2015年7月 9日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #245 “特別編”『勝利インタビュー』
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「勝利インタビュー」(解説:真壁 伸弥)
試合後にインタビューを受ける時には、試合後の反省としてのネガティブな思いも出てくるんですが、なるべくポジティブなことを言うようにしています。元来ネガティブな性格なんですが(笑)、優勝した時の「勝利インタビュー」では、「自分たちのラグビーをやって勝つことができました。良かったです」というような話をすることが多いです。「うまい酒が飲めます」など、思ったことを言っています。
この時点では、喜びしかないと思います。喜びと反省が半々とかではなく、素直に喜んでいます。自分は決勝で勝った時しかインタビューはありませんが、それは「とにかく勝てば良い」という試合なので、「終わった」という感覚で好き勝手なことを言っていたかもしれません。もう少し相手のことをリスペクトするべきだったなという反省もあります。
他の選手がそういう勝利インタビューを受けているのを聞いて、「あぁ凄いな」と思ったことが何度かあります。優勝の時ではないですが、神戸製鋼の伊藤鐘史さんとか、サントリーで言えば中村亮土、彼が帝京大学で優勝した時のコメントは、本当に凄いなと思いました。伊藤鐘史さんの場合は、勝った嬉しさというのもあるんですが、自分たちのチームのこと、仲間のことを讃えていたんです。「本当によく頑張った」というようなことですが、恥ずかしさよりも先にそういうことが言えるというのは、凄いなと思いました。
サンゴリアスでは亮土(中村)。亮土は、相手のこともリスペクトして、勝てたのは「相手のお陰です」的なことを言っていて、「本当に大人で凄いな」と思いながらテレビを見ていました。一方自分のインタビューを見直してみると、嬉しかったことしか言っていないので、幼いインタビューだったなと思います。
先ほど「恥ずかしさ」と言ったのは、仲間にストレートに言ったらちょっと恥ずかしくなるようなことを、バーッと言って最後まで言い切
るような場面を見て、「あぁ凄いな」と思ったということです。自分がそれをやったら、たぶん全員が笑いますね。そういうキャラですが、でも次に勝ったら、恥ずかしがらずに僕もそれを言いたいですね。