2015年6月 2日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #234 “特別編”『イエローカード その2』石原慎太郎
サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
「イエローカード」その2(解説:石原 慎太郎)
イエローカードが出てシンビンから試合に戻る時に、もう1回レフェリーに呼ばれて、「同じ反則の繰り返しだからね」とか、危険なタックルでのシンビンだったら、危険なタックルに対する注意をもう一度受けます。出る時、戻る時、両方あります。みんなが見えるところで言われますから、もちろん注目されます。
それからは僕はずっとやっていません。プロップがシンビンを取られるのも珍しいと思います。スクラムでの反則の繰り返しだったりする場合は多少あると思いますが、あまりイエローカードを出されるのが多いポジションではないので、やっぱり同じ反則の繰り返しということには敏感になりました。レフェリーから「次やったら出るよ」とか「同じ反則続いてるよ」と言われたら、特に気をつけなければいけません。
試合中にシンビンの1つ前の段階で注意してくれるレフェリーとしてくれないレフェリーがいますが、最近はしてくれるレフェリーが多いと思います。自分がやった時は、言われていましたが、ラックの中で手を使っているというハンドの反則をチームがずっと取られていて、僕はハンドではなくてラックに横から入ってしまい、オフザゲートだったと思います。ブレイクダウンの反則だったので、同じことの繰り返しで注意力が足りないということでした。
普通はレフェリーがキャプテンを呼んで「反則多いからみんなに伝えてください」「こういう反則が続いてますよ」と注意をするので、同じ反則の繰り返しがその中で続いてしまった場合は、「キャプテン、さっきも言ったけれど、同じ反則を繰り返しているから」ということでキャプテンがシンビンになったのは、大学時代に何度か見ました。レフェリーが何番がやったか確認できない場合もあるので、その場合もキャプテンにシンビンが出たことがありました。
イエローカードをもらわないコツは、一度シンビンを経験すると「もう絶対にしたくない」と思いますから、それじゃないでしょうか。何よりもいけないことですからね。味方は誰も得をしませんし、相手だけが得をしますから。
チームに人数的不利が出て、かかる迷惑も大きくて、レフェリーに対しての印象も良くないですし、戻ったとしても「一度シンビンを受けた選手」という目でプレーを見られると思いますし、ゲームを通して良くないことだと思います。5年経っても振り上げられたイエローカードは、ちゃんと覚えてますね。
<了>