2024年4月24日
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『スタッフのお仕事〜チームマネージャー編』
こんにちは。カメラマンの長尾亜紀です。
早くも第3回を数えるこのコーナー。今回は主務の仲宗根健太さん、副務の村田大志さんのお仕事紹介です。
この日は府中朝日フットボールパークでのトレーニングだったため、朝早くから準備に奔走。
スタッフみんなで手分けしてバン2台にトレーニング器具などを詰め込みます。
到着したら屋内のウエイトトレーニングで使うものと外でのトレーニングで使うものに分けて運びます。プチトレーニングをしながら運ぶ仲宗根主務。笑
チームミーティングのために椅子を運んだり
空き時間でデスクワーク
全員でチームミーティングに参加した後は
外でのトレーニングのサポートや
トレーニングの映像を撮影したりと大忙し。
トレーニングが終われば後片付け
ひと段落ついたところで、この日はとてもいい天気だったのでみんなで外でランチ。ちなみに仁熊秀斗選手が着ているTシャツは自身がプロデュースするブランド「Monk」のもの。イラストもとても可愛いのでぜひチェックしてみてください!
サンゴリアスのグラウンドに戻って、用具を元に戻します。
そんな一日を終えた二人に改めて話を聞いてみました。
まず、マネージャーの仕事とは?という漠然とした質問から・・
村田:全部に関わってますよね。手配とかもそうだし。
仲宗根:マネージャーの仕事っていうのを、サンゴリアスの選手もスタッフも全部は見えてないんじゃないんですかね。ほとんど見えてないと思います。自分でも何してるかわからない(笑)。でも他のチームのマネージャーの人と話をするとめちゃくちゃ盛り上がります(笑)。マネージャーならではの悩みというか共感できる人がなかなかいないので。愚痴ではないですけど(笑)
一日の仕事の流れを教えてください。
村田:一日の始まりは、まずパソコン開いて・・皆さんと同じです(笑)。
仲宗根:自分たちの試合の準備とかのルーティンワークに加えて色々飛び込んでくることが多いので、何か壊れたらそれに対応するとか、何かが起きた、遠征で足りないものがあるとなったらその対応とか。例えば遠征先で練習したいとなったら遠征先の自治体と連絡取ってコニュニケーション取らないといけないですし、決まった仕事の中にも何かに対応しなければいけない幅がすごく大きいかなと。でもそれはすごくいいことで、例えば(山本)敦輝が新入社員として入ってくるとなったら、社内の人事部やキャリア開発部と連携を取って、研修先にウエイトトレーニング用の器具を持ち込んだり栄養士と繋いで食事の対応もしてもらったりとか。試合の時は宿泊先のホテルの方や試合会場で相手チームの担当者と連絡し合ったりとか・・毎日の決まった仕事の他にフレキシブルな仕事が飛び込んできます。グラウンドが固いという選手の声が聞こえてきたら、施設を管理している会社や日々芝のメンテナンスをしている会社の方と話したり。けど皆さんサポートしてくださる方ばかりなので、ありがたいなと思います。
マネージャーってこんなことまでやってるのかと思ったことはありますか?
村田:全部ですね。ここまで細々こだわってやっていたのかと。僕は見えていない方がいい仕事ができている感覚があって。他の人からマネージャーがすごく動いているって見えない方がいい仕事できてるかなって思うので、今思うと僕はすごくラグビーに集中させてもらっていたんだなと思うし、そういう意味ではその時のマネージャーだけではなく、その他のスタッフも含めていい環境を作ってくれていたんだなと改めて思うし、そういうことを続けていかないといけないという責任も感じます。「マネージャーって何をやってるの?」と聞かれても一つのことだけではなくて、ソネもいろんなことをやっているし、僕は基本サポートなんですけど、最近やっと先回りしてやれるようになりました。最初はもう何やってるのかスタッフになってみてもわからなかったです(笑)。
仲宗根:自分も何やってるのかわからなくて(笑)。ダメなんでしょうけど、先回りして考えないといけないんでしょうけど、結構リアクションで動いているというか。初めてマネージャーになった時に(宮本)啓希さんが主務だったんですけど「リアクションや!」って言われて(笑)。ノム(野村直矢)さんも啓希さんもリアクションで動ける方だったので。選手時代に仕事とラグビーやってて、営業の仕事やってる時はどれだけ計画を立ててその計画に対してどれだけ対応できてるかみたいなことをやってきていたのが急に「リアクションや!」って言われたんで(笑)。あ、すごいなと思ったんですけど、実際にやってみるともちろんプランを立ててそれに対して行動してみたいな部分もありながらも、リアクションしなければいけない所は必ずあって、日々学ぶというかリアクション力はつくなとは思いましたね。
そんなリアクションを求められる仕事で、印象に残っていることはありますか?
仲宗根:コロナの時期は検査して、選手スタッフみんなで対策をして日々我慢して過ごしていても、どうしても陽性者が出てしまって、症状がなくても試合には出れないしで選手としては悔しい気持ちもあったと思うんですけど、誰かと食事した?とか誰と一緒にいた?とか本人も辛いですし、ヒアリングする方も辛いんですけど、何が正解かわからないしどういう対策をすればいいかとか正しい情報が何なのかとか。そんな中でリーグから提示された情報やドクターの見解なんかを聞きながら、それこそリアクションしながらリーグのレギュレーションに則りながら対応したというのは、それが出来たかなと思います。
村田:試合の日は多いですね、先日のホンダ戦でもロッカールームが暑いから扇風機回そうってなったらブレーカーが落ちて。ハーフタイム前に。急いでブレーカーあげてもらってなんとかハーフタイムには涼しい状況を作れたり。あとはスパイク壊れたから買ってきてみたいな話もあって(笑)。熊谷で壊れて、たまたまスポーツショップが隣接していて買いに行ったら店員さんに「え?何してるんですか!」って驚かれたりとか(笑)。そういうその場その場の対応が常にあって、練習の日とかでもあれやってって言われたら全部しないといけないし、日々リアクションです。
仲宗根:多分マネージャーだけじゃなく他のスタッフもリアクションで生きてて、これがないからこうしようとか、こんなことが起きたからこうしようというのが、サンゴリアスのスタッフはすごい早いと思います。
村田:諦めるとかないですね。じゃあいいや、とかならないです(笑)。
仲宗根:選手からスタッフになって「なんでこんなにコロコロスケジュール変わるんだよ」って思ってました。マネージャーになった当初も「こんだけ用意したのに・・・大どんでん返しじゃん」みたいなこともあってホテルやクラブハウスの食事担当の方に「食事が1時間早くなりました、出せますか?」とか言わないといけなくて。何でだろうと思ってたんですけど、コーチミーティングとか入ってみると毎日毎日の練習があって、そのレビューに対してコーチもリアクションしてより良いものを作るためにスケジュールを変えて良いトレーニングをする。それでスケジュールが変わっているというのが分かっているようで分かっていなかった。それに対しての大変さはありますけど、それがサンゴリアスのいい部分だと思うし、リアクションで動けるのはサンゴリアスの強みだなと思います。
マネージャーをしていてやりがいを感じることは?
村田:試合に勝って、最後戻ってきた選手の笑顔を見た時に思いますね。選手の時は勝ったらホッとして疲れたな、って言って帰る感じでしたけど、スタッフになって思うのは試合の日にやれることって極端に少ないなと。見守ることしかできないというのもありますし、だからこそ勝って笑顔で帰ってきてくれたら嬉しく思いますし、選手たちがベストを尽くせる準備をまた来週から頑張ろうと思います。
仲宗根:僕も同じですね。一喜一憂できる仕事ってなかなかないと思うので。勝った日の片付けはスイスイ進みますけど(笑)いい結果じゃなかった時の片付けは・・
村田:3倍疲れるよね(笑)。荷物を運んでくれるトラックの会社の社長まで疲れてますもん(笑)。関わってくれる人みんなで落ち込んだりして。
仲宗根:でも、そんな中みんなで喜べるのってすごいことだと思います。そこに思いを注げてみんなで感動してみんなで勝ち取ってみんなで喜べるってなかなかないと思うので。
村田:感動しますよね。心が動くってこういうことなんだって、スタッフになってからの方が思います。
仲宗根:確かに。
村田:選手の時よりも何倍も、スタッフになってからの方が感動とか喜びとか大きいですね。
この話を聞いていた前後にも経理の話をしていたり、翌日チームトレーニングは休みだったんですが、来シーズンの合宿候補地の視察に二人で出かけたそう。
本当に仕事が多岐に渡りすぎて結局全貌は見えませんでしたが、忙しそうな中でも各所のスタッフと連携を取りながら穏やかな表情で日々の仕事をこなしているのが印象的でした。
静かに熱い思いを持った二人のマネージャーがチームを陰で支えています。