず日本一にならないと変わらない。優勝もしないチームがそんなことを言ったら、何言うてんねん、でしょ。だから先ず優勝することです。

—— 独身ですか?

結婚しています。子供が6月に生まれるので、嬉しいです。最初は男だと言われて、こないだは、ごめん、女だ、と医者から言われているので、どっちだか分かりませんけれど。

新副将 浅田 朗_画像2

—— 仕事は?

飲食店チェーン担当の営業をやっています。面白いですよ。いろんな人が世の中にはいるんだというのが分かるし、そういう人たちと接していて、気持ちが通じた時が嬉しい。製品を買ってくれるというのは、僕を認めてくれるっていうことだと思いますから。ある程度、認められないと売れない、信頼に値する人だから買ってくれるんだと思います。

—— 趣味は何ですか?

趣味.....ラグビーが趣味です。それから本を読みます。暇があれば、いろいろなあらゆる本を読みます。小説、ビジネス書、名言集....。まだ読み方は浅いと思いますが。人で言えば、本田宗一郎、松下幸之助。読んでいて、あー、やっぱり人間が出来ているなぁ、人の上に立つ人は、ただものを売るだけじゃなくて、国の繁栄まで考えて取り組んでいる。大きくものを見ながらやらなければいけない、と教えられます。

新副将 浅田 朗_画像3

—— 最後にファンの皆さんへ

ラグビーって、やっぱり本当に面白いスポーツだと思います。ラグビーは人間がそのまま出る。もちろん身体能力の高い、低いはあるでしょうが、辛い時に頑張って走れる人、美味しいところを持っていく人、そういうところにその人の人間性がそのまま出るスポーツ。それを分かっているのがラグビーファンだと思うんですが、まだその数が少ないので、できるだけ多くの周りの人にこの面白さを伝えたり、語ったりしていってほしいと思います。

(インタビュー&構成 針谷和昌)

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