2012年9月21日
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『たくさんの想いが詰まった開幕戦』
みなさん、こんにちは。テレビ朝日の瀧川恵です。
まだまだ残暑の残る中、サンゴリアスは開幕から3連勝、今シーズンもいいスタートを切っています。そして、明日は9月最後となる第4節キヤノンイーグルス戦が秩父宮ラグビー場で行われますね。
ナイターでの試合は明日で最後となりますので、ぜひ会場に足を運んで頂き、サンゴリアスへのご声援をよろしくお願いします!
サンゴリアスは第3節を終え、全ての試合でボーナスポイントを獲得し、現在首位に立っているところですが、その中でも開幕戦は、選手はもちろんのこと多くのスタッフ、ファンにとっても新しいシーズンを占う大事な一戦となりました。金曜日のナイターということで、たくさんのファンも見つめた開幕戦を印象的な言葉とともに振り返ります。
“とりあえずホッとした”
開幕戦という普段の試合よりも何倍も意味を持つ一戦を終えて、選手たちの口をついて出てきたのはこの言葉でした。昨シーズン2冠を獲得したチームにとって、勝ち続けることは難しいからこそ出てくる言葉なのでしょう。
“自分の仕事ができてよかった”
13年目のシーズンを迎えてなお、攻撃の中心としてその存在感を示したのが、小野澤宏時選手。
ベテランと呼ばれるようになっても、いまだに毎回試合のメンバー表に自分の名前があるか、緊張しているのだとか。
10年前のトップリーグ開幕戦でもトライを決めていて、今季は100トライまであと「8」(※第2節でも1トライ決め、残りは「7」)という楽しみな記録にも挑戦となりますが、本人はいたって冷静。
「数えたらダメなので、いつも通りに準備するだけ」と。
“すごく嬉しい”
開幕前に話を聞いたときに「7年目になるのに、まだ2度しか開幕戦に出たことがないんです」と話していた有賀剛選手。
自身3度目となる開幕戦のピッチに立てたことに、「みんなが憧れる開幕戦という舞台に立てて、しかもトライも取ることができて、すごく嬉しい」と、飾り気のない言葉でその気持ちを表現してくれました。
そして、残暑が厳しい中での試合はいつもとは少し戦い方が違うのだそうです。
「実は雨でボールが濡れているよりも、汗で濡れている方がボールは滑るんです」
体力の消耗、ボールの扱い方も夏ならではの戦い方があり、しっかり対策を立てることで勝利を手繰り寄せたのです。
それでも、最後には「うかれることなく、この後も試合が続くので次に向けて準備したい」と気を引き締めていました。
“新たな1ページをキャプテンが刻んでくれた”
試合後、各チームの監督とキャプテンが出席する共同記者会見。
初陣となった大久保直弥監督の言葉です。
今シーズンのファーストポイントは、新キャプテン・真壁伸弥のトライでした。
「ファーストトライが取れて舞い上がってしまいました」と苦笑いの真壁選手でしたが、大久保監督からは「新たな1ページをキャプテンが刻んでくれました。シーズンを振り返って思い出すのは、このトライになるかもしれませんね」と嬉しい言葉をかけられ、恐縮しきりでした。
“まずまずの成果、でもまだまだです”
プレシーズン中に“鬼コーチ”として取材した(笑)、新田博昭ストレングスコーチの言葉です。
「80分間、サントリーのアタッキングラグビーができる選手を作るのが目標であり仕事です。試合での選手のパフォーマンスがその成果だとすると“まずまず”です。でも、“まだまだ”です。」
あくまでも高い目標に向かうサントリーにとっては、開幕戦の勝利は一つの通過点であり、シーズン前の厳しいトレーニングは、1シーズンを通して少しずつ実を結んでいくものなのかもしれません。
試合前、新田コーチは「1人1人が昨シーズンよりもレベルアップしていること、暑さ対策も万全であることを伝えました。だから、自信を持って、持てる力を100%出すこと」と選手たちを送り出しました。
この勝利は何よりも、積み重ねてきたものの証になったに違いありません。
いよいよ長いシーズンが始まりました。
今シーズンは、サンゴリアスを取り巻く「言葉」に着目しながらリポートしていきたいと思います。