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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2015年7月28日

サンゴリアスラグビー大辞典 #249“特別編”『コミュニケーションその1』竹本隼太郎

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「コミュニケーション」その1(解説:竹本隼太郎)
 
 
試合後にまさに“ノーサイド”という意識で、相手チームとコミュニケーションを取るのがアフターマッチファンクションです。例えば東芝戦後のファンクションでは、試合では“府中ダービー”ということで激しく精神的にも燃えてプレーしますが、ファンクションではいちばんうち解け合えるチームのひとつです。
 
試合のこと、次の試合のことなどを話して、そういう輪がファンクションの場にたくさんできています。各年代で集まっていることが多いです。あとは日本代表つながりとかですね。そこで“縦串”と“横串”がささって、一体感が生まれます。
 
これは対戦相手によっても違って、ファンクションの会場に来るのが遅すぎた場合だとか、コミュニケーションの場であるにもかかわらず、椅子に座ってまったく話す気がないような選手も時々います。そういう場合もありますが、それはチーム、選手それぞれのカラーなんだと思います。
 
試合中のコミュニケーションにも触れておきます。自チームの選手やスタッフとのコミュニケーションは、既にいろいろ語られていますし、相手チームとのコミュニケーションは試合前に挨拶を交わすぐらいですから、それ以外で重要なレフェリーとのコミュニケーションについて解説してみたいと思います。
 
試合中にレフェリーと話が出来るのは、ルールブックの上では“キャプテンに限られる”ということになっています。ただレフェリーも人間ですから、キャプテンでなくても誰かが咄嗟に「今の反則は何ですか?」と聞いたら、「それは何々です」と答えることもあります。
 
レフェリーからコミュニケーションを取ってくる場合は、「こういうプレーには次は笛を吹きますよ」とか、自分が「これは吹く」というプレーに対するコーション、警告と言うか注意を促すコミュニケーションですね。
 
例えば、球出しのところで、またそういうプレーをしそうなときには、全選手に対して「ボールを触らない=ハンズオフ」とか、「ボールを早く出してください=ユーズイット」と一方的な指示と言うか号令みたいに言葉を発します。それに対して、「ここの解釈はこうじゃないですか?」とレフェリーと会話できるのが、キャプテンだけということになっています。
 
反則をした選手に注意される場合、そこにキャプテンも一緒に行って、例えば「危険なプレーだったんでやめてください」という話を聞いて、そのあと他の選手にもキャプテンから伝達したりします。伝達する場合、味方の選手に対して「このレフェリーはこういう笛を吹く傾向があるから、チームで変えていかないといけないよ」という情報を伝えることで、次に同じ反則を繰り返してシンビンになったりすることを避けようという意図もあります。
 
<つづく>

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