2015年6月25日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #241 “特別編”『敗戦 その2』大島佐利
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「敗戦」その2(解説:大島 佐利)
グラウンドからロッカーに帰る間に、負けたことを冷静に考えられるようにはなります。冷静になって帰ってきて、冷静になった中で監督の話やコーチの話を聞いて、「これを反省すべき」「これは出来ていた」ということをまた考えて、というような流れです。その日は考え込んでしまう選手も多いと思いますし、例えばその日はお酒を飲んでパッと切り換える、という選手もいます。
次の試合まで引きずることはありません。次の週の練習が始まる時には、映像などを見て反省しまし、もう次の試合に向けてきちんと準備をしていくことを、みんな心掛けていると思います。またそうしないといけないと思います。
僅差で負けたり逆転されて負けた時と、大きくリードされて負けた時の悔しさは変わりません。僕は点差は関係なく、負けたら悔しいです。1トライ差、1ゴール差、1点差なんていう時にには、「あぁ、あそこで」と思うかもしれませんが、例え点差が離れていたとしても、「あそこでこうすれば良かったのかなぁ」「チーム全体としてこうしたら良かったのかな」と、みんな考えると思います。
今まででいちばん悔しい敗戦は、自分が出ていたからというのもあるかもしれませんが、エディーさん(ジョーンズ前監督)1年目の時のトップリーグの試合です。トップリーグのプレーオフ決勝で、まだその頃パナソニックでなくて三洋電機が相手でした。僕は最後のちょっとしか出ていないんですが、自分自身、グラウンドに出て決勝戦でプレーしたというのが初めてだったので、「絶対に勝ちたい」という思いでやっていました。本当に悔しかったですね。
でも、結局はどの負けもやっぱり悔しいです。同じぐらい悔しいと思います。春の練習試合では連敗することもありましたが、連敗していようが1回負けようが、負けは負けで、どの試合も同じように悔しいですし、例に挙げたトップリーグ決勝戦での負けも、「凄く悔しかった」というより、決勝戦の負けとして印象に残っている、ということだと思います。
自分が試合に出ていない時に負けても、やっぱり悔しいですね。ある意味グラウンドに立てなかった悔しさもあって、余計悔しいのかなと思う部分もあります。「自分はグラウンドに立って戦うことも出来なかった」という思い。しかもそれで負けてしまうという悔しさがあると思います。
<了>