2015年6月 4日
サンゴリアスラグビー大辞典 #235“特別編”『点差』日和佐篤
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「点差」(解説:日和佐篤)
試合終了間際の時間帯で、その時点のスコアによってどのような心理状態なのか。試合毎に状況や境遇は違いますが、一般的なセオリーとして“その試合だけ”を考えた場合を中心に訊きました。
【+8点差以上】
試合終了が近づいてきて、8点差以上の差をつけて勝っている時。3トライしか取れていなければ、もう1トライを取りに行きます。4トライ以上取れていて、マイボールであれば、試合を切るためにボールを蹴り出します。相手のボーナスポイントも、そこでシャットすることが出来ます。7点差以内に追いつかれると、相手にボーナスポイントを与えてしまいます。
【+4~7点差】
7点差の時は難しいですね。同点にされる可能性もありますし、敵陣に入っていたら、もう1トライを取りに行くかもしれないですし、ピンチであれば勝ちに行くために、キックで蹴り出すかもしれません。この点差では不確定な要素が多いですが、チャンスの時には取りに行く、ピンチの時には蹴り出して、勝ちを優先します。
【+1~3点差】
トライで逆転されますし、PGで逆転されることもあるので、リスクを考えて蹴り出します。勝ちに行きます。
【同点】
同点はいちばん難しいですね。ですが、同点だと、たぶん勝ちに行くと思います。マイボールであればプレーを継続します。相手ボールの場合は分かりません(笑)。自陣深いところでボールを奪った場合は蹴り出すかもしれないし、攻めてきたらターンオーバーを狙うかもしれません。
【-1~3点差】
間違いなくトライを取りに行きます。「-2点」で敵陣であれば、ショット(ペナルティーゴール)も考えます。場所そして相手チームとの兼ね合いもあります。この時間になったら、風上、風下もあまり関係ありません。
【-4~7点差】
もちろん、トライを狙いに行きます。それしかありません。
【-8~14点差】
「7点差以内」だとボーナスポイント1が獲得できるので、トライが欲しいですね。そこまで3トライしていれば、トライを取りたいところです。4トライ以上のボーナスポイントと、7点差以内のボーナスポイント、合わせて2ポイント入りますから。12点差まではトライを取れば7点差になりますし、ゴールも決めれば14点差までは、その範囲ですね。勝ち点を取れる最善の方法をとります
【-15点差以上】
4トライ目が取れそうであれば、トライを狙います。取っても3トライだったとしても、トライを取りに行くと思います。16点差以上がついている時も一緒です。ラグビーは紳士のスポーツですから、最後まで諦めない、という姿勢で行きます。