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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2015年6月23日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #240 “特別編”『敗戦 その1』大島佐利

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「敗戦」その1(解説:大島 佐利)
 
 
試合で負けた瞬間、まずはただ単純に悔しい思いです。自分が出来たこと、出来なかったこと、チームとして何が出来たか、出来ていないか、というのを円陣の中ではひと通り話します。
 
例えばトップリーグのシーズン中の試合であれば、「次の試合のためにこの負けから学ぶことも大事だけれど、この負けを引きずらないで切り換えて行こう」というような話をみんなでします。やはりちょっと落ち込む部分はあるんですが、グラウンドでも、そしてロッカーへ帰ってからも「それは今日までにして、次からは切り換えるようにしよう」ということも言います。

 
試合直後にそうやって感じていたことと、試合から時間が経って映像を見たりした時のズレは、大きいものも小さいものもあります。「あぁ、もっとここをこうしたら良かったんだな」というのは後から出てくる部分はありますが、グラウンドの中にいた選手たちがその場でどう思っていたか、何を考えていたか、何が良かったと思ったか、悪かったと思ったか、ということはその場でしか出ないことです。後から考えて「ちょっとズレていたかもな」と思うことがあったとしても、それはそれで大事なんだと思います。「ズレていた」ということが分かることも、大事だと思います。
 
グラウンドではもちろん、詳しく話しきれない時もありますが、その場できちんと出ることによる反省をして、負けてしまった時にはよく「下を向くことはない。出来たことはこうだから」というような話をしますね。
 
円陣の後、バックスタンドへ行ってファンへ挨拶をして、メインスタンドにも挨拶をして、その後、相手チームと握手をします。終わった直後なので、やっぱり「悔しいな」という思いは強いですが、その時には切り換えて、「それはそれ」という思いで握手を交わします。負けた悔しさはありますが、ひとまず置いておいて、という意識で僕はやっています。
 
相手チームで良かった選手には、その時に称えたりしますし、その選手に例えば自分がディフェンスで抜かれたりしていたら、「ちょっとやられたよ、お前には」みたいな話をしたりもします。逆の場合は相手から言われたりもします。
 
<つづく>

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