2015年7月16日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #247 “特別編”『記者会見』真壁伸弥
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「記者会見」(解説:真壁 伸弥)
記者会見では、基本的に自分が中から見た感じと、外から見たような客観的な流れの両方を伝えようとして話します。実際には中から見ているのと外から見ているのとでは全然違うのではないでしょうか。ラグビーをよく知っている記者の方から「こういうことがありましたけれどどういうお考えでしたか?」と訊かれても、答えられないんですよね。
その時の流れがあるのと、基本的には記憶にないということが大きいです。記者の方にそう言われて、思い出しながら喋っています。ほぼ思い出すことに必死です(笑)。ゲーム中は必死なので、ほとんど覚えていないんです。バックスだったりスタンドオフだったりすれば、もうちょっと冷静に見ることが出来ると思うんですが、フォワードなんで、前に行くことしか考えていません。
自分が気持ちの良いプレーをしたとしても、あまりしゃべるタイプの人間じゃないので、記者会見は難しいですね。思っていることを監督が先に言う場合も多いので、「その通りです」だけしか言わない時もあります。それは記者会見だけではなく、普通のミーティングでも同じ事が言えますね。結局シンプルなんで、皆が思っていることは一緒なんです(笑)。
ジャパンの試合ですと、あまりラグビーが詳しくない一般紙などのメディアの方もいて、「あそこは何であぁいうことが出来るんですか」と訊かれたりします。そうすると「あぁそういう風に見えたんだ」と思って、こちらも考えて、意外と答えやすかったり、勉強になったりする場合もありますね。