2015年7月 2日
サンゴリアスラグビー大辞典 #243“特別編”『マン・オブ・ザ・マッチその2』成田秀悦
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「マン・オブ・ザ・マッチ」その2(解説:成田秀悦)
意外だったマン・オブ・ザ・マッチもあります。あるシーズンの近鉄戦の後半あたまにジョージ・グレーガンと交替して入ったんですが、0対6ぐらいで負けていたところ、僕が入ってからどんどんペースアップしてトライを取って勝って、僕がマン・オブ・ザ・マッチをもらいました。
この試合は、僕が入った5分後ぐらいに曽我部(現ヤマハ発動機)が入ってきて、曽我部が試合を加速させたというところがありました。曽我部の声通り動いたし、実際に曽我部もトライをしていて、アシストしているのもほとんど曽我部でした。だから試合が終わったときに「今日は曽我部でしょう」とみんなで言っていた中で、「今日のマン・オブ・ザ・マッチは成田選手です」と言われたんです。
曽我部に申し訳ない感じがとてもあったので、そのまま記者会見にも出たんですが「今日は僕というよりも曽我部だと思います」と話しました。そういうパターンもあります。いろいろなパターンがありますね。
とにかく試合を見てもらって選ばれる賞なので、受賞するのは嬉しいです。嬉しいし、マン・オブ・ザ・マッチを貰ったときには、結構いろいろな人に声を掛けてもらったりもします。賞金をもらう訳ではないので、そのあとみんなにごちそうするとかはないですが(笑)、でも終わったあとにアフターマッチファンクションで何度も乾杯をされたりします。
アフターマッチファンクションでは対戦したチームの選手から言われたりもします。負け寸前から逆転トライを取ってマン・オブ・ザ・マッチになった試合(2014-2015シーズン開幕戦vsコカコーラ)の時に、「やってくれたな!」と言われたのは印象的でした。僕はリザーブでも取っているし、ウイングでも取っているし、面白いですね。
サントリーではまだありませんが、負けたチームからマン・オブ・ザ・マッチが出る場合もあります。ケースとしては逆転トライを最後にしたけれど、そこまでリードしていたチームでコンスタントに活躍した選手がいたら、その選手が取る、というようなケースだと思います。だからもしかしたら、僕がロスタイムに逆転トライして受賞した試合では、僕じゃなくて相手チームから出てもおかしくなかったかもしれません。
<了>
【マン・オブ・ザ・マッチ受賞回数】(5回以上)
12回 スティーブン・ベイツ(東芝)
9回 ニリ・ラトゥ(NEC)
8回 大野均(東芝)
8回 シェーン・ドゥラーム (クボタ)
8回 重光泰昌(近鉄)
8回 立川理道(クボタ)
8回 眞壁伸弥(サントリー)
8回 マレ・サウ(ヤマハ発動機)
7回 小野澤宏時(キヤノン)
7回 五郎丸歩(ヤマハ発動機)
7回 田中史朗(パナソニック)
7回 大田尾竜彦(ヤマハ発動機)
6回 ネマニ・ナドロ(NEC)
6回 堀江翔太(パナソニック)
6回 山田章仁(パナソニック)
5回 大橋由和(神戸製鋼)
5回 小野晃征(サントリー)
5回 オレニ・アイイ(トヨタ自動車)
5回 河野好光 (リコー)
5回 小松大祐(リコー)
5回 ジャック・フーリー (神戸製鋼)
5回 正面健司(神戸製鋼)
5回 スティーブン・イェーツ(トヨタ自動車)
5回 スティーブン・ブレット(トヨタ自動車)
5回 高忠伸(近鉄)
5回 デイビッド・ヒル(東芝)
5回 成田秀悦(サントリー)
5回 西原忠佑(パナソニック)
5回 望月雄太(東芝)
(2014-2015シーズン1stステージ終了時まで/サンゴリアス調べ/カッコ内は最終所属チーム)