2024年4月17日
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『スタッフのお仕事〜S&Cコーチ編』
こんにちは。カメラマンの長尾亜紀です。
勝手に不定期連載となりそうなこのコーナー。今回はS&Cコーチの増田和征さんのある1日に密着。
そもそもS&C(ストレングス&コンディショニング)コーチってどんな仕事?という方も多いと思いますので、まずはそこから聞いてみました。
「簡単に言うと選手の能力を強化(ストレングス)して適切なコンデイションに調整する仕事です。そのためのほぼ全てをやる、という感じです。具体的にはウエイトトレーニングもそうですし走ること、走ることの中でも走り方や持久力を伸ばすことや、走る以外の全身持久力とかもありますし、栄養やリカバリー、ストレッチや睡眠方法、リラクゼーション方法・・・といったところです。」
想像以上に仕事は多岐にわたります。ちなみにサンゴリアスには4名のS&Cコーチがいて、それぞれの役割は
「僕はバックスのジムとGPSと、あとは諸々のサポート、リカバリーとか栄養もそうですね。平松(航)さんがフォワードのジムとリコンディショニング(怪我をした選手がラグビーに戻るまでのサポート)、見山(範泰)さんがフォワードのコンディショニング(持久力)のところとかジムのサポート、あとはリカバリーをメインでやられてて、(吉浦)翔が全体の統括をしています。」
そんなS&Cコーチ陣の朝は、栄養士の大場彩可さんも加わってのミーティングからスタート。
近くを通りかかったイザヤ・プニヴァイ選手と爽やかな朝のひととき。
平松S&Cコーチとコミュニケーションを取りながらウエイトトレーニングの準備。
その日のメニューを貼ったり、器具の準備に奔走
トレーニングが始まると実演しながらの説明に始まり
ちょっと目を離すとどこにいるか見失うくらい、いろんな場所に目を気を配って動き回る増田コーチ。選手とコミュニケーションをとったり
はたまた重りになったり
声をかけて選手を盛り上げたりもしながら所狭しと動き回り
そんなジムの中はいつも活気に溢れています
あれ?中村亮土選手、ちょっとズルしてませんか?笑
ウエイトが終われば後片付け、そしてチームミーティングに向かいます。
ウエイトトレーニング中に気をつけていることとして増田コーチは「ジムは特に自分がメインで担当している分野なので、自分がやってほしいことを自分が設定した基準で達成できているかどうかというのをまず見て回って、できていなければアドバイスしたり、やっていて痛みを感じている素振りや表情、硬さを感じていそうなところをできるだけ見逃さないようにしています。あとは平松さんとその基準を共有して、その基準でできているか、あとは痛みや出来ない動きについてこうしたらいいかもねと話し合ったりしています。」
チームミーティング後、外に出てトレーニングスタート。練習のサポートをしつつ、肩にぶら下げている端末にリアルタイムで転送されてくるGPSの情報を随時チェック。
ところでGPSの情報を見ることで何がわかるんでしょうか。
「リアルタイムでどの選手がどれだけ走っているのかが見られます。数字をみて、どの選手がどれくらい走ってるかを確認しながらやって、これくらい走っているから今日はもういいかもなとか足りないなとかの調整をします。トレーニングが終わったらデータを吸い上げて選手たちになるべく早く共有します。」
さらにGPSについて「色々役に立つことはあるんですけど、まずはコンディショニングの面でいくと選手に対してどれくらいの負荷がかかっているかが数値としてわかる。それが一番大きいですかね。それでこの選手は先週と比べて明らかに走る量や加速の回数が伸びているからちょっと怪我のリスクがあるかもとか。それだけでは判断しないですけど、それで例えばふくらはぎに張りがあるとか、ハムストリングに張りがあるとか疲れがとれないとかあれば、それが原因かもしれないねと言う感じで管理できたりとか予測にも使えます。強化するという面でいくと先週の同じような練習ドリルと比較して今週の練習はどれくらいの強度に達しているか、ゲームと比較する場合はゲームの一番きつい時と比べて今日の練習はそこに達しているかというところも見えるので、強化と言う面ではそこが役に立ちますね。」
その後、スタッフミーティングや雑務をこなし、1日の終わりにご自身のトレーニングを公開してくれました。笑
まずは入念なストレッチから
増田コーチに限らず、メディカルスタッフもトレーニングをしつつ、その日行ったメニューについても話をしたりしていました。
この日一番の見せ場!重さはなんと180kg。ちなみにトレーニングを続ける一番の目的は
「健康維持!一番は健康維持ですけど(笑)。S&Cコーチって動き回るんですけど、食事の時間とか不規則な部分もあったりするので。健康維持もありますし、あとは僕はまだ経験も浅いし若いので、自分が出来るといったところでも引っ張りたいなというのもあって、自分で試してみないとわからないことも山ほどあるので。でも一番は自分がやらないと気持ち悪いからです(笑)」
ラグビー経験者の増田コーチ、しばしばラグビーのトレーニングに入ることも。
最後に、S&Cコーチとしてやりがいを感じることを聞きました。
「選手が試合に出て活躍するのもそうですし、いいパフォーマンスを出した時は嬉しいと思いますし、朝早くからやって結構夜も遅いんで、やった甲斐があるなと思います。」
今回も、普段なんとなく見ているだけではわからないことがたくさんありました。
日々ハードワークを続けるスタッフの方々にもぜひご注目ください。