2012年11月 2日
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『キャプテンらしくないキャプテン!?』
こんにちは、テレビ朝日の瀧川恵です。
トップリーグは第8節が終わり、1ヶ月の中断期間に入りました。現在、全勝で首位に立っているサンゴリアスの中でも欠かせない選手として、今シーズンからキャプテンとしてピッチに立っている真壁伸弥選手。お話しを伺おうとすると・・・
「インタビュー苦手なんですよ。真面目に答えた方がいいですか?」
と先制パンチ。ということで、今思うことをざっくばらんにぶっちゃけてもらいました。
「キャプテンは孤独だ。それは覚悟しろよ。」
キャプテンの指名を受け、いざチームが始動したとき、まず大久保監督からかけられたのが、この言葉でした。4年目の真壁選手は、これまで高校、大学など所属チームでのキャプテンの経験はありませんでした。
「責任を持たせることで、選手としてもっと成長してほしい、体を張ってプレーで引っ張る選手になって欲しいと思ったからでしょうね。」
これまでチームの中では自由にプレーしていたと言う真壁選手。
「キャプテンになったことで、より体を張ったプレーでチームを引っ張りたいと思うようになりました。試合でいいパフォーマンスを出せれば、言いたいこともしっかりと言える。言葉に説得力を持たせられますからね。」
しかし、こう思えるようになるまでには少し時間がかかりました。
「自分自身を追い込まなければならないし、試合にも出続けなければいけない。シーズン前、夏合宿の頃にはそういうプレッシャーがありました。いろんな意味でお手本にならなければいけないのに、ラグビー選手としてまだまだ未熟な自分で本当に大丈夫なのかな・・・って。」
そんな不安を解消してくれたのは、先輩たちの手厚いフォロー。
「特に、バイスキャプテンの有賀さんと大学の先輩である小野澤さん。有賀さんはフォローしないと自分が心配だったんでしょうね(笑)。最初の頃は、ものすごくフォローしてくれました。最近は任せても大丈夫かなって少し思ってくれているみたいです。そして、小野澤さんはメンタル面でもフォローしてくれます。あの時はこういうふうに言った方がよかったかなーとか、この方が周りは動きやすいよとか。本当にありがたいです。」
とは言っても、元々キャプテンタイプの選手ではないと断言する真壁選手。
「キャプテンキャラじゃないんです。円陣でみんなに声をかけるのはいまだに苦手です。(笑)」
「ラグビーはがんばった者勝ち」
真壁選手がラグビーを始めたのは高校2年生のとき。トップの選手の中では遅い方ですよね。
実は、意外なスポーツ歴があるんです。
「最初にやったのは、野球。体が大きかったからキャッチャーをやっていたんですが、ピッチャーをやるように言われ、最初のバッターにピッチャー返しをくらい、当たったボールが痛すぎて4ヶ月でやめました。そして、次にやったのはキックボクシング。近くにジムがあったからかっこいいな~と思って。ところが練習がキツ過ぎて、数週間も続きませんでした。」
そして、高校時代、ラグビー部に入りたいという同級生に連れられて練習に行ってみると・・・
「タッチフットをやっていて、それがすごく面白かったんです。それで入部したら、全然違うスポーツでした(笑)。でも、メンバーをかき集められた同期は、化学部とか美術部とかオタク?とか、想像しずらいラグビー部だったんです。それで、宮城県大会で2位になったとき、“やべ、ラグビーって面白いな、俺たち頑張ったんだなー”って思ったんです。」
それまで、いろいろなスポーツを経験しながらも、長続きしなかったのが、ラグビーの魅力にはどんどん引き込まれていったのです。
「大きな選手を倒すのは、自分がやらなくてはいけない」
192センチと恵まれた体格の持ち主でもある真壁選手にはある自負があります。
「大きな相手を倒すのは、大きな選手がやらなくてはならないこと。自分が体を張って、前へとこじ開けていく姿を見て欲しい。」
後半戦もキャプテンとして、フォワードとして、プレーでも大きな存在感を見せてくれることは間違いありません。
「ここまで全勝(8勝)でこれたのは、自分たちのアタッキングラグビーを突き詰めてやってきた結果。後半も変わらずにハードワークして、どんな相手であろうと自分たちのスタイルを貫いていきたいです。」
最後まで、「カメラとか苦手なんですけど・・・」とお茶目な一面を見せつつも、キャプテンとしての顔も少しだけ見せてくれた真壁選手。こんなに素敵なキャラクターの持ち主だとは、今まで見抜けませんでした(笑)。
後半戦も、体を張った闘志あふれるプレーでチームを引っ張っていってくれることでしょう。そして、円陣でどんな表情で先輩たち相手に言葉をかけているかも注目ですね。