2013年4月12日
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『昨シーズンの“影の”MVPは?』
こんにちは、瀧川恵です。
10年目のトップリーグを優勝で飾り、日本選手権でも連覇を果たしたサンゴリアス。
年間表彰式で発表された、トップリーグMVPはジョージ・スミス選手でした。
では、あなたが選ぶMVPはどの選手ですか?
私が思うMVPは・・・
「言葉で引っ張っていくタイプではないので、体を張ります(笑)」
そう語ってくれた、いつもインタビューでは言葉は少なだけれど、秘められた強い気持ちをプレーで見せてきた、真壁キャプテンです。
うまく言葉で引っ張ってくれる先輩がたくさんいるからこそ、「がむしゃらにがんばっている姿を見せる」ことでチームにその存在感を示してきました。
試合が終わると、取材するメディア向けに監督とキャプテンによる記者会見が開かれます。
その時のジャージはいつも泥だらけでした。
8月31日の開幕戦の後、めちゃくちゃ緊張したという、初めてキャプテンとしてのぞんだ記者会見・・・
この日はチームのシーズン最初のトライが真壁選手だったということもあり、その質問に饒舌に答えてくれるのかなと思いましたが、「ファーストトライが取れて、舞い上がってしまいました」と、多くを語ってはくれませんでした。
あとから聞くと、「会見って何?どんなことを話せばいいの?」と正直思っていたそうです。
そんなキャプテンもリーグ戦13試合、プレーオフ、日本選手権と会見の回を重ねるごとに、そのポイントを押さえて話してくれるようになりました(笑)。
「このメンバーで今日のためにやってきた」
日本選手権の決勝、実はケガによる痛みで十分にプレーが出来る状態ではありませんでした。
大久保監督も「去年、同じ状況ならプレーしていなかったでしょう。チームがキャプテンとしての真壁を作り上げたのです」と言う程の状況でした。
それでも、キャプテンとしてグラウンドに立つことに意味がありました。
試合が始まるまではケガの影響を心配していたようですが、思った以上に体は動いたそうです。
しかし、これ以上はチームに迷惑がかかる・・・と自ら判断し、前半37分に交代を申し出ました。
ノーサイドの瞬間、グラウンドには立っていられませんでしたが、
「ラスト2試合はケガでチームに迷惑をかけたので、最後は全力でベンチから声を出しました。みんなを信じていました。このメンバーで今日のためにやってきたのですから。」
そう言った顔はたくましいキャプテンの顔でした。
今シーズン最後の会見で、最後の最後に大久保監督はチームの成長した部分を問われました。
技術面、メンタル面、様々な要素の話が出た後、
「キャプテンの受け答えがいちばん進化しましたね。」
と一言言い残して席を立ちました。もちろん、会見場は大爆笑。
監督の思うMVPも、間違いなく真壁選手でした。