2015年6月11日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #237 “特別編”『勝利 その1』真壁伸弥
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「勝利」その1(解説:真壁 伸弥)
勝った瞬間、もちろんホッとするんですが、サンゴリアスでラグビーを6年間やっていて、キャプテンも3年やらせてもらって、今のところ「勝利」には3パターンぐらいあるかなと思うんです。
ひとつは一番わかりやすいパターンで、自分たちのラグビーがしっかり出来て、サントリーがアタッして、望んだ形で戦って勝てた、という時です。これは本当に満足感があり嬉しい勝利です。「あぁ、やってて良かったな」って思える勝利です。
それからそれが出来なかったけれども「でも勝てた」という勝利。レベルの差もあれば運もあって勝つことが出来た訳ですが、こんな時にも凄くホッとします。ですが「次の試合までに修正しないといけない」というモヤモヤが残っている勝利です。
もうひとつは、そういうことはもう関係なく、「とにかく勝ちたい」だけしかない試合。決勝とか、負けられない試合での勝利、ですね。例えば全勝していたシーズンの最後の試合は、「何が何でも、1点差でも、泥試合でも何でもいいから勝ちたい」という試合で、それに勝った時は、それまで積み重ねてきた試合の全部が「終わった」と思えるような勝ちでした。
勝利にはこのように3つのパターンがあって、それらをすべて経験出来たので良かったなと思います。これらを土台にして、個人的な部分では“ワールドカップの勝利”というものがあります。これは日本ラグビーの目標でもあり、「その勝利はどういう気分なんだろうなぁ」と思います。これを味わってみたいと思っています。
テストマッチの勝利は、国内の決勝での「何が何でも勝つ」というのに近いですね。全て出し切っているので、勝った時はホッとするというか、何て言うんでしょう、本当に嬉しいですね。
<つづく>