こんにちは、管理栄養士の金剛地舞妃です！

先日チームからもリリースがありました通り、2020-2021シーズンをもってサンゴリアスを退団することになりました。
今回のスマイルカフェでは、私からの最後のメッセージをお伝えしたいと思います。

8年前サンゴリアスに携わり始めた当初の私は、経験もスキルも何もなく、たくさんのものを身につけ、ものすごく強くなる必要がありました。成長するために多くのことを乗り越えなければならなかったので、毎日が戦いで、少しでも気を抜いたら崩れてしまいそうなギリギリの日々でしたが、厳しい練習やトレーニングに励む選手の姿を見るたびに勇気をもらい励まされ、ハードワークするスタッフの姿や言葉に力をもらい、クラブハウスや試合会場で声をかけてくださるファンの方々に元気をいただき、何とか乗り越えることが出来ました。

初めは選手たちに話しかけるのも怖くて、毎回勇気を出して名前を呼んで挨拶をしていました。食事メニューを考えるにも栄養のことを伝えるにも選手の気持ちや状態など分からないことばかりだったので、選手やスタッフにたくさん話を聞きました。
その中で得たヒントを頭の中で組み立てながら食事メニューに反映させて、感想を聞いて改善を繰り返し、次第に選手から感想やアイデアを伝えてくれるようになり、その都度、練習スケジュールや特にポイントとなる栄養素、選手たちのアイデアや好きなものなどがたくさんたくさん詰まったサンゴリアスオリジナルの食事メニューや栄養の文化が作られていきました。

また、選手やスタッフとのコミュニケーションの中で、常に栄養教育のヒントも探していました。どのような情報を伝えるべきか、それを伝えるタイミングはいつか、どのような伝え方が良いのか、練習を見ながら、選手やスタッフと話しながら、いつも考えていました。栄養教育はただ情報を伝えるのではなく、本人の感覚などともつなぎ合わせて結果に繋がるところまで導いていくことが大切で、その選手に合った栄養プランを構築させていくというイメージでやりとりを重ねました。
選手たちは常に高いレベルで自分と向き合っているので、例えその時には耳に届かなくても、必要な時に必要な情報を掴むと信じていました。ここ数年は、「俺にはこれは合わないけど、これは調子が良いんだよね」など、選手同士で食事に関する様々な情報を共有しあったり、楽しむことも忘れずに食事の力をフル活用して味方につけている様子がたくさん見られ、とても素晴らしいことだと感じます。

食事メニューも栄養教育も常に自分が納得する最高の状態で臨みました。どこかで手を抜いてしまうと、さらに良くするために次に何を変えればよいのか分からないからです。どんなに「これで最高！」と思っても改善点がたくさん出るし、質問に答える時ももっと違う伝え方の方が分かりやすかったかなと振り返り改善を繰り返す日々でしたが、きっと選手たちも日々こうして自分と向き合ってさらに強くなっているのだと思います。

「いつかはチームを離れる時が来る、次の世代の栄養士に繋いでいきたい」という思いをずっと持っていて、毎年チームで様々な取り組みをして栄養面の進化を続けてきた中で、ある時、さらに進化するために新しい視点や考え方を取り入れるタイミングかなと考えるようになりました。

今後は、このスマイルカフェも含めて後任の大場彩可（おおば あやか）さんにバトンタッチします！
大場さんよりメッセージを預かっていますので、ご紹介させていただきます。
「サンゴリアスの一員としてアグレッシブに頑張ります！よろしくお願いします！」

改めまして、サンゴリアスを通して出会うことができたすべての皆様、本当にありがとうございました。

私は、サンゴリアスに出会うまでラグビーに触れる機会はあまりなかったのですが、サンゴリアスに出会って、ラグビーをしている人、していた人、ラグビーに関わっている人、ラグビーを好きな人が素敵な人ばかりだなと感じて、ラグビーが大好きになりました。

この私の最後のスマイルカフェを通して、選手たちへ心いっぱいのエールが、そしてサンゴリアスを通して出会えた皆様へ心いっぱいの感謝の気持ちが届きますように。